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JX金属株式会社

EDINET CODE E01081

証券コード 5016EDINETコード E01081非鉄金属上場IFRS決算 3月末日資本金 750億円法人番号 2010001133878
8,846億円売上高(FY2026
15.6%ROE
48.3%自己資本比率
87財務健全性スコア
KEY METRICS

主要財務指標

FY2026連結IFRS

FY2026の売上高は8,846億円(前年比+23.7%)。営業利益は1,750億円(営業利益率19.8%)、当期純利益は1,046億円。総資産1.51兆円に対し自己資本比率は48.3%、ROEは15.6%。非鉄金属の中央値(ROE 13.7%)を上回る水準。営業キャッシュ・フローは1,075億円の創出、現金及び現金同等物は663億円。従業員数は10,450人。

開示値を定型文に流し込んだ自動生成の概況です(LLM不使用)。
株価(終値)3,6192026-09-04
PER32.0倍
PBR4.61倍
配当利回り0.86%
時価総額(概算)3.35兆円
株価はYahoo Financeの公開データによる参考値。PER・PBR・利回りは最新有報のEPS・BPS・配当との組み合わせ計算です。
売上高8,846億円+23.7%
営業利益1,750億円+55.5%
当期純利益1,046億円+53.3%
総資産1.51兆円
純資産8,383億円
営業利益率19.8%
ROE15.6%
自己資本比率48.3%
EPS112.9円
BPS784.4円
1株配当31円
配当性向27.4%
従業員数10,450人
INDUSTRY POSITION

業種内のポジション

非鉄金属の分析 →
ROE15.6%中央値 13.7%
営業利益率19.8%中央値 5.4%
自己資本比率48.3%中央値 52.0%
健全性スコア87.0点中央値 61.0

帯は非鉄金属22社)の下位25%〜上位25%、縦線が中央値、丸が当社の値です。

FINANCIAL HISTORY

業績推移

4期分
売上高と営業利益率
20,000億15,000億10,000億5,000億0億2023: 16,385億20232024: 15,123億20242025: 7,149億20252026: 8,846億20262025: 16%2026: 20%20%0%
営業利益と当期純利益
2,000億1,500億1,000億500億0億2023: —20232024: —20242025: 1,125億20252026: 1,750億20262023: 369億2024: 1,026億2025: 683億2026: 1,046億1,500億0億
収益性・財務健全性の推移ROE営業利益率自己資本比率
50%38%25%13%0%2023 ROE: 8%2024 ROE: 18%2025 ROE: 11%2026 ROE: 16%2025 営業利益率: 16%2026 営業利益率: 20%2023 自己資本比率: 27%2024 自己資本比率: 47%2025 自己資本比率: 48%2026 自己資本比率: 48%2023202420252026
営業キャッシュ・フロー
2,500億1,875億1,250億625億0億2023: 363億20232024: 384億20242025: 2,154億20252026: 1,075億2026
1株当たり指標EPS1株配当
150円113円75円38円0円2023 EPS: 40円2024 EPS: 111円2025 EPS: 74円2026 EPS: 113円2025 1株配当: 110円2026 1株配当: 31円2023202420252026
貸借対照表の構成
資産
1.51兆円
負債・純資産
負債 6,671億円純資産 8,383億円
年度売上高営業利益経常利益当期純利益総資産純資産EPSROE自己資本比率
FY20268,846億円1,750億円1,691億円1,046億円1.51兆円8,383億円112.915.6%48.3%
FY20257,149億円1,125億円1,075億円683億円1.28兆円7,118億円73.511.0%48.0%
FY20241.51兆円787億円1,026億円1.33兆円7,208億円110.518.3%47.3%
FY20231.64兆円633億円369億円1.83兆円39.87.7%26.9%
営業CF1,075億円
投資CF-773億円
財務CF-249億円
現金及び現金同等物663億円
MAJOR SHAREHOLDERS

大株主

順位氏名・名称持株比率
1ENEOSホールディングス㈱42.4%
2日本マスタートラスト信託銀行㈱(信託口)8.0%
3㈱日本カストディ銀行(信託口)2.5%
4STATE STREET BANK AND TRUST COMPANY 505001(常任代理人 ㈱みずほ銀行決済営業部)1.0%
5GIC PRIVATE LIMITED-C(常任代理人 ㈱三菱UFJ銀行)0.9%
6JP MORGAN CHASE BANK 385781(常任代理人 ㈱みずほ銀行決済営業部)0.8%
7BNYM AS AGT/CLTS NON TREATY JASDEC(常任代理人 ㈱三菱UFJ銀行)0.8%
8HSBC HONG KONG-TREASURY SERVICES A/C ASIAN EQUITIES DERIVATIVES(常任代理人 香港上海銀行東京支店)0.7%
9JP MORGAN CHASE BANK 385642(常任代理人 ㈱みずほ銀行決済営業部)0.6%
10GOVERNMENT OF NORWAY(常任代理人 シティバンク、エヌ・エイ東京支店)0.6%
INTERIM RESULTS

中間期の業績(半期報告書)

四半期報告書廃止後の期中開示
中間期売上高営業利益経常利益純利益営業利益率自己資本比率EPS
FY2026中間(〜2025-09-30)3,964億円700億円679億円429億円17.7%47.8%46.3
FY2025中間3,370億円681億円660億円367億円20.2%51.5%39.6

半期報告書「主要な経営指標等の推移」からの抽出値です。中間期の利益は通期の約半分に相当するため、年度データとの単純比較はできません。

HUMAN CAPITAL

人的資本

平均年齢41.5歳
平均年間給与831万円
平均勤続年数12.9年
管理職に占める女性比率3.2%
男女の賃金の差異(全労働者)71.9%
男女の賃金の差異(正規雇用)72.1%

提出会社(単体)ベースの開示値です。

ANNUAL REPORT TEXT

有報本文

15セクション
事業の内容7,826
3 【事業の内容】当社グループは、半導体・情報通信分野に欠かせない銅やレアメタルを原料とする先端材料の開発・製造・販売を主な内容としてグローバルな事業活動を行っており、半導体用スパッタリングターゲットや圧延銅箔を主力製品としています。これらに加えて、銅やレアメタルの資源開発や、製錬・リサイクル事業を手掛けており、上流から下流までをつなぐ強固なサプライチェーンを有することにより、安定的に先端材料をマーケットに供給し、持続可能な経済・社会の発展に貢献しています。 当社グループは、半導体材料セグメント、情報通信材料セグメント、基礎材料セグメントの3つの報告セグメントにて構成されています。