日
日本高純度化学株式会社
JAPAN PURE CHEMICAL CO.,LTD.
181億円売上高(FY2026)
11.5%ROE
82.7%自己資本比率
65財務健全性スコア
KEY METRICS
主要財務指標
FY2026の売上高は181億円(前年比+43.3%)。営業利益は6億円(営業利益率3.2%)、当期純利益は18億円。総資産217億円に対し自己資本比率は82.7%、ROEは11.5%。化学の中央値(ROE 6.6%)を上回る水準。営業キャッシュ・フローは-8億円の流出、現金及び現金同等物は70億円。
開示値を定型文に流し込んだ自動生成の概況です(LLM不使用)。株価(終値)4,730円2026-09-04
PER15.2倍
PBR1.53倍
配当利回り4.23%
時価総額(概算)177億円
株価はYahoo Financeの公開データによる参考値。PER・PBR・利回りは最新有報のEPS・BPS・配当との組み合わせ計算です。売上高181億円+43.3%
営業利益6億円+14.7%
当期純利益18億円+14.2%
総資産217億円
純資産181億円
営業利益率3.2%
ROE11.5%
自己資本比率82.7%
EPS311.9円
BPS3,098円
1株配当200円
配当性向64.1%
従業員数—
INDUSTRY POSITION
業種内のポジション
ROE11.5%中央値 6.6%
営業利益率3.2%中央値 7.0%
自己資本比率82.7%中央値 63.4%
健全性スコア65.0点中央値 66.0点
帯は化学(127社)の下位25%〜上位25%、縦線が中央値、丸が当社の値です。
FINANCIAL HISTORY
業績推移
資産
負債・純資産
| 年度 | 売上高 | 営業利益 | 経常利益 | 当期純利益 | 総資産 | 純資産 | EPS | ROE | 自己資本比率 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| FY2026 | 181億円 | 6億円 | 8億円 | 18億円 | 217億円 | 181億円 | 311.9 | 11.5% | 82.7% |
| FY2025 | 126億円 | 5億円 | 7億円 | 16億円 | 159億円 | 136億円 | 273.7 | 11.3% | 85.2% |
| FY2024 | 114億円 | 4億円 | 6億円 | 5億円 | 171億円 | 145億円 | 95.3 | 3.9% | 84.3% |
| FY2023 | 163億円 | — | 8億円 | 6億円 | 156億円 | 135億円 | 97.8 | 4.1% | 86.0% |
| FY2022 | 187億円 | 12億円 | 13億円 | 10億円 | 169億円 | 142億円 | 166.8 | 7.2% | 83.9% |
| FY2021 | 166億円 | 10億円 | 11億円 | 8億円 | 161億円 | 132億円 | 136.5 | 6.7% | 81.1% |
| FY2020 | 130億円 | — | 12億円 | 9億円 | 126億円 | 108億円 | 148.6 | 8.3% | 83.8% |
| FY2019 | 104億円 | — | 12億円 | 8億円 | 118億円 | 102億円 | 146.4 | 8.0% | 85.6% |
| FY2018 | 107億円 | — | 12億円 | 8億円 | 134億円 | 111億円 | 144.1 | 8.1% | 82.2% |
| FY2017 | 82億円 | — | 10億円 | 7億円 | 112億円 | 95億円 | 124.4 | 8.0% | 85.0% |
| FY2016 | 84億円 | — | 10億円 | 7億円 | 96億円 | 85億円 | 121.3 | 8.1% | 87.6% |
営業CF-8億円
投資CF11億円
財務CF-7億円
現金及び現金同等物70億円
MAJOR SHAREHOLDERS
大株主
| 順位 | 氏名・名称 | 持株比率 |
|---|---|---|
| 1 | NOMURA PB NOMINEES LIMITED OMNIBUS-MARGIN(CASHPB) | 19.9% |
| 2 | 日本マスタートラスト信託銀行株式会社(信託口) | 7.2% |
| 3 | RBC IST 15 PCT NON LENDING ACCOUNT - CLIENT ACCOUNT(常任代理人 シティバンク、エヌ・エイ東京支店) | 4.2% |
| 4 | 公益財団法人JPC奨学財団 | 2.6% |
| 5 | 下田 賢一 | 2.4% |
| 6 | 明治安田生命保険相互会社 | 2.3% |
| 7 | 株式会社日本カストディ銀行(信託口) | 2.3% |
| 8 | ワタナベホールディングス株式会社 | 2.0% |
| 9 | シチズン時計株式会社 | 2.0% |
| 10 | MK CHEM & TECH. CO., LTD. | 1.3% |
INTERIM RESULTS
中間期の業績(半期報告書)
| 中間期 | 売上高 | 営業利益 | 経常利益 | 純利益 | 営業利益率 | 自己資本比率 | EPS |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| FY2026中間(〜2025-09-30) | 75億円 | 3億円 | 4億円 | 6億円 | 3.6% | 84.7% | 108 |
| FY2025中間(〜2024-09-30) | 63億円 | 3億円 | 4億円 | 8億円 | 4.2% | — | 142.6 |
| FY2024中間 | 60億円 | 2億円 | 3億円 | 2億円 | 2.5% | — | 35.2 |
半期報告書「主要な経営指標等の推移」からの抽出値です。中間期の利益は通期の約半分に相当するため、年度データとの単純比較はできません。
HUMAN CAPITAL
人的資本
平均年齢39.5歳
平均年間給与858万円
平均勤続年数11.8年
提出会社(単体)ベースの開示値です。
REMUNERATION
役員報酬
| 役員区分 | 報酬等の総額 | 員数 | 1人あたり |
|---|---|---|---|
| 社外取締役 | 27百万円 | 4 | 7百万円 |
| 社外監査役 | 6百万円 | 3 | 2百万円 |
ANNUAL REPORT TEXT
有報本文
事業の内容8,207字
3【事業の内容】 当社は、電子部品のプリント基板(注)1(パッケージ基板(注)2を含む)、コネクター及びリードフレーム(注)3等の接点・接続部位に使用される貴金属めっき薬品の開発、製造及び販売を主な事業内容としております。特にプロセスアドバイス及びアフターフォロー等までも含めた総合的な提案・提供を行っており、ユーザーのニーズに密着した製品の開発、製造及び販売に努めております。 当社は、1971年7月の会社設立以来、常にエレクトロニクス分野を最大のターゲットとしており、エレクトロニクス業界の伸長に伴い、プリント基板、コネクター及びリードフレーム用の金めっき薬品、銀めっき薬品、パラジウムめっき薬品を市場に送り出してまいりました。特に、製品開発においては海外からの技術導入に頼らない自社独自の開発技術体制で臨んでおり、長年にわたって技術の集積を行っております。 貴金属めっき技術は、表面処理技術の1つであり、貴金属を電気化学的に析出させる「電解めっき」と化学反応を利用して析出させる「無電解めっき」とに大別されます。当社の貴金属めっき薬品を方法別・貴金属別に分類しますと、次のようになります。めっき方法貴金属種類用途品目別区分(主な最終製品)電 解金軟質純金プリント基板・パッケージ基板(注)2(スマートフォン、パソコン、電子機器等)硬質金コネクター・マイクロスイッチ(スマートフォン、パソコン、電子機器等)パラジウムパラジウム合金純パラジウムリードフレーム(スマートフォン、パソコン、電子機器等)銀純銀無電解金置換金プリント基板・パッケージ基板(携帯電話、スマートフォン等)還元金プリント基板・パッケージ基板(サーバー、パソコン等)パラジウム還元パラジウムプリント基板・パッケージ基板(携帯電話、スマートフォン等) 貴金属めっきの必要性について エレクトロニクス機器は、多くの部品を組み合わせて作られますが、個々の部品を接続していく工程(実装工程)で、不可欠なものが貴金属めっきです。高密度実装になるほど部品間の接続面積は小さくなり、接点のわずかな腐食、酸化が接続不良につながります。貴金属(金、銀、パラジウム)は、金属の中でも最も腐食、酸化されにくい金属で、実装工程での接点部に貴金属めっきを施すことにより実装部品の信頼性を高めることができます。(注)1 プリント基板 絶縁物の板に薄い銅箔を貼付けた基板を、回路図にしたがって不必要な銅箔を取り去り、電子回路を構成したものをいいます。絶縁物にはベークライト、紙にフェノール樹脂をしみ込ませたもの、グラスファイバーに樹脂をしみこませたものなどが使われます。最近では、より小型化するために板を何枚も重ねた多層基板が主流になっています。パソコンのマザーボードなどがプリント基板に該当します。2 パッケージ基板 BGA(注)4、CSP(注)5、FC-BGA(注)6、などの半導体パッケージに用いられ、半導体チップ(IC、LSIチップ)を実装し、外部回路と電気的に接続する高機能プリント基板であります。3 リードフレーム 半導体パッケージの内部配線として使われる薄板の金属のことで、外部の配線との橋渡しの役目を果たしており、半導体パッケージの大部分に使われております。4 BGA(Ball Grid Array ボール・グリッド・アレイ) IC(集積回路)パッケージのひとつで、パッケージの裏面に、入出力用のパッドを並べたタイプです。ICチップとの接続はワイヤーボンディング方法が主体です。多ピンのICを表面実装するためのパッケージとして広く使われています。プリント基板との接続は、2次元格子状に配置された半田ボール用電極にて行っています。ワイヤーボンディング及び半田ボール用電極は、いずれも金めっきが施されています。金めっきはワイヤーボンディング部分と半田ボール接合部分に使われております。5 CSP(Chip Size Package チップ サイズ パッケージ) ICのチップとほぼ同じ大きさの超小型ICパッケージのことであります。CSPを使用することで、セットの基板実装面積を大幅に削減できます。BGAと基本構造は同じになっております。高精細な設計になっており、パッケージの大きさはICチップと同等まで小型化されております。電極の大きさは数十ミクロン。金めっきはワイヤーボンディング部分と半田ボール接合部分に使われております。6 FC-BGA(Flip Chip Ball Grid Array フリップチップ・ボール・グリッド・アレイ) BGAパッケージの一種で、半導体チップ表面に形成したバンプを用いて、半導体チップを反転して基板上に直接接続するフリップチップ実装方式を採用した高性能半導体パッケージであります。高速伝送性や高集積化に優れ、主に高性能CPU、GPU、AIサーバー向け半導体等に用いられております。パッケージ基板には、高密度配線形成や接合信頼性確保のため、金めっきが使用されております。 <価値創出の循環モデル> 当社は『化学の好奇心でエレクトロニクスに役立てる』の企業理念のもとに集まった技術者集団です。経営上の重要課題(マテリアリティ)として、(1)環境にやさしい製品づくり、(2)人的資本経営の推進、(3)知的無形資産の質的向上、(4)経営基盤の強化、の4点を認識し、従業員のほか、お客様やお取引先様、株主や投資家の皆様、化学の将来を担う学生の皆様ほか、すべてのステークホルダーと社会全体に価値を提供しています。さらには、事業活動によって生み出した価値を経営資源に再投入しながら、財務的・非財務的な価値を持続的・循環的に拡大していきます。 1.当社のビジネスモデル、バリューチェーンに与えるサステナビリティ関連のリスク・機会の影響当社のビジネスモデル及びバリューチェーンは、中長期ビジョン「RDD2030」に掲げる戦略的目標を達成し、短期、中期及び長期にわたって持続的なキャッシュ・フローを生み出すための、独自の価値創造システムとして機能しています。このシステムは、製品の構想から調達、製造、販売、顧客による使用、そして終了に至るまで、当社が利用し依存する資源や外部環境との相互作用のすべてを包含しています。 (1)価値創造を支える経営資源当社は知識集約型企業として、以下の経営資源を事業活動に投入し、独自の付加価値へと変換しています。・人的資本・知的資本: 全社員の約8割を占める物理・化学分野に精通した技術者集団(能動型自律人材)が最大の経営資源です。彼らが開発する長年培われた独自の有機化合物技術「Protecting Agent」を含む「レシピ(知的財産)」、顧客課題に即応する「スピード」、そして製造工程をレシピに基づくフォーミュレーション(秤量・調合)に集約した「ファブライトな製造プロセス」が付加価値の源泉となっています。・自然資本: めっき薬品の原料となる化学薬品、および、金、パラジウム、銀などの貴金属や希少鉱物に深く依存しています。・財務資本・製造資本: 大規模な製造設備を持たない「ファブライト経営」により強固な財務基盤を維持しています。固定資産への投資を抑え、経営資源を「人」に集中させることで、高い資本効率を実現しています。 (2)バリューチェーンの構造とリスク・機会の集中当社のバリューチェーンは、研究開発とフォーミュレーションに機能を絞った以下のプロセスで構成されています。・上流(原材料調達・外注): 化学薬品や貴金属の仕入れ、および外部パートナーへの加工・合成委託。・内部(研究開発・製造): 技術者による独自のレシピ創出と、それに基づくフォーミュレーション工程。・下流(販売・顧客による使用): 電子部品メーカー等への製品販売と、実装工程の信頼性を高めるソリューションの提供。 当社のシステムにおいて、サステナビリティ関連のリスク及び機会が最も集中しているのは、独自のレシピを創出しフォーミュレーション工程を担う能動型自律人材(技術者集団)の活動です。これらの工程においては、人材の専門性や創造性が、ビジネスモデルの持続可能性や将来のキャッシュ・フローに直結する構造となっています。 (3)サステナビリティに関するリスク及び機会がビジネスモデル及びバリューチェーンに与えている影響①現在のビジネスモデル及びバリューチェーンに与えている影響識別されたリスク及び機会は、現時点において各段階に以下の影響を及ぼしています。・上流段階: 化学薬品や貴金属への高い依存により、サプライヤーの環境・安全対応状況や地政学的要因による供給停滞・コスト変動のリスクが、調達の安定性に影響を与えています。・内部段階:能動型自律人材が創出する付加価値の源泉である「独自のレシピ」、顧客課題に即応するスピード、およびレシピに基づいたフォーミュレーション工程の継続的な最適化といった機会が、他社との差別化や既存技術の優位性の維持に繋がっています。・下流段階: 化学薬品の危険性や有害性が顧客の作業環境や環境負荷に直結するため、法規制や顧客のグリーン調達基準の変化が製品の市場競争力に直接影響しています。 ②将来のビジネスモデル及びバリューチェーンに与えると予想される影響当社は、将来的な資源入手可能性の不確実性や人的資本の質的変化といったサステナビリティ関連のリスクを、最大の経営資源である能動型自律人材の役割を強化し、価値創造プロセスをより強靭なものへと変容させる機会と捉えています。ビジネスモデルに与える影響: 当社の内部的な価値変換システム(ファブライト経営)において、能動型自律人材の流出や、専門性・創造性の低下といった人的資本の変質は、付加価値の源泉である独自の「レシピ」を生み出す力を弱める重大なリスクとなる可能性がある一方で、彼らが長年培ってきた膨大なレシピや技術情報を、DX基盤の整備を通じて高度にシステム化し、個人の知見を組織の力へと変換することは、外部環境の変化に左右されず持続的に付加価値を生み出し続ける、より強固な知識集約型ビジネスモデルへと進化させる可能性があります。バリューチェーンに与える影響: 原材料調達から製品使用に至るバリューチェーンの各段階において、顧客課題を的確に把握し解決する技術者集団の質的劣化は、チェーン全体の競争力やレジリエンス(強靭性)を損なうリスクとなる可能性がある一方で、物理・化学に精通した能動型自律人材が主導となり、独自の技術と「スピード」を活かして有害物質を排除した高付加価値製品の開発を戦略的に推進することは、将来の成長市場において他社との圧倒的な差別化を明確にし、供給網全体のレジリエンスを盤石にする可能性があります。当社は、これらの影響を深く認識し、適切かつ長期的な人財戦略を構築することで、将来の市場環境の変化に柔軟に対応できる能動型自律人材の育成と確保を経営の最優先事項として推進してまいります。 2.価値創出の循環モデル (1)企業理念:化学の好奇心でエレクトロニクスに役立てる (2)経営上の重要課題(マテリアリティ)①環境にやさしい製品づくり(ア)環境負荷低減につながる製品開発及び事業活動の推進(イ)めっき工程におけるエネルギー使用量削減(ウ)めっきで培ったコア技術の応用によるエネルギー分野への貢献②人的資本経営の推進(ア)企業理念に共感し、ビジョンの実現に主体的に参画する組織風土の醸成(イ)能動型自律人材の採用と育成(ウ)働きやすく、やりがいを感じる職場環境の整備 ③知的無形資産の質的向上(ア)知財・無形資産の適切な管理・共有(イ)知財・無形資産の効果的な活用④経営基盤の強化(ア)社外役員による監督・指導と内部監査等によるコーポレート・ガバナンスの強化(イ)コンプライアンス体制の強化(ウ)ステークホルダーへの適切な情報発信 (3)ビジネスモデル①人的資本:技術系を中心とした能動型自律人材当社は知識集約型・研究開発型の企業であり、人的資本が事業活動の大切な源泉と考えています。「能動型自律人材」を育成し、製品開発や営業活動をはじめとする事業活動を活性化するとともに、従業員が安心して働くことのできる健康的で安全な職場環境の整備によって会社と従業員のエンゲージメントが高まることが事業成長と企業価値向上につながる機会と考え、(ア)企業理念に共感し、ビジョンの実現に主体的に参画する組織風土の醸成、(イ)能動型自律人材の採用と育成、(ウ)働きやすく、やりがいを感じる職場環境の整備という3つのテーマ・方針に沿って「人的資本経営」を推進しています。②知的資本:蓄積された研究開発ノウハウと製品レシピ社員の約8割を占める技術系出身者が営業・技術一体となって、当社固有技術であるProtecting Agent*等を用いた技術開発・提案を行い、お客様の課題解決に取り組むなかで、実験データを始めとする化学の知見やノウハウを蓄積し続けています。また、当社にとって重要な製品レシピ等の知的財産を安全かつ効果的に活用するため、営業・技術情報の電子化・システム化などのDX基盤整備を進めています。* 特定の金属に選択的に吸着し、電子を供与又は吸引することによってめっき反応や皮膜物性をコントロールする一連の有機化合物。③自然資本:原料となる貴金属、化合物の有効活用めっき薬品の製造に欠かせない貴金属や希少鉱物、化学物質の安定的な調達先を確保し、事業活動に活用します。一方でサステナビリティの観点から、貴金属の使用量を節約する省貴金属や、環境に悪影響を及ぼす物質の使用を回避する環境配慮型の製品開発を推進しています。④財務資本:強固な財務基盤知識集約型企業としての効率的な経営と競争力の高い製品により強固な財務基盤を築いています。純資産は高い水準を維持しており、一定水準の株主還元を行いながらも引き続き安定的に推移する見通しです。中期経営計画では、政策保有株式の縮減により得られる資金を含めた手元資金を、事業拡大に向けた戦略投資に充てる計画です。⑤製造資本:フォーミュレーション特化の製造設備と生産体制当社はめっき薬品の製造において大型な設備は保有せず、工程をフォーミュレーションに絞ることによりファブライト型経営を実現しています。長年培ったオペレーションのノウハウがお客様ニーズに柔軟に対応する多品種少量生産を支えています。⑥社会・関係資本:ステークホルダーとのエンゲージメント 多品種少量・短納期生産への対応や、意思決定の速さや手厚いサポートによって、お客様との信頼関係を培ってきました。めっき薬品のもととなる原材料の仕入先様とも長年にわたり良好な関係を維持しています。加えて、プライム上場企業として情報開示の充実やIR活動、SR活動を通じて、多くの株主・投資家の皆さまとのエンゲージメントを築いております。 企業理念『化学の好奇心でエレクトロニクスに役立てる』のもと、エレクトロニクス業界を牽引するファインケミカル企業となるための中長期ビジョン「RDD2030」とともに、めっきで磨いてきた酸化還元の技術で新たな事業価値を創造することを目指しています。 1.強みとこだわり ~JPC’s Identity(1)金の卓越したノウハウ 当社は貴金属や希少鉱物を取り扱っています。事業領域をエレクトロニクス分野の貴金属めっきに集中し、限りある資源を有効活用し使用量を節減する社会的使命を50年以上にわたって大切に引き継ぎながら、優れた省貴金属性能や環境配慮特性をもった製品を輩出しています。 当社のめっき薬品は半導体や電子回路基板などの接点に利用され、最終的にはスマートフォンやパソコン、自動車、家電などの身の回り品や、人工衛星や高速通信の基地局などの先進社会インフラに組み込まれることによって、安心・安全で豊かな社会と持続可能な地球の両立を支えています。(2)スピード 当社は60名ほどの社員の大部分が物理・化学分野に精通した技術者で、営業部門は技術部門とのローテーション制です。それは「化学の好奇心」を持つ技術者が直接お客様のもとに赴き、適時に課題や要望を吸収して即応する体制を築いていることを意味しています。また技術部門が有する高度な分析設備を、商品の開発や改良だけでなくお客様の製造ラインの課題解決にも直接役立てています。素早い意思決定にもとづく早期・柔軟・高品質な技術サポートに加え、長年にわたり蓄積した知見にもとづくめっきプロセス全般のアドバイスを行うトータルソリューションによって、お客様との信頼関係を築いています。(3)フォーミュレーション 当社はめっき薬品を製造していますが、大型の製造設備(固定資産)は持っていません。原材料を外部から調達し、製造工程をフォーミュレーションに絞ることで、“持たざる経営”を実現しています。早くから投資の大部分を“人”に集中し、事業活動の中心を研究開発とすることによって生み出した無形の資産たる“レシピ”こそが、当社の付加価値の源泉なのです。 こうした強みを発揮することによって盤石の経営基盤を確立してきた当社ですが、技術者の「化学の好奇心」はとどまるところを知りません。現在の強みはそのままに、新たな技術領域を取り入れたり、めっきにより育んできた酸化還元反応の技術と知見を他分野へと応用したりすることによってイノベーションを起こし、さらなる飛躍を目指してまいります。 2.事業活動(1)事業活動の系統図※レシピ:めっき薬品を調合するための、原材料の成分と手順を記したもの ①仕入 当社は貴金属化成品メーカーより貴金属地金及び貴金属(金、銀、パラジウム)を含んだ薬品(以下「貴金属薬品」という)を仕入れております。また、化学薬品メーカーより化学薬品を仕入れております。②生産 当社は国内外のユーザー及び国内外の販売代理店から受注して生産を行っております。顧客のニーズに合わせ、仕入れた原材料を調合することで、貴金属めっき薬品が完成します。③外注 当社は仕入れた貴金属(金、銀、パラジウムの地金)を貴金属化成品メーカーに支給し、貴金属薬品への加工を依頼するケースがあります。化学薬品も市販品がない場合には、特注品を化学薬品メーカーに合成を委託し、新製品に応用するケースがあります。特注品の委託の際にはNDA(秘密保持契約)を交わして行います。④販売 当社は貴金属めっき薬品を国内外のめっき専業メーカー、電子部品メーカー及び総合電機メーカーに販売しております。直接上記メーカーに販売するケースと国内外の販売代理店を通して販売するケースの2通りがあります。国外は韓国、台湾、中国、シンガポールに販売代理店を置いております。 ①めっき薬品・省貴金属性能・環境に配慮した製品・短納期生産・顧客に最適化した製品②サポートサービス・早期の課題解決・高品質なサポート・めっきプロセス全般のトータルアドバイス ① 従業員仕事を通じて能動型自律人材へと成長し、ウェルビーイングを実現します。② 学生「JPC奨学財団」により理工学を学ぶ学生の成長を支援します。また新卒の学生を継続的に採用します。③ 顧客省貴金属性能や歩留まり率の向上により、生産工程におけるQCDの向上を実現するとともに、環境配慮型商品の開発・製造や、健康で安全な職場環境づくりに貢献します。④ 取引先公正な取引を続け、安定的な関係を構築します。
経営方針、経営環境及び対処すべき課題等3,682字
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 当社の経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は以下のとおりであります。 文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。なお、当社は単一セグメントです。 (1)経営方針 IT社会は多様な産業に支えられていますが、日本が最も活躍している産業は、電子デバイスに必要とされる機能性材料を供給しているファインケミカル分野です。当社の主要製品である貴金属めっき薬品は、その機能性材料の一種であることから、当社はケミストリ(化学)を基礎に科学的に理論武装した独創的な製品により、社会課題と向き合い、多様な視点と独自の発想力を発揮し、エレクトロニクス業界を牽引するファインケミカル企業を目指します。 (2)経営戦略等 当社は少数精鋭・ファブライト型・開発型企業として、貴金属めっきに特化して事業を発展させてきました。製造プラント等の生産設備は持っておらず、新規製品開発のためのマーケティング、それを実行するための技術開発及び営業活動に力を入れ、いち早く商品化を実現することで、市場のシェアを獲得してまいりました。設立50年を過ぎた今、コロナ禍を追い風にDX化等により急拡大する電子部品業界において、既存市場以外においても当社の技術で解決できる社会課題があることが、より鮮明になってきました。 そこで当社は、自身の強みを堅持しつつ、新規事業領域や既存市場でのニーズをとらえて社会課題の解決につなげるべく、中長期ビジョン「RDD2030※」を策定し、2030年までの期間を3つのフェーズに分け、既存市場はもとより、新たな市場で評価される“日本高純度化学”へと進化していくことを目指しています。※RDD2030= Redox-innovation through Discovery & Development toward 2030 ■中期経営計画-ビジョン:RDD2030* :Team JPCでRedox技術を深化!進化!新化! *RDD2030:Redox-innovation through Discovery & Development toward 2030 -RDD2030で目指す姿:めっきで培ったRedox技術**により、ナノレベル***から豊かな未来を支える-** Redox:レドックス、reduction/oxidationの混成語で酸化還元の意*** 1ナノメートル=10億分の1メートル -中期計画による事業拡大のイメージ- -事業戦略の基調テーマ:投資による事業拡大 (3)経営環境 当社が主力基盤とする半導体・電子部品市場は、グローバル規模での発展を維持しており、当社の販売先であるメーカーの多くは、この広大な市場に適応するために、新技術を生み出す開発力を競い合っています。 当社を取り巻くリスクについては、次項3〔事業等のリスク〕に記載の通りですが、パンデミックや気候変動等の「環境的リスク」、貿易制限や紛争・戦争といった「地政学的リスク」、重要原材料・重要部品の不足等の「経済的リスク」、輸送インフラ不全等の「技術的リスク」といった様々なリスクが見られる不透明・不確実な足元の経営環境の中でも、ライフスタイルの変革、脱炭素/省資源に伴うエネルギーシフト、データ通信量・容量の急激な増加等の「変わらぬメガトレンド」が存在し、当社が貢献できる社会課題は多数あると認識するとともに、中長期的にも、AIやロボットとの調和、スマートシティ、宇宙開発、ヘルステックなど、人々が豊かで幸せな暮らしを送る未来社会に向けて、当社の独創性、知的財産を活かした事業機会はますます広がっていくと考えています。 (4)対処すべき課題と対策①営業力の強化 デジタルトランスフォーメーションやグリーントランスフォーメーションへの投資の拡大、自動車のEV化・電装化の加速を背景に、データセンターや高速大容量通信、生成AI・AI搭載機器、パワーデバイスなどを中心としたエレクトロニクス分野の需要が大きく拡大しております。これにともない、半導体をはじめとするハイエンド電子部品および、それらの製造に不可欠な高性能・高品質なめっき薬品への要求も一層高まっております。 一方で、電子部品業界においては製品用途の多様化と技術高度化が進展しており、顧客ごとに求められる仕様や対応内容はより専門的かつ細分化しております。このため、顧客ニーズを的確に捉え、迅速に対応する体制の強化が重要な課題となっております。 このような環境下、当社は営業力強化の一環として営業部門を再編し、コネクター・半導体・リードフレーム等を担当する第一営業部と、PCB・パッケージ基板を担当する第二営業部に分割いたしました。これにより、各分野に特化した専門性の向上と顧客密着型営業を推進し、提案力および対応力の強化を図ってまいります。あわせて、国内外の主要顧客へのタイムリーな製品供給に加え、省資源プロセスなど環境配慮型製品の提案や、プロセス全体の性能向上に資する技術提案を強化してまいります。また、表面処理薬品メーカーや装置メーカーとの協業、国際学会・展示会への参加等を通じて、技術発信とブランド認知の向上を図り、新規顧客の獲得につなげてまいります。 さらに、地政学リスクの高まりに伴う顧客の生産拠点移管に対応するため、海外営業人員の拡充に加え、顧客との技術情報共有を目的とした当社独自のプラットフォーム「J-PLAT*」の運用を開始し、グローバルな供給・サポート体制の強化を図ってまいります。今後も市場環境の変化に機動的に対応し、顧客との信頼関係を深化させることで、事業拡大を推進してまいります。*商標登録出願中 ②技術開発力の強化 当社の競争相手は、貴金属めっき薬品業界だけでなく卑金属めっき薬品業界も含みます。また、グローバル化が進んだ昨今では海外のローカルメーカーも台頭しつつあり、技術開発競争は一層厳しさを増しております。このような状況の中、貴金属めっき分野では顧客要望に対しタイムリーな改良に対応できるプロセス提案力及び車載向けや産業機械向け等の新用途開拓に向けた技術開発力の向上が不可欠となります。なかでもニッケル不使用プロセスをはじめとする次世代最終表面処理プロセスの実現にあたっては、貴金属めっき薬品に限定せず、前・後処理、装置等のニッチトップ企業との協力を含むプロセス全体での性能向上を達成し、めっき工程のトータルプロセスカンパニーへと変革していく必要があります。 また貴金属/卑金属にこだわらず、業界として技術的に未完成なテーマを厳選して完成に向けた開発を推進していくことが重要と考えます。例えば、昨今の貴金属価格の高騰を背景とした貴金属代替めっき薬品の開発を推進しております。 さらに当社は、めっきで培った酸化還元(Redox)の技術を活かし、既存の事業領域だけでなく新しい事業領域の創出を目指しており、中長期ビジョンRDD2030*のもと、電池材料開発を推進中です。従来のめっきだけに留まらない柔軟な思考力と技術開発力が必要となります。 サステナビリティを巡っては、当社は貴金属や希少鉱物を使用する製造業であり、多くの化学物質を取り扱う事業の性質上、地球環境への配慮が不可欠です。環境負荷低減につながる製品開発、めっき工程におけるエネルギー使用量削減といった環境にやさしい製品づくりが重要な課題であると認識しています。 このような状況の中、当社の数倍の技術陣容を有する競合薬品メーカーに対抗するためには、ユニークな発想を持ち視野の広い技術陣の育成が必要となります。能動型自律人材の採用と育成により、技術陣のレベルアップを実現し、開発力の強化を図ってまいります。同時に、当社単独では困難な技術開発やトータルソリューション力の強化を効率的に実施していくため、最適な外部連携及び協業を図ってまいります。*RDD2030 = Redox-innovation through Discovery & Development toward 2030 (5)目標の達成状況を判断するための経営指標 スマートフォンやパソコンなど民生向け需要が回復基調で推移したことに加え、生成AI関連需要の拡大を背景に、半導体パッケージ、モジュール、およびメモリ向けの販売も堅調だったため、営業利益は576百万円と前期比73百万円増加いたしました。さらに政策保有株式の売却を進めたため、当期純利益は1,803百万円と前期比224百万円増加し、2026年3月期のROEは11.5%と前期比0.2ポイント改善しました。詳細につきましては、「第一部〔企業情報〕第1〔企業の概況〕〔主要な経営指標等の推移〕自己資本利益率」をご参照ください。中長期のROE目標10%の達成、維持に向けて、収益性の向上、資産の更なる効率化に取り組んでいく所存であります。
事業等のリスク3,293字
3【事業等のリスク】 以下において、当社の事業展開上のリスク要因となる可能性があると考えられる事項を記載しております。当社として必ずしも事業上のリスクとは考えていない事項につきましても投資判断上、あるいは当社の事業活動を理解するうえで重要と考えられる事項については、投資家に対する情報開示の観点から記載しております。 記載された事項で、将来に関する事項は、提出日現在入手可能な情報から当社の経営判断や予測に基づくものです。 a.電子機器業界への依存度が高いことについて 当社製品は、主に電子部品のパッケージ基板、プリント基板、コネクター、リードフレーム等に用いられており、その販売先は主に電子機器業界であります。当社の業績は、これらの電子機器業界動向、とりわけスマートフォン市場、パソコン市場の影響を大きく受けます。 b.製品市況及び原材料市況等の影響について 当社の主要製品に使用されている原材料は、貴金属類と薬品類に大別され、金額ベースでは貴金属類が大半を占めております。 薬品類の価格は比較的安定しておりますが、貴金属(金、銀、パラジウム)は国際商品市況に大きく左右されます。ウクライナ侵攻や中東情勢の緊迫化、台湾有事等の地政学的リスクの顕在化や鉱山の事故等を背景とした原材料の価格高騰、供給制限が生じた場合には、当社の事業活動に影響を及ぼす可能性があります。 なお、貴金属についての顧客との契約は基本的に仕入、販売とも当日の建値を基準に決定しており、受注と同時に貴金属の発注を行うため、利益額については貴金属価格の変動の影響をほとんど受けません。ただし、回転在庫を確保しておくことによる価格変動リスクが発生するため、納期の短縮や、在庫量を最小限に抑えることで、影響を最小限にとどめるよう努めております。 c.為替変動による影響について 2025年3月期及び2026年3月期における当社の輸出比率は、それぞれ48.8%、51.9%であります。海外との取引につきましては、円建での決済を基本としておりますが、最近ではドル建による取引が増加傾向にあります。為替予約等によるリスクヘッジを行っておりますが、これによる当該リスクを完全に回避できる保証はなく、業績が為替変動の影響を受ける可能性があります。 d.研究開発について 電子機器業界における技術革新は著しく、より顧客ニーズに合った製品を提供し、シェアの維持と拡大を行うための研究開発は極めて重要であり、当社は新製品の開発及び既存製品の改良等の研究開発活動を全力で推進しております。 当社は今後とも、最先端デバイス向けめっき薬品をはじめ、ユーザーの更なる性能の向上及びコストダウンに貢献するめっき薬品や、環境に配慮しためっき薬品等の研究開発活動に取組んでいく方針ですが、かかる研究開発活動が当社の計画通りに順調に行われなかった場合、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。 e.知的所有権について 当社の主力製品である貴金属めっき薬品は、成分組成が複雑であるため、分析による成分組成の解析が困難で同等品としての参入は一般的に容易ではないことに加え、当社が申請した特許が不成立となった場合にはめっき薬品の組成情報が公開されてしまうことから、当社はこれまで貴金属めっき薬品の特許権取得を積極的に行っておりませんでした。 しかしながら、近年の有機分析技術の進展を受け、今後の新技術の研究開発については、組成情報による特許出願ではなく物理化学定数で規定するパラメーター特許出願により技術保全を重視していく方針です。ただし、出願する特許がすべて登録されるとは限らず、また、当社の研究開発を超える優れた研究開発がなされた場合には、当社の事業戦略に影響を及ぼす可能性があります。 入念な事前調査を行っているにもかかわらず、当社が開発・販売する製品が第三者の知的所有権を侵害しているものと判断された場合や、当社製品に関連する新しい他社特許が認可された場合、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。 f.技術ノウハウの流出及び漏出について 当社の技術情報には、めっき薬品の開発経緯、めっき薬品の組成・成分、当社と顧客間との技術データ等があります。これらの技術情報は所定の保管庫に収納し、日次管理を行っており、外部への持出、複写等を禁じております。特にめっき組成・成分につきましては、当社特有の呼称に変換して記載するなど、漏出防止に努めております。 しかしながら、最近は社外とのコミュニケーションにメール、フラッシュメモリ、プロジェクター等を使用するケースが増加しており、万が一これらの情報が外部へ漏出した場合には、めっき薬品の成分分析結果と漏出情報との照合により類似品製造が可能になると考えられ、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。さらに、WEB会議や在宅ワーク等といった働き方が浸透するに伴い、ITツールを利用する機会が多くなり厳密な社内管理ルールで運用しているにもかかわらず、セキュリティ事故等により一部の営業機密等が漏洩し、当社の事業に影響を及ぼす可能性があります。なお、社員採用時に当社の方針、守秘義務、機密保持等の理解を徹底しておりますが、退職者が出た場合には、退職後相当期間も含む守秘義務契約にもかかわらず、一部の技術情報等が流出し、当社の事業に影響を及ぼす可能性は否定できません。 g.人材の確保、育成について 当社は、各社員が自らの役割を遂行することはもちろん、各々が常に全体観を持って業務を推進しております。現状では、知名度の向上、採用活動の強化、教育・研修の拡充等の施策により優秀な人材を確保できる状況にありますが、今後、研究開発体制の更なる強化、更なる海外展開、新事業分野への進出等にともなう業容の拡大に際し、当社の求める人材を十分に確保、育成できない場合には、今後の事業推進に影響を及ぼす可能性があります。 h.法的規制について 当社は、めっき薬品の原材料として毒物及び劇物取締法の対象となる薬品を使用しているため、その販売、製造、輸入等に関して、それぞれ販売業登録、製造業登録及び輸入業登録等をしています。労働安全衛生法改正により従来の特定の化学物質を規制する個別規制型からリスクアセスメントに基づく自律的な管理に転換される中、当社も徹底した化学物質管理体制を確立し、法令遵守に努めております。しかしながら、万が一法令違反があった場合、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。 i.廃棄物等の管理について 当社の製造または実験過程において生じる廃液及び大気中への排出物については、環境に配慮した適切な処理が必要とされます。当社は、廃液についてはその濃度に応じて、排水処理装置での処理、または外部委託処理を行っております。排気管理については実験室及び製造工程における局所排気を通じ排気ガス処理装置で処理しております。これらの取組みの結果、現在まで行政からの指導、地域住民等からの申入れ等を受けたことはありませんが、将来において当社の排出物の管理に何らかの問題が生じた場合には、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。 j.被災時の対策について 当社はこれまで全部門が単一拠点に集中することで意思決定の迅速さ、生産効率と顧客満足の向上に努めてまいりました。一方、東日本大震災後、BCP(事業継続計画)の重要性が注目され、主要製品の在庫保有と主要顧客向け外部倉庫の運用をしております。当社主要顧客からBCP策定を要求される機会も増しております。また、コロナ禍を機に本社南棟(旧事務棟)に主要製品の製造スペースの確保と設備投資を行い、緊急時製造拠点として確保しました。さらに、2026年3月期に本社製造スペースの再編(増床・効率化)に着手し、今後の安定調達・安定供給の強化を見込みます。しかしながら、首都圏において大規模な震災等が発生した場合、一時的に製品製造や出荷等が滞り、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析5,826字
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1)業績等の概要 当期の世界経済は、緩やかな回復基調をみせましたが、各国の金融政策の動向や地政学的リスクの高まり、通商政策の不確実性などにより、先行き不透明な状況が継続しました。ウクライナ情勢の長期化や中東地域を巡る緊張の高まりなどを背景に、資源・エネルギー価格は高止まりし、インフレ圧力が依然として残る中、各国の金融政策や為替・株式市場は不安定な動きとなりました。米国では、堅調な雇用環境と個人消費に支えられ、景気は底堅く推移しましたが、高金利環境の長期化や通商政策の影響によるインフレ再燃への懸念が残り、引き続き注意を要する状況です。欧州では、個人消費は底堅さを維持したものの、エネルギー価格や金利水準の影響を受け、製造業を中心に成長の鈍化が見られました。中国では、政府による景気刺激策の効果が一部で見られるものの、不動産市場の低迷や個人消費の回復の遅れなどにより、景気は低調に推移しました。日本経済においては、雇用・所得環境の改善やインバウンド需要の回復を背景に、緩やかな回復基調が続きましたが、物価上昇や為替変動の影響に加え、製造業においては外需の弱さがみられました。 電子部品業界におきましては、ハイパースケーラーによるAIインフラ投資の拡大を背景に、AIサーバーおよびデータセンター向け需要が大きく伸長しました。パソコン向けは着実に回復した一方、スマートフォンなどの民生機器およびFA機器等の産業機器向けは緩やかな回復にとどまりました。車載用電子部品については、ADAS(Advanced Driver Assistance Systems)やSDV(Software Defined Vehicle)の普及が下支えしたものの、米国の関税措置や欧米の電気自動車政策見直し、中国の内需減速の影響を受け、需要の伸びは限定的となりました。 当社におきましては、プリント基板・半導体パッケージ基板用めっき薬品の販売について、生成AI向けの需要拡大を背景に、半導体パッケージ、モジュールおよびメモリー向けが好調に推移しました。パソコン向けはおおむね堅調に推移した一方、スマートフォン向けは回復基調が続いたものの力強さを欠く状況となりました。コネクター用めっき薬品については、スマートフォン向けおよび産業機器向けで緩やかに回復したものの、車載向けでは足踏み感がみられました。リードフレーム用めっき薬品については、民生向けが堅調に推移し、車載向けでは下期に在庫調整が解消に向かいました。 その結果、売上高は18,073百万円(前期比43.3%増)、営業利益は576百万円(前期比14.7%増)、経常利益は776百万円(前期比18.0%増)、当期純利益は1,803百万円(前期比14.2%増)となりました。最終用途品目別の状況は次のとおりであります。 (プリント基板・半導体パッケージ基板用) プリント基板や半導体パッケージ基板に適用される貴金属めっき薬品において、スマートフォンやパソコンなどの民生向けは緩やかに回復し、生成AI関連の半導体パッケージやモジュール向けは好調に推移した結果、売上高は8,680百万円と前期比52.1%の増収となりました。(コネクター・マイクロスイッチ用) コネクター用めっき薬品の販売において、当社製品の優位性(省金効果)からスマートフォン向けで堅調に推移しました。車載向けは在庫調整の影響を受けて低迷しており、産業機器向けでは回復の兆しが見えてきました。その結果、売上高は2,599百万円と前期比40.6%の増収となりました。(リードフレーム用) リードフレーム用めっき薬品の販売においては、車載向けは回復傾向が見られ、民生向けは堅調に推移したうえ、貴金属価格の上昇も加わり売上高は6,424百万円と前期比35.5%の増収となりました。 〔当期の経営成績〕(単位:百万円) 前年度当年度 増減額増減率補足売上高12,61118,0735,46143.3% 売上原価10,98216,1345,15246.9%売上原価率89.3%(前年度 87.1%)売上総利益1,6281,93830919.0%売上総利益率10.7%(前年度 12.9%)販売費及び一般管理費1,1251,36123621.0% 営業利益5025767314.7% 経常利益65777611818.0% 当期純利益1,5791,80322414.2% 自己資本利益率11.3%11.5% 0.2% ①売上高 当期の海外での売上高は総売上高の51.9%を占めます。海外での売上高は70.6%が円建てで、29.4%が外貨建てです。外貨建てにつきましては、基本的には為替ヘッジをし、為替レートの変動による影響を抑えております。 ②売上原価 売上原価は主として原材料費、工場の人件費から構成されています。また原材料費は貴金属と一般薬品に分けられます。このうち一般薬品につきましては、価格は比較的安定しておりますが、貴金属につきましては、その価格変動及び数量の増減は売上原価に大きな影響を与えます。貴金属についての顧客との契約は基本的に仕入、販売とも当日の建値を基準に決定しており、受注と同時に貴金属の発注を行っております。 ③販売費及び一般管理費 販売費及び一般管理費は、主に人件費、研究開発費、減価償却費などであります。当期は人的資本への先行投資を継続したことに加え、前期に比べ積極的な研究開発投資を実施したことにより、主に人件費及び研究開発費が増加しました。 ④自己資本利益率当期は純利益の増加に伴い、自己資本利益率は11.5%と前期比で0.2ポイント改善しております。 (2)財政状態の状況(単位:百万円) 2025年3月末2026年3月末 増減額主な増減理由 流動資産9,54410,6371,093売掛金+783、現金及び預金+168 固定資産6,31211,1004,787投資有価証券+4,768資産合計15,85621,7385,881― 流動負債784678△105未払法人税等△196、買掛金+49 固定負債1,4772,9941,517繰延税金負債+1,509負債合計2,2613,6731,411―純資産合計13,59418,0644,470その他有価証券評価差額金+3,313繰越利益剰余金+1,075負債純資産合計15,85621,7385,881― ①資産 当期末の総資産は21,738百万円となり、前期比5,881百万円の増加となりました。 流動資産は、主に前期比で売掛金及び現金及び預金が増加し、1,093百万円増の10,637百万円となりました。固定資産は市場の動向を踏まえて、追加的な株式売却を実施したものの、保有銘柄の株価の一段の上昇により投資有価証券が増加し、4,787百万円増の11,100百万円となりました。 ②負債 当期末の負債総額は3,673百万円となり、前期末比1,411百万円の増加となりました。 流動負債は、主に前期比で法人税の中間納付額が増加、未払法人税等が196百万円減少し678百万円となりました。固定負債は主に繰延税金負債の増加により1,517百万円増の2,994百万円となりました。 ③純資産 当期末の純資産は18,064百万円となり、前期末比4,470百万円の増加となりました。 これは利益剰余金が当期純利益による増加、剰余金の配当による減少を主に1,075百万円増加、有価証券評価差額金が3,313百万円増加したことによるものです。 (3)資本の財源及び資金の流動性①キャッシュ・フローの状況の分析(単位:百万円) 前年度当年度 増減額主な増減理由 営業活動によるキャッシュ・フロー579△772△1,352売上債権の増加△813法人税等の支払額の増加△643税引前当期純利益+264 投資活動によるキャッシュ・フロー1,5221,113△408定期預金の増加△500無形固定資産の取得による支出+102 財務活動によるキャッシュ・フロー△676△6733自己株式の処分による収入+16配当金の支払額△13現金及び現金同等物の増減額(△は減少)1,425△331△1,757―現金及び現金同等物の期首残高5,8587,2841,425―現金及び現金同等物の期末残高7,2846,952△331― 当期末の現金及び現金同等物の残高は、6,952百万円となり、前期比331百万円の減少となりました。これは売上債権の増加、法人税等の支払額の増加が主な要因です。なお、当期におけるキャッシュ・フローの状況の分析は以下のとおりであります。 (営業活動におけるキャッシュ・フロー) 営業活動によるキャッシュ・フローは772百万円の支出となり、前期比1,352百万円の支出増となりました。これは主に税引前当期純利益が増加したものの、売上債権、法人税等の支払額が増加したことによるものです。 (投資活動におけるキャッシュ・フロー) 投資活動によるキャッシュ・フローは1,113百万円の収入となり、前期比408百万円の支出増となりました。これは主に市場金利の上昇に伴い、営業活動に影響がない範囲で定期預金を増額したことによるものです。なお、投資有価証券の売却による収入は前期から微増の1,742百万円でした。(財務活動におけるキャッシュ・フロー) 財務活動によるキャッシュ・フローは673百万円の支出となり、前期比3百万円の支出減となりました。これは主に配当金の支払額が増加したものの、自己株式の処分による収入が増加したことによるものです。 ②財務政策 当社の事業は前述の「第2[事業の状況] 3[事業等のリスク]」 に記載のとおり様々なリスクを伴っており、運転資金としては将来予測可能な資金需要に対して十分な流動性ある資産を確保していく方針です。現在、運転資金及び経常的な設備投資資金については手許資金で賄っておりますが、中期経営計画で掲げる事業拡大のための戦略投資に向けては、政策保有株式の売却に伴う資金を積極的に活用する予定です。 当社の株主還元の基本方針は下記の3点であります。(1) 長期的な成長を目指して資本効率と財務健全性のバランスを取る(2) プライム市場上場会社として、当面の業績に大きく左右されない一定レベルの株主還元に積極的に取り組む(3) 配当性向に加えDOE(自己資本配当率)5%を下限とした配当方針を採用する 配当については、後述の「第4[提出会社の状況] [配当政策]」をご参照ください。 また、自己株式の取得についても状況に応じて機動的に実施を検討いたします。 (4)生産、受注及び販売の実績 当社は単一セグメントのためセグメント毎の記載はしておりません。①生産実績用途品目別第55期(自 2025年4月1日至 2026年3月31日)金額(千円)前年同期比(%)プリント基板・半導体パッケージ基板用8,678,824152.2コネクター・マイクロスイッチ用2,586,850139.9リードフレーム用6,417,858135.3その他364,512117.1合計18,048,045143.2(注) 上記の金額は、販売価格によっております。 ②受注実績用途品目別第55期(自 2025年4月1日至 2026年3月31日)受注高受注残高金額(千円)前年同期比(%)金額(千円)前年同期比(%)プリント基板・半導体パッケージ基板用9,384,328164.11,243,004230.7コネクター・マイクロスイッチ用2,680,643144.9117,665325.5リードフレーム用6,813,366145.9519,127398.4その他388,059112.752,847155.3合計19,266,398153.11,932,645261.4 ③販売実績用途品目別第55期(自 2025年4月1日至 2026年3月31日)金額(千円)前年同期比(%)プリント基板・半導体パッケージ基板用8,680,222152.1コネクター・マイクロスイッチ用2,599,131140.6リードフレーム用6,424,546135.5その他369,240117.9合計18,073,141143.3 (注)1 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合相手先前事業年度当事業年度販売高(千円)割合(%)販売高(千円)割合(%)イビデン株式会社3,412,02327.15,408,01929.9兼松株式会社1,943,72515.42,953,49616.3株式会社コタベ1,775,50414.12,576,44914.3CHANG WAH TECHNOLOGY Co.Ltd1,667,27513.21,760,7159.7 (注)2 最近2事業年度の主要な輸出先及び輸出販売高及び割合は、次のとおりであります。 なお、( )内は、総販売実績に対する輸出高の割合であります。輸出先第54期(自 2024年4月1日至 2025年3月31日)第55期(自 2025年4月1日至 2026年3月31日)金額(千円)割合(%)金額(千円)割合(%)台湾2,726,94944.33,601,06638.4韓国517,3078.4628,7286.7シンガポール・マレーシア1,353,48722.02,348,14125.0中国577,0299.4684,4377.3その他の地域976,62715.92,124,86522.6合計6,151,401(48.8%)100.09,387,239(51.9%)100.0 (5)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定 当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この財務諸表の作成にあたり、見積りが必要な事項につきましては、合理的な基準に基づき、会計上の見積りを行っております。 詳細につきましては「第一部〔企業情報〕第5〔経理の状況〕1〔財務諸表等〕〔注記事項〕重要な会計方針」をご参照ください。
サステナビリティに関する考え方及び取組13,826字
2【サステナビリティに関する考え方及び取組】 当社のサステナビリティに関する考え方及び取組みはSSBJ開示基準および産業別ガイダンス「化学製品(RT-CH)」を参照しております。 なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。 (1)サステナビリティ基本方針 「めっき」とは、電子部品の接続部位の錆び(酸化)を防ぎ、電子回路の電気信号の流れを円滑に保ち最高の性能を発揮させるのに欠かせない技術です。 当社は自社独自技術をもって、化学物質の“配合の妙”を貴金属めっき薬品のレシピに昇華することで付加価値を創出しています。当社製品をめっき工程に用いれば、必要な箇所に最低限の厚みの貴金属めっき皮膜を形成することができ、稀少資源である貴金属の使用量を大きく節約し経済合理性を高めることができます。当社の設立以来の事業そのものが、省貴金属性能でサステナブルな社会の達成を指向しています。 貴金属めっき技術は最先端の電子機器の内部で接点・接合に使用されており、当社は、貴金属に特化しためっき薬品の開発・製造・販売を行うファブレスで知識集約型・開発型の企業として、ファインケミカル分野とエレクトロニクス業界との橋渡しの役目を担ってきました。 パソコン・携帯電話・デジカメがスマートフォンへと集約したような技術革新とともに、小型化・高性能化・低消費電力化など電子部品の要求特性のハードルは上がり続けています。また、低炭素社会への変革や社会インフラのデジタル化が加速すれば、自動車の電装化・電子化が急速に進化しEV化したように、電子部品の接点・接合点の数も爆発的に増大するため、省貴金属技術の出番が今後ますます拡大し、当社は更に広範な事業分野において地球環境への貢献を果たすことができます。 上記のような事業活動を通じて、当社は、エレクトロニクス業界への貢献を通じて、サステナブルな社会の実現のため、また社会的責任を果たすため、サステナビリティ基本方針を以下の通り定めております。 <サステナビリティ基本方針>・当社は貴金属や希少鉱物を使用する製造業であり、多くの化学物質を取り扱う事業の性質上、地球環境への配慮が不可欠です。資源を有効活用し、持続可能な社会づくりに貢献することを前提として事業活動を行い、環境負荷を継続的に低減していきます。・当社は「化学の好奇心でエレクトロニクスに役立てる」の企業理念のもと、地球環境リスクやライフスタイルの変革、エネルギーシフト等の社会課題と向き合い、ステークホルダーとの連携を深め、多様な視点と独創性を発揮しながらファインケミカルとエレクトロニクスの架け橋となることを目指します。・当社は、サステナビリティを巡る重要課題(マテリアリティ)が、事業のリスクの減少のみならず収益機会にもつながる重要な経営課題として認識し、これらの課題に真摯に取り組みます。当社は、当社事業を通じた社会の持続可能な発展への貢献と共に持続的な成長と企業価値向上を目指します。 (2)サステナビリティに関するガバナンス・取締役会は、サステナビリティ委員会から経営会議を経て報告される経営上の重要課題(マテリアリティ)に関する取り組みに関して、自社の戦略・事業計画やリスク・マネジメント方針等との整合性、計画目標の達成度合い、目標の修正の必要性等に留意しつつ、監督・承認を行っています。気候関連事項のうちの移行計画及び関連する気候関連目標を2024年3月の取締役会にて承認しました。・サステナビリティ委員会は、定期的に(原則年4回)開催され、取締役会に承認された経営上の重要課題(マテリアリティ)に関する各目標の進捗度合いを、指標を軸にレビューします。また、計画の進捗及び対応策など重要事項については、定期的に(原則年2回)経営会議に報告し、経営会議より取締役会に報告します。・代表取締役社長は、経営上の重要課題(マテリアリティ)に関する取り組みに経営責任を負っています。この責任には、サステナビリティの取組に関するマネジメントが含まれています。具体的には、代表取締役社長は経営会議並びにサステナビリティ委員会の主催者兼議長であり、参加メンバーから直接報告を受け、重要課題について討論する等の手法で、移行計画の効果的な実施を確保するための十分な権限と情報へのアクセス権を保持しています。 (3)経営上の重要課題(マテリアリティ) 当社はサステナビリティ基本方針に基づき中長期的に、経営上の重要課題(マテリアリティ)の中で、主に気候変動と人的資本に関する行動計画を下記の通り策定しています。 ①環境にやさしい製品づくり(ア)環境負荷低減につながる製品開発及び事業活動の推進(イ)めっき工程におけるエネルギー使用量削減(ウ)めっきで培ったコア技術の応用によるエネルギー分野への貢献②人的資本経営の推進(ア)企業理念に共感し、ビジョンの実現に主体的に参画する組織風土の醸成(イ)能動型自律人材(*1)の採用と育成(ウ)働きやすく、やりがいを感じる職場環境の整備③知的無形資産の質的向上(ア)知財・無形資産の適切な管理・共有(イ)知財・無形資産の効果的な活用④経営基盤の強化(ア)社外役員による監督・指導と内部監査等によるコーポレート・ガバナンスの強化(イ)コンプライアンス体制の強化(ウ)ステークホルダーへの適切な情報発信 (*1)当社は、「能動型自律人材」を以下の3つに定義づけております。a.好奇心をもって挑戦する人材社会の変化を先取りし、好奇心と探求心をもって果敢に新しいことに挑戦しますb.当事者意識をもってやり遂げる人材自ら考えて行動し、常に全体最適の視点で最後まで責任をもってやり遂げますc.多様性を尊重し周囲と協働できる人材人を思いやり、つながりや個性を大切にすることで組織の可能性を最大化します (4)マテリアリティに関する行動計画当社のマテリアリティに関する主な行動計画は、以下の通りです。 ①環境にやさしい製品づくり 貴金属や希少鉱物を使用する当社において、環境にやさしい製品づくりは1971年の創業時からの重点課題であるため、マテリアリティのうちでも特に重点的に取り組む課題としています。なお、当社は製造工程をフォーミュレーション業務のみとしているため大きな製造設備は保有・稼働しておりませんのでエネルギー使用やGHG排出の絶対量は微少ではありますが、製品によるエネルギー分野への貢献だけでなく、使用量の削減についても真摯に取り組んでまいります。 (ア)環境負荷低減につながる製品開発及び事業活動の推進・環境配慮型製品(穀物由来原料代替、ニッケル不使用、シアンフリー)について、個別の開発テーマごとに設定した製品化計画を達成(製品リリース)することを目標としています。(イ)めっき工程におけるエネルギー使用量削減・「GHG排出量削減:2030年スコープ1・2に関するカーボンニュートラルを達成する」ことと、研究開発設備の遮熱化や空調機器の更新など様々な省エネルギーへの取り組みを行い「エネルギー使用量削減:2030年度エネルギー使用量を2022年度(167t-CO2)比で20%削減する」ことを目標としています。・上記のエネルギー消費量削減施策のみではカーボンニュートラルは達成できないため、J-クレジット等の使用 によるカーボンニュートラル実現も計画しております。(ウ)めっきで培ったコア技術の応用によるエネルギー分野への貢献・展示会出展などを通じて提携先の選定を進め、2027年度までに電池材料・電解液メーカーとの共同開発に合意し、2030年度には生産・販売開始することを目指します。 ②人的資本経営の推進 当社は知識集約型・開発型の企業であり、人的資本が企業価値向上の源泉であるため、マテリアリティのうちでも特に重点的に取り組む課題としています。 社員が「能動型自律人材」へと成長し、ウェルビーイングのもとでその能力を会社の経営戦略と一致する方向で発揮することで、製品開発や営業活動をはじめとする事業活動が活性化され、当社事業が成長する機会になります。一方でこれが損なわれると成長機会を失うリスクとなります。また、従業員が安心して働くことのできる安全な職場環境の整備を行うことが従業員の働く意欲を高める基礎となるため、これを推進することが当社事業の成長につながる機会となります。一方でこれを怠ると成長機会を失うリスクとなります。 よって、当社の企業理念に基づく中長期ビジョンを実現するためには「人的資本経営の推進」が欠かせません。この人的資本経営の推進を実現させるために、(ア)企業理念に共感し、ビジョンの実現に主体的に参画する組織風土の醸成 (イ)能動型自律人材の採用と育成 (ウ)働きやすく、やりがいを感じる職場環境の整備 という3つのテーマに沿って人的資本方針を策定し、サステナビリティ委員会の管轄のもとで実行しております。この方針のもとで、全従業員が主体的に経営に参画する企業風土を育み、人的資本経営の実現を目指します。当中期経営計画期間(2025~2027年度)における進捗はエンゲージメントスコア等によりモニタリングしてまいります。(ア)企業理念に共感し、ビジョンの実現に主体的に参画する組織風土の醸成・経営層とコミュニケーションを取る機会の充実や、社長をはじめとした経営者からの情報発信を質量両面で拡充することにより経営への関心を高め、より主体的に経営に参画する企業風土を醸成します。(イ)能動型自律人材の採用と育成・人材投資を拡大することにより、能動型自律人材に相応しい賃金体系を維持・継続し続けることに加えて、成長に向けて必要な教育や自己啓発の機会を整備してまいります。また、キャリア採用を通じた多様性に富んだ職場環境によって社員の成長意欲を引き出すとともに、能動型自律人材の要素である挑戦、遂行、共働を促す仕掛けや実践する機会を増やしてまいります。(ウ)働きやすく、やりがいを感じる職場環境の整備・社員のウェルビーイングにつながる諸制度・施策の充実、働き方の選択肢の拡大、1on1等によるキャリア支援の拡充等に継続的に取り組んでいきます。・育児休業については、現状、希望者は全員取得しております。今後も当社の福利厚生制度の説明の機会等において育児休業制度の周知と一層の浸透を図っていきます。「育児休業取得率」をモニタリングします。・女性管理職についてはキャリア採用と併せてキャリア支援プログラムによるサポートを検討・実行します。「女性管理職比率」をモニタリングします。 <人的資本経営にかかる労働安全衛生、人権、健康等に関する方針や取組み>(ア)「人材採用・育成方針」 一人ひとりが当事者意識をもった「能動型自律人材」の採用・育成に加え、スキル・経験・知識を備えた人材(性別・年齢・国籍を問わない)の登用等を通じた人材の多様性の確保を推進します。 (イ)「労働・安全衛生方針」(社内環境整備方針)a.労働慣行について 当社は、従業員の人権を含む各種の国際規範を尊重し、従業員に対して尊厳をもって扱います。b.安全衛生について当社は、労働関連の負傷や疾病を最小限に抑えることに努め、安全で健康な職場環境により、製品・サービス の質の向上や従業員の定着とモラルの向上を目指します。また、当社は、職場の衛生と安全問題を特定し解決するために、継続的な従業員への情報提供と教育を実施し ます。(ウ)人権の尊重に関する取り組み(「人権の尊重に関する基本方針」) 当社は「化学の好奇心でエレクトロニクスに役立てる」を企業理念とし、「社会課題と向き合い多様な視点と独自の発想力を発揮し、エレクトロニクス業界を牽引するファインケミカル企業となる」ことを目標としております。そして、当社は事業活動を通じて様々なステークホルダーの人権に負の影響を引き起こし、または助長する可能性があることを認識しており、前述した目標の達成のためにもこうした人権侵害を回避し、全ての人々の人権が尊重されなければならないことを理解しております。そこで、当社は「人権の尊重に関する基本方針」を以下の通り定め、当社の全ての役員と社員にて遵守してまいります。 「人権の尊重に関する基本方針」a.人権に対する基本的な考え方 当社は、人権尊重の取り組みを推進し、その責務を果たすため、すべての人々の基本的人権を規定した国連の「国際人権章典」及び「ビジネスと人権に関わる指導原則」、国際労働機関(ILO)の「労働における基本的原則及び権利に関するILO宣言」などの人権に関する国際規範を支持・尊重し、それらを踏まえて実践に努めます。また、事業活動を行う国や地域の法令を遵守し、国際的に認められた人権と各国や地域の法令との間で相反する要請がある場合は国際的に承認された人権の原則を追求します。b.人権尊重当社は多様性を尊重し、出生、国籍、人種、民族、信条、性別、年齢、職業、雇用形態、学歴、性的指向、性自認、婚姻、妊娠、疾病、障害、社会的身分または門地などいかなる差別、ならびにパワーハラスメント、セクシャルハラスメント等のあらゆるハラスメント行為を行いません。また、強制労働や児童労働は認めません。c.適用範囲 本方針は、当社の全役員・全従業員(正社員・契約社員・派遣社員を含む)に対して適用されます。また、当社のサプライヤーやビジネスパートナーに対して本方針を支持し、人権尊重に努めるよう働きかけ、協働して人権尊重を推進します。d.取り組み・デューディリジェンス 当社は、人権デューディリジェンスの仕組みを構築し、これを継続して実施することで人権への負の影響の特定・評価を行い、その影響を防止・軽減することに取り組みます。・救済 当社が人権への負の影響を引き起こした、あるいはこれを助長したことが判明した場合、適切な手続きを通じてその救済に取り組みます。・教育 当社は、本方針の実効性を担保するため、当社の役員・従業員に対して適切な教育を行います。・苦情処理メカニズム 当社は人権への負の影響を含む懸念を早期に発見し、対処するため通報制度を設けています。通報においては、通報者の匿名性や通報内容の秘匿性を担保します。また通報者に対し通報を理由とする不利益な取り扱いは行いません。・情報開示 人権尊重の取り組みの進捗状況及びその結果について、当社ウェブサイト等を通じて報告していきます。 (エ)人的資本方針に関する指標と目標・具体的な取り組み 当社は人的資本方針に関して以下の
コーポレート・ガバナンスの概要7,733字
(1)【コーポレート・ガバナンスの概要】 当社は、2025年6月20日開催の第54期定時株主総会において、監査等委員会設置会社への移行を内容とする定款変更が決議されたことにより、同日付をもって監査役会設置会社から監査等委員会設置会社へ移行しており、下記のとおり、取締役会、監査等委員会、社外取締役等による監督・監査機能の適正な運用に努めております。 ① コーポレート・ガバナンスに関する基本的な考え方 当社のコーポレート・ガバナンスに関する基本的な考え方は、株主をはじめ顧客・従業員・地域社会等ステークホルダーの立場を踏まえた上で、透明・公正かつ迅速・果断な意思決定を行うことで、経営環境への変化に対応し、継続的な企業価値の向上を目指していくことをコーポレート・ガバナンスに関する基本的な考え方としております。 この考え方に基づき、経営意思決定の迅速化ならびに経営責任及び業務執行責任の明確化を図るとともに、独立性の高い社外役員を置く取締役会及び監査等委員会のもと、経営の監督機能、コンプライアンス、リスク・マネジメント、内部統制システムの強化を推進しています。 ② 企業統治の体制の概要及び当該体制を採用する理由ア 企業統治の体制の概要a.取締役及び取締役会 取締役会は取締役10名で構成されており、コーポレート・ガバナンスを強化する観点から7名を社外取締役としています(2026年6月17日現在)。取締役会は、原則月1回の開催に加えて、緊急な意思決定が必要な場合に随時開催しており、経営計画に関する事項をはじめとする会社の業務執行に関する重要な意思決定を行うとともに、業務執行全般を監督する責務を担っています。 なお、当社は取締役(監査等委員である取締役を除く。)を8名以内、監査等委員である取締役を4名以内とする旨を定款で定めております。事業年度ごとの経営責任の明確化をはかるため、取締役の任期を1年としております。 〔取締役会の活動状況(55期)〕 氏名開催回数(回)出席回数(回)代表取締役社長小 島 智 敬1212常務取締役渡 邊 基1212取締役相談役渡 辺 雅 夫1212社外取締役大 畑 康 壽1212社外取締役川 島 勇1212社外取締役黒 松 百 亜1212社外取締役林 博 司1010社外取締役 常勤監査等委員富 國 重 遠1010社外取締役 監査等委員髙 野 雅 典1010社外取締役 監査等委員大 竹 裕 子1010(注)社外取締役林博司、社外取締役常勤監査等委員富國重遠、社外取締役監査等委員髙野雅典、社外取締役監査等委員大竹裕子につきましては、2025年6月20日開催の第54期定時株主総会以降の出欠状況を示しております。なお、監査等委員会設置会社移行前の期間において、林博司、富國重遠、髙野雅典の各氏は当社の社外監査役に就任しており、当該期間に開催された取締役会2回すべてに出席しております。 当事業年度はコーポレート・ガバナンスコードに従い、「資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応」に関する議論と、当社の中長期の成長戦略に関する議論を集中して行いました。さらに成長戦略の原資となる政策保有株式の縮減及び、株主還元の拡充策については、外部の専門家を交えたCX向上会議の場を含め、活発に議論を重ねてまいりました。また、長期的な視野に立ち、サステナビリティ経営に向けた取り組み、人的資本経営の推進についても議論を行いました。決議・承認事項・四半期毎の決算承認、年間・半期予算の承認、剰余金の処分・中間配当・増配、業績予想の修正・取締役の選任の株主総会への付議、定時株主総会の招集通知の承認、 代表取締役・役付取締役の選定、取締役の管掌、指名報酬諮問委員の選定、 取締役個人別の月額金銭報酬の決定・特定投資株式の保有に関する縮減方針、保有有価証券の売却・株主提案への対応、等報告事項・月次・四半期・年間決算報告、コーポレート・ガバナンス報告書の確認、財務報告に 係る内部統制システムの評価結果、中期経営計画フェーズ2の進捗・サステナビリティ委員会の活動報告、CDP気候変動質問書の回答、 取締役会の実効性評価、SR活動の状況、等 〔取締役会の実効性評価〕 年1回、取締役会は、各取締役の自己評価なども踏まえ、取締役会の実効性について分析・評価を実施しております。2026年3月期の取締役会の実効性評価の方法及び結果の概要は次のとおりです。 取締役会の実効性に関するアンケート形式の質問票を全ての取締役に配付し、その回答をふまえて実効性に関する分析を実施しました。アンケートは5段階の評価とコメントによる定性的な評価を組み合わせた形式です。 アンケート項目は下記の通りです。 ・取締役会の規模、構成 ・取締役会の運営(開催案内、資料配布、時間配分、事務局対応等) ・取締役会の議論(議論の内容、深さ等) ・投資家・株主との関係について ・企業価値向上への施策や中長期的な経営課題について ・コーポレートガバナンスの向上に向けた取り組み ・前回指摘事項への対応について アンケートの結果、取締役会の規模・構成や取締役会の運営は概ね適切であるという評価となりまし た。またCX向上会議を念頭に議論の質と量は十分に確保できているとの評価となりました。投資家・ 株主との関係については、質量ともに改善を続けていると評価された一方で、広範な機関投資家や既存 株主のニーズをとらえた積極的な情報開示により当社への評価を高め、中長期的に支持を得られる関係 構築を目指すべきとの意見がありました。企業価値やコーポレートガバナンス向上への施策や中長期的 な経営課題については更に議論を深めていく必要性を認識いたしました。 b.監査等委員会 当社は監査等委員会制度を採用しております。監査等委員会は、取締役の職務執行の適法性を監査しています。原則月1回の開催に加えて、必要に応じて随時監査等委員会を開催しています。当社は、常勤の監査等委員である社外取締役1名及び非常勤の監査等委員である社外取締役2名をおいております(2026年6月17日現在)。 c.経営会議 経営会議は、社内取締役、常勤の監査等委員及び各部門長から構成されており、主に当社の経営方針・経営戦略や、予算進捗等の事業遂行状況について報告・審議を行っています。重要な案件については経営会議で予め十分に審議したうえで取締役会に付議することで、意思決定プロセスにおける審議の充実と適正性を確保しています。 d.任意の委員会(2026年6月17日現在)〔指名報酬諮問委員会〕 取締役会の諮問機関として「指名報酬諮問委員会」を設置しております。委員会の主な役割は、取締役及び監査役の選任及び解任、代表取締役並びに役付取締役の選定及び解職、取締役の報酬に関する取締役会の諮問に対し答申を行うことです。社外取締役4名及び社内取締役1名で構成され、委員長は互選により社外取締役が、事務局は経営企画部管掌役員がそれぞれ務めております。 当事業年度は11回開催し、業績連動インセンティブの指標の決定と実績評価、次期取締役会の体制を主に審議しました。また、取締役の個人別報酬額(金銭報酬の額及び株式報酬)を取締役会に答申しました。 <主な審議事項> ・取締役個人別の月額金銭報酬 ・多様性とスキルマトリックスを踏まえた取締役会の検証 ・次期取締役会候補者の選定(新たな取締役候補者の選定を含む) ・業績連動インセンティブの指標の決定及び実績評価(特に非財務指標に関する評価方法等) 〔サステナビリティ委員会〕 当社はサステナビリティ基本方針(※)を経営の中核に位置づけており、環境変化に敏感に対応し、公正な企業活動を進めることで持続可能な社会の実現に貢献してまいります。 サステナビリティ経営を通じた中長期的な「企業価値の向上」を実現するため、ESG・持続可能性に関する会社のガバナンス、リスク管理、戦略、指標と目標を取りまとめ、活動計画を策定しその進捗管理と評価を行う機関として2022年6月にESG委員会を設置し、2023年8月には従来のリスク・マネジメント委員会と統合してサステナビリティ委員会として再編成し、運営しております。サステナビリティ委員会は、代表取締役社長が委員長となり、リスク・マネジメント担当取締役、常勤の監査等委員である取締役、各部門長、内部監査室長(随時指導・助言等)で構成されます(2026年6月17日現在)。 当事業年度は4回開催し、主に、環境対応製品、人的資本、知的資本、コーポレートガバナンスといった非財務情報をテーマとしたサステナビリティ経営の活動計画を立案し、責任部門による実践を指揮いたしました。当事業年度の具体的な活動テーマとしては、環境にやさしいシアンフリー製品やニッケル不使用プロセス向け製品の上市、貴金属を使わない新素材めっきの開発やめっき技術を応用した電池技術の開発推進、採用プログラムの刷新や教育体系の整備を通じた能動型自律人材の採用と育成、健康経営にもとづくがん検査キットの全社員向け展開、キャリア採用の強化、社長を囲んだ車座ミーディングへの全社員参加(派遣スタッフを含む)、情報セキュリティ対策の強化、過去の実験記録のデータ化、めっき薬品に関する情報を一元管理する統合プラットフォーム(J-PLAT)の導入と展開、ペーパーレスの更なる推進、製品の法規制対応や品質管理体制の強化、日英同時情報開示の適用範囲拡大、等を主要なテーマとして取り組みました。※「第一部〔企業情報〕第2〔事業の状況〕2[サステナビリティに関する考え方及び取組]をご参照ください。 イ 企業統治の体制を採用する理由 当社は監査等委員会制度を採用しておりますが、常勤の監査等委員は社外役員でかつ他の会社において長年にわたり経理・経営企画等の業務や経営に携わっており、豊富な経験と財務・会計に関する十分な知見を有しております。 その他2名の監査等委員も全員社外役員であります。 こうした体制のもと、監査機能の強化を図っております。 当社の企業統治の体制は下図のとおりであります。<2026年6月17日現在> ③ 企業統治に関するその他事項 当社は、法令に従い、業務を適正且つ効率的に行うことを確保するための体制整備について、取締役会で決議し、公正で健全な経営の推進に努めております。この決議内容は以下の通りであります。 a.取締役及び使用人の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制・「企業行動規範」を制定し、取締役・使用人に法令遵守及び行動規範を周知徹底するために「コンプライアンス・オフィサー」を取締役会で選任し、「コンプライアンス・オフィサー」は、倫理・法令遵守の状況について取締役会に報告する。・従業員等から通報を受け付ける内部窓口を経営企画部、外部窓口を顧問弁護士とする。・執行部門から独立した社長直轄の「内部監査室」を設け、定期的に実施する内部監査を通じ職務の執行状況を把握し、法令・定款等に準拠し、適正、妥当かつ合理的に行われているか検証する。その監査結果を取締役会、監査等委員会に報告し、必要に応じ会計監査人にも報告を行う。 b.取締役の職務の執行に係る情報の保存及び管理に関する体制・文書管理規程に従い、取締役の職務に係る情報を文書に記録し保存する。・取締役は文書管理規程により常時これらの文書を閲覧できるものとする。 c.損失の危険の管理に関する規程その他の体制・取締役1名を「リスク・マネジメント担当取締役」として取締役会で選定する。・取締役及びコンプライアンス・オフィサー等で構成する「サステナビリティ委員会」を設けるとともに、「リスク管理方針」(「危機管理方針」を含む)に基づき、リスク管理体制の整備・充実を図る。・「サステナビリティ委員会」においては、E(環境)S(社会・人的資本)X(特定課題)G(企業統治)の各分科会の管理責任者を決定して会社のガバナンス、リスク管理、戦略、指標と目標を取りまとめ、「サステナビリティ基本方針」に基づいてサステナビリティ経営を通じた中長期的な企業価値の向上を目指して重要課題に対する施策を立案し実行を推進する。 d.取締役の職務の執行が効率的に行われることを確保するための体制・取締役会を原則月1回開催し、独立性の高い社外取締役出席のもと重要事項の決定、業務執行状況の監督を行う。・取締役会での審議の充実を図るため、経営方針・経営戦略・経営計画等についての検討・付議を行う機関として、社内取締役、常勤の監査等委員及び各部門長により構成される経営会議を設定する。・組織規程、業務分掌規程、職務権限規程において業務執行に係る責任と執行手続きを規定する。・「指名報酬諮問委員会」を設置し、取締役の指名や報酬に関する意思決定の客観性と透明性を高める。 e.監査等委員会の職務を補助すべき取締役及び使用人に関する事項、当該取締役及び使用人の取締役(監査等委員である取締役を除く。)からの独立性に関する事項並びに当該取締役及び使用人に対する指示の実効性の確保に関する事項・監査等委員会から要請があった場合には、取締役と監査等委員会が協議のうえ当社の使用人の中から監査等委員会の職務を補助すべき使用人を配置する。当該使用人は、監査等委員会の指揮命令に服するものとし、その人事関係について取締役は監査等委員会と協議して行うこととする。・当該使用人に対する監査等委員会の指示の実効性を損なう事象が生じている場合は、監査等委員会は取締役に対してその解消を要請する。 f.取締役及び使用人が監査等委員会に報告するための体制その他の監査等委員会への報告に関する体制・取締役は、法定の事項に加え法令・定款違反があること、又は当社の業績に影響を与える重要な事項があることを発見したときは監査等委員会に都度報告する。・使用人は、会社に著しい損害を及ぼすおそれのある事実や法令・定款違反があることを発見したときは、監査等委員会に直接報告ができるものとする。・監査等委員会への社内通報システムの整備を図り、適切な体制を構築することにより、コンプライアンス上の問題について監査等委員会への適切な報告体制を確保する。監査等委員会へ当該報告をしたことを理由とした不利益な取扱いを禁止し、その旨取締役・使用人に周知する。 g.その他監査等委員会の監査が実効的に行われることを確保するための体制及び監査等委員の職務の執行について生ずる費用の前払または償還の手続その他の当該職務の
役員の報酬等3,697字
(4)【役員の報酬等】(4)- ① 役員の報酬等の額又はその算定方法の決定に関する方針に係る事項 当社は、指名報酬諮問委員会の答申を受け、2025年4月25日開催の取締役会において、取締役に対する当社の中長期的な企業価値の持続的な向上への動機づけ及び株主の皆様との一層の価値共有を進めることを目的として、役員報酬制度の見直しを決議し、改定した制度に関する議案を2025年6月20日開催の第54期定時株主総会において決議いただいております。本制度の考え方、概要等は下記のとおりです。 1.基本方針 当社の役員報酬制度は中期経営計画で掲げる各施策の取り組みによる持続的成長の実現、及び当社の業績並びに中長期的な企業価値の向上への取締役の貢献意欲向上をより加速させることを目的とし、以下を基本的な考え方とする。1)当社の短期の業績と中長期的な企業価値の向上との連動を重視し、株主の皆様との価値を共有できる設計とすること2)グローバルな視点を持つ優秀な人材を確保し、かつ維持できる水準とすること3)報酬の決定プロセスを客観的で透明性の高いものとすること 2.報酬水準の考え方 報酬水準は、中期経営計画の目標達成への動機づけ、及び優秀な人材を確保できる水準となるよう、外部機関の客観的な役員報酬調査データを用いてベンチマーク企業群を選定し、固定報酬及び変動報酬の水準等を総合的に勘案して決定する。 3.役位別の報酬体系 ① 業務執行取締役「基本報酬」に加え、業務執行に対するインセンティブとしての「業績連動報酬」及び株価変動のメリットとリスクを株主の皆様と共有することで中長期の業績向上と企業価値向上への貢献意欲や士気を一層高めることを目的とした「株式報酬」を支給する。業務執行取締役の「株式報酬」は、役位・職責等を考慮した業績連動型の譲渡制限付株式報酬(以下、「RS」といいます。)を毎年一定の時期に付与する。なお、税制適格ストックオプションとしての新株予約権は第55期の割当てをもって廃止しております。 ② 監査等委員でない非業務執行取締役「基本報酬」に加え、株主の皆様の視点で価値を共有し、企業価値の持続的な向上に対するインセンティブとすることを目的として業績に連動しない「株式報酬」を支給する。 ③ 監査等委員である取締役業務執行から独立した立場であることに鑑み、「基本報酬」のみとする。 4.報酬の構成 ① 基本報酬(金銭)役位及び職責に応じた月例の金銭報酬(固定) ② 業績連動報酬(金銭)・単年度の業績・施策に連動して支給する金銭報酬。・前年の財務指標(業績)と非財務指標(重点施策)の達成度合いに応じた係数を役位別基本報酬に乗じて決定する。・目標達成時における財務、非財務指標に係る報酬額の比率が1:1となる設計とし、目標は期初予算策定時に指名報酬諮問委員会で決定する。 ③ 業務執行取締役に対する株式報酬・業務執行取締役の株式報酬は、中期計画に策定した財務目標(ROE、TSR)の達成度合いに連動して支給するRSとする。支給するRSの株数は、予め役位別に設定した割当数に、対象期間における各年度の目標の達成度合いと施策の進捗に応じた係数を乗じて決定する。・譲渡制限付株式の役位別割当数は一定期間で見直すこととし、目標値は中期計画策定時に指名報酬諮問委員会で決定する。 ④ 監査等委員でない非業務執行取締役に対する株式報酬・監査等委員でない非業務執行取締役は、少数株主の代理人としての目線で重要事項の決定に関わる役割と、業績目標達成への過度なリスクテイクを回避するよう経営を監督する役割を有することから、対象取締役への株式報酬は、業績に連動しないRSとする。(補足)・RSの譲渡制限は、当社の取締役の地位を喪失した場合に解除する。・報酬の構成は、業務執行取締役の目標達成度が100%の場合に、概ね、基本報酬50~60%、短期業績連動報酬20%~30%、株式報酬20%となるよう設計する。 業務執行取締役の報酬体系報酬の種類報酬の内容等固定/変動基本報酬・役位及び職責に応じた金銭報酬。固定業績連動報酬・単年度の業績・施策に連動して支給する金銭報酬。・前年度の財務指標(営業利益)と非財務指標(重点施策)の達成度合いに応じた係数を役位別基本報酬に乗じて決定する。・目標達成時における財務、非財務指標に係る報酬額の比率が1:1となる設計とし、目標は期初予算策定時に指名報酬諮問委員会で決定する。変動株式報酬・中期計画に策定した財務目標(ROE、TSR)の達成度合いに連動して支給するRS。・支給する譲渡制限付株式の株数は、予め役位別に設定した割当数に、対象期間における各年度の目標の達成度合いと施策の進捗に応じた係数を乗じて決定する。・譲渡制限株式の役位別割当数は一定期間で見直すこととし、目標値は中期計画策定時に指名報酬諮問委員会で決定する。・譲渡制限は当社の取締役の地位を喪失した場合に解除する。変動・上記の業務執行取締役に対する株式報酬の適用は、目標値の設定、評価を第55期から行い、第56期(2026年7月以降)の取締役への報酬に反映することとしております。 業務執行取締役の報酬構成(設計値)金銭報酬株式報酬固定業績連動基本報酬業績連動報酬譲渡制限付株式報酬50~60%20~30%20% 5.報酬枠の改定 役員報酬制度の見直しに伴い、報酬のマーケット競争力の強化と業績連動性を高めることによる報酬増額部分の確保を見据え、取締役の報酬枠を以下のように改定し、株主総会で決議いただいております。 役員報酬等に関する株主総会の決議株主総会決議日決議の概要決議に係わる員数2025年6月20日取締役(監査等委員である取締役を除く)の金銭報酬限度額・年額300百万円以内(うち社外取締役分50百万円以内)7名うち社外取締役4名2025年6月20日取締役(監査等委員である取締役及び社外取締役を含む非業務執行取締役を除く)に対する株式報酬(RS)の上限・年間24,000株、年額60百万円以内2名2025年6月20日非業務執行取締役(監査等委員である取締役を除く)に対する株式報酬(RS)の上限・年間4,000株、年額10百万円以内、かつ1名当たり金銭報酬の30%以内5名2025年6月20日監査等委員である取締役の金銭報酬限度額・年額40百万円以内3名 6.報酬の決定プロセス 取締役会は、役員報酬決定手続きの客観性と透明性を確保するため、取締役会の諮問機関である指名報酬諮問委員会において、役員報酬の基本方針、制度、算定方式、個人別の報酬内容等について審議及び答申を行います。 取締役の報酬の具体的な内容は、株主総会において決議された報酬枠の範囲内で、指名報酬諮問委員会において個人別の報酬内容を審議し、その答申内容を踏まえて取締役会で決定します。 なお、監査等委員である取締役の報酬については、監査等委員である取締役の協議により決定します。 指名報酬諮問委員会構成員(2026年6月17日現在) 氏名役位及び担当大畑 康壽社外取締役(委員長)川島 勇社外取締役黒松百亜社外取締役林 博司社外取締役小島 智敬代表取締役社長 (4)- ② 役員区分ごとの報酬等の総額、報酬等の種類別の総額及び対象となる役員の員数役員区分報酬等の総額(千円)報酬等の種類別の総額(千円)対象となる役員の員数(名)金銭報酬株式報酬基本報酬業績報酬譲渡制限付株式報酬ストックオプション取締役(監査等委員を除く)129,36888,98119,83018,4452,1127(うち社外取締役)(27,284)(22,500)(-)(4,784)(-)(4)取締役(監査等委員)19,80019,800---3(うち社外取締役)(19,800)(19,800)(-)(-)(-)(3)監査役5,7005,700---3(うち社外監査役)(5,700)(5,700)(-)(-)(-)(3)計154,868114,48119,83018,4452,11213(注1)2014年6月20日開催の第43期定時株主総会終結の時をもって、役員退職慰労金制度を廃止し同総会終結後、引き続き在任する取締役に対しては、役員退職慰労金制度廃止までの在任期間に対応する退職慰労金を各役員の退任時に支給することを決議いただいております。(注2)対象となる役員の員数は在籍者数でなく、当期に係わる支給対象者数を記載しております。(注3)当社は2025年6月20日開催の第54期定時株主総会終結の時をもって、監査等委員会設置会社に移行しております。監査役の報酬等は当該移行前の期間に係わるものであり、監査等委員である取締役の報酬等は当該移行後の期間に係わるものであります。 (4)- ③ 報酬等の総額が1億円以上である者の報酬等の総額等 該当事項はありません。 (4)- ④ 使用人兼務役員の使用人給与のうち重要なもの 該当事項はありません。
従業員の状況534字
(2)【従業員の状況】①提出会社の状況 (2026年3月31日現在)従業員数(名)平均年齢(歳)平均勤続年数(年)平均年間給与(千円)平均年間給与の対前事業年度増減率(%)60(8)39.511.88,5796.10(注)1 従業員数は就業人員であります。2 平均年間給与は、賞与及び基準外給与を含んでおります。3 従業員数欄の( )は、臨時従業員の年間平均雇用人員であり、外数で記載しております。4 当社は単一セグメントのためセグメント毎の記載はしておりません。5 当社は常時雇用される従業員が100名以下の事業規模であり、女性活躍推進法等の規定による公表をしておりません。そのため、女性管理職比率、男性育児休業取得率及び男女賃金差異等の記載を省略いたします。なお、当社においては、同様な労働条件(学歴、年齢、勤続年数等)における男女間の賃金差異はないものの、開発型企業の特徴として、従業員の約8割が理系分野出身者で占めており、採用段階から女性の母集団が小さいことは否めません。女性の活躍を促進していくために、女性従業員の積極採用、長く働ける職場環境づくりに取り組んでおります。 ②労働組合の状況 労働組合は結成されておりませんが、労使関係は円満に推移しております。
関係会社の状況22字
4【関係会社の状況】 該当事項はありません。
配当政策842字
3【配当政策】 当社は、利益配分につきましては、従来から収益状況に応じた株主様への還元を行うこととする基本方針のもと、業績及び将来の事業展開と経営基盤強化に必要な内部留保資金等を総合的に勘案し安定した配当を継続してまいりましたが、資本市場の要請を鑑み53期より下記の改訂を加えております。(1) プライム市場上場会社として、当面の業績に大きく左右されない一定レベルの株主還元に積極的に取り組む(2) 配当性向に加えDOE(自己資本配当率)5%を下限とした配当方針を採用する 当社の経営基盤強化のための内部留保については十分な蓄積ができているものと考えております。また、中長期的な成長路線は今後とも継続していく所存であります。 当社の剰余金の配当は、中間配当及び期末配当の年2回を基本的な方針としております。剰余金の配当等の決定機関は、「会社法第459条第1項各号に定める事項については、法令に別段の定めがある場合を除き、株主総会の決議によらず取締役会の決議による。」旨を定款に定めているため、取締役会であります。 当事業年度の剰余金の配当につきましては上記基本方針に加え、政策保有株式の売却の進捗を踏まえ、中期経営計画FY2025-2027において掲げている財務方針における株主還元方針に則り、期末配当を1株当たり74円増額の137円とし、中間配当金63円と合わせて年間配当200円に見直しいたしました。 内部留保資金の使途につきましては、事業領域の拡張、既存事業の拡大等の成長投資を考えておりますが、機動的な自己株式の取得などによる株主の皆様への利益還元も引き続き検討してまいります。 なお、当社は中間配当を行うことができる旨を定款に定めております。 (注)基準日が当事業年度に属する剰余金の配当は、以下のとおりであります。決議年月日配当金の総額(千円)1株当たりの配当額(円)2025年10月24日364,45463取締役会決議2026年5月22日795,033137取締役会決議
研究開発活動2,087字
6【研究開発活動】(1)研究開発活動の基本方針 当社の研究開発部門のミッションは、「化学の好奇心でエレクトロニクスに役立てる」の企業理念の下、独創的な製品をエレクトロニクス業界に提供することです。 エレクトロニクス業界は急速にグローバル化が進んでおり、これに対応するには、当社の研究開発業務を、ソフト技術、材料技術の両面より推進する必要があります。ソフト技術を駆使してグローバル化に対応しながら、一方では次世代の材料技術を長期的な視野で育成していくのが当社の研究開発の基本方針です。 ソフト技術とは、顧客の製品、要求性能、設備に合わせて最適なトータルプロセスを提案する技術です。対象となる電子デバイスは多様であり、顧客の設備も多様であるため、当社の既存のめっき薬品使用条件だけでなく前工程、後工程のニッチトップ企業との協力を含む組み合わせで、顧客に最適なトータルプロセスを提案することが要求されます。 一方、材料技術とは、既存の薬品では対応できないような課題を解決するための新しい薬品を開発する業務です。新規化合物を発見しないと問題が解決されないような製品には、新規化合物の環境試験も行わねばならず、開発から製品化までには数年の検討期間が必要になることもあり、長期間にわたる計画が必要です。 なお、当社は単一セグメントのためセグメント毎の記載はしておりません。 (2)研究開発活動の主要課題 当社は、会社設立以来、エレクトロニクス業界を最大のターゲットとして貴金属めっき薬品を提供してまいりました。近年、めっき液の低金濃度化やめっき皮膜の薄膜化による金使用量を削減(省金化)した仕様が浸透しつつあり、めっき皮膜物性を維持しつつ、このような仕様に対応することが主要課題となっております。そのような状況の中でも業界に先駆けてFC-BGA(Flip-Chip Ball Grid Array)パッケージ用無電解金めっき薬品のシアンフリー化を達成しており、技術課題の解決と環境配慮志向の両面で新たな価値を提供しています。 さらに、省金化に伴う貴金属めっき薬品の販売量低下を補うべく、これまでに集積した貴金属めっき技術を、エレクトロニクス業界以外へ展開すること、貴金属以外のめっき技術へ応用することも課題として取り組んでおります。 その一つが電池材料への展開です。電気自動車や再生可能エネルギーの導入拡大に伴い、従来よりも安価で軽量かつ長寿命な電池が求められています。電池の充放電反応は、めっきと同じ酸化還元反応(Redox反応)を利用しています。当社はめっき薬品開発で培ったRedox制御技術で電池材料の課題解決にも貢献すべく、新たな技術開発に着手しています。 このような新たな技術開発を推進するためには、従来のめっきだけに留まらない柔軟な思考力と技術開発力が必要となるため、当社の数倍の技術陣容を有する競合めっき薬品メーカーにも対抗できるユニークな発想を持つ技術陣の育成が必要となります。引き続き、新分野に積極的にチャレンジする人材、資質の高い人材の採用と育成により、技術陣のレベルアップを実現し、開発力の強化を図ってまいります。同時に、当社単独では困難な技術開発を効率的に実施していくため、最適な外部連携を図ってまいります。 具体的には以下の課題に取り組んでまいります。 ①環境問題対応 ・有害物質(シアン、鉛)不使用のめっき技術・穀物由来原料の削減 ・めっき廃液の削減②最先端デバイスへの対応 ・5G対応のめっき技術 ・高密度実装技術対応のめっき技術 ・自動車電装化対応めっき技術③新しい事業領域の創出 ・電解液・電極など電池材料向けの技術開発④効率化 ・実験データの利活用 ・メカニズムの可視化 ・データ駆動型のアプローチ (3)研究開発の成果 当期の研究開発の成果は次のとおりであります。①5G対応ニッケル不使用めっき技術(DIG、EPIG) 一般的に厚付けで施されるNiめっき皮膜を使用せず、電子回路の細線化に貢献できる最終表面処理プロセスとして期待されております。今期は国内外複数顧客で評価が進展し、プロセス全体の最適化と製品化に向けた準備を進めております。 ②高密度パッケージ用無電解金めっき技術 ハイエンドFC-BGA基板用の環境配慮型のシアンフリータイプ無電解金めっき液は、顧客で量産稼働中です。今期は性能を向上した次世代品を開発し、顧客において段階的に量産が始まりました。③半導体配線用金めっき技術 最先端半導体用のシアンフリー電解金めっき液について、顧客評価が進行中です。④電池材料 2026年1月に開催されたnano tech 2026 国際ナノテクノロジー総合展・技術会議に出展し、当社開発品のサンプルワークを開始しました。⑤マイクロコネクタ向け金めっき技術 めっきラインのメンテナンス頻度を低減し、生産性向上につながる新製品の顧客評価が進行中です。 (4)研究開発費 第55期(2026年3月期)における研究開発費の総額は491,988千円であります。
主要な設備の状況312字
2【主要な設備の状況】 当社は、本社工場を有しております。主要な設備は次のとおりであります。(2026年3月31日現在) 事業所名(所在地)セグメントの名称設備の内容建物、構築物(千円)機械及び装置(千円)車両運搬具(千円)工具、器具及び備品(千円)ソフトウエア(千円)従業員数(名)本社及び本社工場(東京都練馬区)貴金属めっき薬品製造事業統括事業設備製造設備研究開発設備生産情報システム等48,05219,665077,230109,61060(8)(注)1 本社及び本社工場の建屋を賃借しております。2 従業員数欄の( )は、臨時雇用者数を外書しております。3 2025年度に開設した成増オフィスの設備を含めております。
監査の状況2,861字
(3)【監査の状況】 当社は、2025年6月20日開催の第54期定時株主総会において、監査等委員会設置会社への移行を内容とする定款変更が決議されたことにより、同日付をもって監査役会設置会社から監査等委員会設置会社へ移行しています。 ① 監査等委員会監査の状況a.監査等委員会監査の組織、人員及び手続 当社は監査等委員会設置会社であり、監査等委員会は、財務及び会計に関する相当程度の知見を有する常勤の監査等委員である社外取締役1名と非常勤の監査等委員である社外取締役2名の3名から構成されており、取締役の職務執行ならびに当社業務や財産の状況を監査しています(2026年6月17日現在)。 b.監査役会及び監査等委員会の活動状況 当事業年度においては、監査等委員会設置会社移行前に監査役会を4回、移行後に監査等委員会を10回開催しており、個々の出席状況については以下の通りです。 氏 名開催回数(回)出席回数(回)社外監査役(常勤)富 國 重 遠44社外監査役林 博 司44社外監査役髙 野 雅 典44 氏 名開催回数(回)出席回数(回)社外取締役 常勤監査等委員富 國 重 遠1010社外取締役 監査等委員髙 野 雅 典1010社外取締役 監査等委員大 竹 裕 子1010 監査等委員会による監査は「監査等委員会監査計画」に沿って実施され、各監査等委員が取締役会に出席し、意見を述べ、取締役等から経営上の重要事項に関する説明を聴取するなど取締役の職務執行について適法性・妥当性の監査を行っています。常勤の監査等委員は、取締役会以外の重要な会議にも出席し、取締役及び使用人等からその職務の執行状況について報告を受け、必要に応じて説明を求め、重要な決裁書類等を閲覧し、経営上の課題や重要なリスク等を把握して監査等委員会で共有しています。また、会計監査人に対しても独立の立場を保持し、かつ、適正な監査を実施しているかを検証するとともに、会計監査人からその職務の執行状況について報告を受け、必要に応じて説明を求めました。 監査等委員会においては、常勤の監査等委員からの説明により会社の活動状況等について監査等委員間の情報共有や議論を深めており、併せて内部監査部門、会計監査人とは随時監査についての報告を求める等、連携を緊密にしています。当事業年度における主な決議事項及び報告事項は次の通りです。決議事項 監査方針や監査計画の策定、監査報告書の作成、会計監査人の報酬に対する同意、会計監査人の解任又は不再任に関する事項等報告事項 取締役会、経営会議の付議事項の内容、常勤監査等委員が実施する業務監査の結果、サステナビリティ委員会の活動状況、その他取締役の職務執行に関する重要事項等 このほか、監査等委員会設置会社への移行を契機として、監査等委員会と(監査等委員でない)社外取締役との個別面談を新たに開始し、社外取締役とのコミュニケーションの深化を図っています。 また、「監査上の主要な検討事項(KAM)」に関して、その記載内容等について、会計監査人と議論いたしました。 〔監査等委員会の実効性評価〕 昨年度より開始したアンケート形式の質問票に対する回答による監査役会の実効性評価について、監査等委員会においても引き続き同様の評価を実施しました。監査等委員会の運営や資料の適切性、会計監査人や内部監査部門との連携、重点項目への取り組み等10項目に対する5段階評価と定性コメントの結果、監査等委員会は有効に機能しており実効性があると認められるとの結論に至りました。評価において得られた意見や気づき事項を監査計画等に反映させる等、監査品質の維持・改善につなげてまいります。 ② 内部監査の状況 当社は業務執行部門から独立した、「内部監査室」(専任担当1名)を設けております。 内部監査室は、監査等委員会・会計監査人との緊密な連携のもと、「内部監査規程」に則して期初に策定した内部監査計画に基づき、年1回を目処に、各部門における業務執行が経営方針、関係法規、社内規程・基準等に準拠して適法かつ適正・合理的に行われているかについて監査するとともに、内部統制体制の整備状況と運用状況に関する妥当性、有効性を検証し、必要に応じて改善に向けた提言を行っております。内部監査の結果は監査報告書にまとめ社長に提出いたします。社長から被監査部門へ改善指示書が出され、改善指示事項の回答書を被監査部門が社長に提出し、その実施状況について確認いたします。年に2回、内部監査室長が取締役会と監査等委員会に出席し、内部監査の中間報告及び期末監査結果報告を直接行っております。 ③ 会計監査の状況a.監査法人の名称EY新日本有限責任監査法人 b.継続監査期間26年間 c.業務を執行した公認会計士丸山 高雄 (指定有限責任社員、業務執行社員)倉持 直樹 (指定有限責任社員、業務執行社員) d.監査業務に係る補助者の構成当社の会計監査業務に係る補助者は、公認会計士4名及びその他3名によって構成されております。 (注)1.継続監査年数については、全員7年以内であるため、記載を省略しております。2.同監査法人は、自主的に業務執行社員について、当社の会計監査に一定期間を超えて関与することのないよう措置をとっております。 e.監査法人の選定方針と理由 監査等委員会は、同委員会にて定めた選定基準項目に基づき、監査法人の品質管理体制、独立性及び監査報酬額の妥当性などを総合的に勘案し選定しております。 会計監査人が会社法第340条第1項各号に定める項目に該当すると認められる場合は、監査等委員全員の同意に基づき、監査等委員会が会計監査人を解任いたします。この場合、監査等委員会が選定した監査等委員は、解任後最初に招集される株主総会におきまして、会計監査人を解任した旨と解任の理由を報告いたします。 また、会計監査人の職務の執行に支障がある場合等、その必要があると判断した場合、監査等委員会は、株主総会に提出する会計監査人の解任又は不再任に関する議案の内容を決定いたします。 f.監査等委員会による監査法人の評価 監査等委員会は定期的に選定基準項目を確認しており、監査法人の業務内容、監査体制、報酬の額は相当であると判断しております。 ④ 監査報酬の内容等a.監査公認会計士等に対する報酬前事業年度当事業年度監査証明業務に基づく報酬(千円)非監査業務に基づく報酬(千円)監査証明業務に基づく報酬(千円)非監査業務に基づく報酬(千円)18,360-19,380- b.その他の重要な監査証明業務に基づく報酬の内容該当事項はありません。 c.監査報酬の決定方針当社の監査公認会計士等に対する監査報酬の決定方針は、取締役会決議に基づいております。 d.監査等委員会が会計監査人の報酬等に同意した理由会計監査人としての業務内容、監査体制等を考慮した結果、報酬等に同意しております。
株式の保有状況2,778字
(5)【株式の保有状況】①投資株式の区分の基準及び考え方 当社は、保有目的が純投資目的である投資株式と純投資目的以外の目的である投資株式の区分について、事業戦略、取引先との事業上の関係において、当社の営業活動、事業活動又は財務活動の取引関係強化に資するかどうかを基準としています。 ②保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式a.保有方針及び保有の合理性を検証する方法並びに個別銘柄の保有の適否に関する取締役会等における検証の内容・特定投資株式に関する方針・考え方 当社の中長期的な企業価値向上のために、研究開発・生産・販売等のそれぞれの事業プロセスにおいて、様々な企業との協力関係が必要と考えております。特定投資株式については、事業戦略及び取引先との事業上の関係において、当社の製品開発や問題解決に協力、フィードバックが期待できる企業についてのみ保有する方針としております。なお、特定投資株式は、中期経営計画FY2025-2027の期間中に純資産割合20%未満までの縮減を図る予定です。・特定投資株式の保有の適否の検証 特定投資株式の保有合理性について、上記の方針に則り毎年取締役会において検証を行っております。当事業年度につきましては、2銘柄の株式について売却を実施しております。 b.投資株式のうち保有目的が純投資目的以外の目的であるものの銘柄数及び貸借対照表計上額の合計額 銘柄数(銘柄)貸借対照表計上額の合計額(千円)非上場株式154非上場株式以外の株式1510,743,459 (当事業年度において株式数が増加した銘柄) 銘柄数(銘柄)株式数の増加に係る取得価額の合計額(千円)株式数の増加の理由非上場株式---非上場株式以外の株式316,5611社は持株会に加入し毎月購入があり、株式分割のため。2社は株式分割のため。 (当事業年度において株式数が減少した銘柄) 銘柄数(銘柄)株式数の減少に係る売却価額の合計額(千円)非上場株式--非上場株式以外の株式21,742,284 c.特定投資株式の銘柄ごとの株式数、貸借対照表計上額等に関する情報特定投資株式銘柄当事業年度前事業年度保有目的、業務提携等の概要、定量的な保有効果及び株式数が増加した理由当社株式の保有有無株式数(株)株式数(株)貸借対照表計上額(千円)貸借対照表計上額(千円)イビデン㈱223,945109,841当社めっき薬品の取引があり、PKG基板のリーディングカンパニーで最先端技術を保有しており、取引拡大が期待されるため継続して保有しています。(持株会加入、株式分割による株式数の増加あり)有1,650,924438,158㈱フジクラ66,00066,000当社めっき薬品の取引があり、フレキシブルPKG基板分野でさらなる取引拡大、同社との良好な関係の維持、強化を図るため、継続して保有しています。無1,619,640356,268㈱JCU245,000600,000同業のめっき薬品メーカーとして当社の製品開発や問題解決に協力、フィードバックが期待できるため、継続して保有しています。無1,303,4001,938,000山一電機㈱170,000170,000当社めっき薬品の取引があり、半導体分野のテスターのリーディングカンパニーで最先端技術を保有しており、さらなる取引拡大、同社との良好な関係の維持、強化を図るため、継続して保有しています。無1,254,600351,730シチズン時計㈱671,000671,000めっき材料の取引があり、同社との良好な関係の維持、強化を図るため、継続して保有しています。有1,117,215598,532四国化成工業㈱155,000155,000表面処理分野の同業として連携が期待でき当社の製品開発や問題解決に協力、フィードバックが期待できるため、継続して保有しています。有658,750284,735太陽ホールディングス㈱130,40065,200技術交流をきっかけとした協力関係構築や当社の製品開発、問題解決に協力、フィードバックが期待できるため、継続して保有しています。株式分割により、株式数が増加しています。有649,913314,264メック㈱85,00085,000表面処理分野の同業として連携が期待でき当社の製品開発や問題解決に協力、フィードバックが期待できるため、継続して保有しています。有536,350195,245兼松㈱234,400117,200当社めっき薬品の取引があり、海外向け販売の要としてさらなる取引拡大、同社との良好な関係を維持し、さらなる取引拡大を図るため継続して保有しています。株式分割により、株式数が増加しています。有516,969295,109NOK㈱176,300176,300NOK(株)グループの日本メクトロン(株)と当社めっき薬品の取引があり、フレキシブル基板でのさらなる取引拡大、同社との良好な関係の維持、強化を図るため、継続して保有しています。有493,728386,008石原ケミカル㈱147,200147,200技術的な協力関係があり、当社の製品開発や問題解決に協力、フィードバックが期待できるため、継続して保有しています。有344,448310,739フォスター電機㈱81,70081,700車載用部品用途の取引拡大、同社との良好な関係の維持、強化を図るため、継続して保有しています。有235,786105,719㈱三井ハイテック269,500269,500当社めっき薬品の取引があり、リードフレーム分野でさらなる取引拡大、同社との良好な関係の維持、強化を図るため、継続して保有しています。無158,735186,494イリソ電子工業㈱36,40036,400当社めっき薬品の取引があり、車載用コネクター分野でさらなる取引拡大、同社との良好な関係の維持、強化を図るため、継続して保有しています。無116,29894,494 銘柄当事業年度前事業年度保有目的、業務提携等の概要、定量的な保有効果及び株式数が増加した理由当社株式の保有有無株式数(株)株式数(株)貸借対照表計上額(千円)貸借対照表計上額(千円)チップボンドテクノロジーコーポレーション250,000250,000当社めっき薬品の取引があり、ウェハー分野でさらなる取引拡大、同社との良好な関係の維持、強化を図るため、継続して保有しています。無86,70172,962㈱山王-51,900当事業年度中に全株売却しました。無-46,087(注)1.定量的な保有効果については記載が困難であります。2.「-」は当該株式を保有していないことを示しております。 ③保有目的が純投資目的である投資株式 該当事項はありません。
沿革2,992字
2【沿革】年月概要1971年7月東京都豊島区東池袋一丁目39番1号において、貴金属めっき薬品の開発、製造及び販売を目的として日本高純度化学株式会社を設立(資本金1,000千円)1979年3月本店を東京都豊島区東池袋一丁目2番11号に移転1981年7月本店を東京都豊島区南池袋二丁目26番7号に移転1988年3月川口工場を新設1999年8月MBOを目的とした合併を前提として、ジェイピーシーホールディング株式会社(設立1991年6月13日、本店所在地 東京都千代田区三崎町三丁目3番23号)が日本高純度化学株式会社株式を取得し、持株会社となる。1999年11月ジェイピーシーホールディング株式会社を存続会社として、日本高純度化学株式会社を消滅会社とする合併を行い、商号を日本高純度化学株式会社、本店所在地を東京都豊島区南池袋二丁目26番7号とする。2001年2月本店を東京都練馬区北町三丁目10番18号に移転登記2001年5月移転登記後の所在地に設備を移設し業務開始2002年12月JASDAQ市場に株式公開2004年3月東京証券取引所市場第二部に上場2005年3月東京証券取引所市場第一部に上場、川口工場を閉鎖し本社工場に統合2005年4月ISO9001及びISO14001の認証取得2005年9月本社第二工場を新設2009年12月本社第二工場を閉鎖し本社工場に統合2019年2月一般財団法人JPC奨学財団を設立(2020年4月より「公益財団法人」)2022年4月東京証券取引所プライム市場に移行2026年3月成増オフィス開設 <日本高純度化学の価値創造ストーリー> 日本高純度化学株式会社(JPC:Japan Pure Chemical)は1971年の創業以来、電子機器の接点・接合に使われる「貴金属めっき薬品」を専門とする化学会社です。東証プライム上場企業でありながら、社員60名程度、さらにその8割ほどが理系出身という知識集約型・研究開発型の技術者集団です。 『化学の好奇心でエレクトロニクスに役立てる』の企業理念のもと、希少な貴金属資源の節減を実現する高品質な製品の提供を通じてサステナブルな地球環境を実現するとともに、ファインケミカルとエレクトロニクスの懸け橋として豊かな社会づくりの一翼を担っていると自負しています。 めっき技術は、時計や宝飾品等に用いる「装飾めっき」と、電子機器の接合等の「機能めっき」に大別できます。機能めっきの中でも、半導体などの最重要部品は接点の数も圧倒的に多く緻密な回路になるため、信頼性(絶対に錆びない等)の観点から金・銀・パラジウムなどの「貴金属めっき」が用いられます。 装飾めっきは、「この素材の部品にはどんな金属でおよそどのくらいの厚みでめっき(金属薄膜)をつければ色・輝きが綺麗に保てるか」という経験と匠の技をもって実現可能ですが、機能めっきは電子機器、電子部品の接合用のため精密度が桁違いです。規格が厳格に定められ、金属めっきの特性や信頼性が物理・化学の分野における原子や分子レベルの知見で裏付けされた技術でないと成立しません。酸化還元反応など、化学反応のメカニズムを明らかにしないと電子機器メーカー等の顧客から要求される機能が発揮できない世界です。(顧客側にはめっき技術の専門家はほとんどいないため、物理的・化学的にめっき反応を説明しないと理解が得られないということでもあります)。 当社が創業した当時のめっき薬品業界は、分野ごとに一定の特性が定められており「顧客はその特性に合わせてラインを調整しなければならない」という画一的なラインナップが一般的でした。 そこで当社は、希少かつ高価である貴金属めっきに事業を集中し、物理・化学の知見をもって貴金属めっき反応のメカニズムを徹底的に研究して、顧客に伴走しながら用途やライン毎に異なるニーズにきめ細かく対応する薬品を都度調合するモデルを立上げるとともに、定期的な分析により不足してきた成分を添加剤で補給することが可能な供給サイクルも確立しました。 加えて当社のめっき薬品には「貴金属消費量の節減につながる性能をもつ」という共通の特長があります。貴金属は高価でありムダ使いできないため「限りなく薄く、ムラなく、かつ必ず皮膜が形成される」ことが重要ですが、単純に通電してめっき皮膜を作るだけでは、厚みがバラバラだったり、一部分に皮膜が作られず電子部品そのものがショートして破壊されてしまったりします。当社のめっき薬品を用いるとそうした失敗がなくなり最小限の貴金属消費量でめっきができます。当社が編み出した特定の配合により化学反応が生じ、狙った箇所に狙った厚みで皮膜形成が適えられるからです。このように、ライン立上げ時の利便性や柔軟性、めっき薬品の性能や歩留まりの高さによる希少な資源の節減、ひいてはライン全体としての低コスト化が評価され、顧客と長期にわたる関係を築き、当社は貴金属めっき薬品市場でトップクラスの地位を占めるまでになりました。 現代社会は人口増加や高齢化に伴う介護問題、エネルギー供給問題、気候変動や環境破壊、食糧の持続可能性など、抱えきれないほどの課題に直面しており、これらを克服して次世代に豊かな社会を残すためにも、エレクトロニクスの進化はますます重要になっています。例えば、AIやIoTを活用したスマートシティの発展によりエネルギーや交通の効率化が進み、より安全で便利な都市環境が整備されます。高速通信技術の進歩によって自動運転技術が発展して人々の移動の自由度が高まり、次世代医療技術の進化が遠隔治療を可能にし、無医村地域などの健康寿命も延伸されます。エンターテインメントや通信技術の発展も合わさって、人々の暮らしはより豊かで充実したものになるでしょう。 このような未来を支える基盤には半導体をはじめとした電子部品の高度化が不可欠です。例えば、コンピュータの計算速度が速まると高熱が発生するようになります。“ハンダ”では熱に耐えきれずに電子部品の接合が溶けてしまうので、より高い耐熱性能が求められるようになります。逆に人工衛星には極低温耐性が、人命に直接的に影響する遠隔医療機器や自動運転インフラにおいては「高速伝送」や「長寿命かつ高信頼を支える耐腐食性」などが重要になってくることが想像できます。 これらの実現を性能面、環境面から支えるのが、当社が長年向き合ってきた貴金属めっき技術です。高価で希少な貴金属の特性を活かし、用途に応じた高性能なめっき薬品に仕立てることによって強みを発揮しつづけるとともに、独自の省貴金属技術を通じて地球環境の持続可能性にも貢献することができます。 さらに当社は、将来を担う新しい事業領域として電池事業への挑戦を始めています。めっきにより起こる化学反応は酸化還元反応ですが、これは電池の基本原理そのものです。この反応を効率的に制御することが電池開発の本丸と言われており、当社の知見と技術を応用することで電池の大容量化や長寿命化、充放電の高効率化や高出力化が期待できます。 JPCの技術は無限の可能性を秘めています。化学の好奇心のもとで事業をさらに深化・進化・新化させ、より環境にやさしく、持続可能で豊かな社会づくりに貢献してまいります。
EDINETのXBRLから抽出した原文です(長文は先頭のみ)。全文はPDF・XBRLの原本をご確認ください。
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出典:東証 適時開示情報閲覧サービス(TDnet)。決算短信・業績予想の修正はEDINETには掲載されません。
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財務数値は有価証券報告書「主要な経営指標等の推移」等をXBRL/CSVから決定論的に抽出した開示値です。各数値はEDINETの原本(PDF / XBRL / CSV)にそのまま遡れます。投資判断は原本をご確認ください。
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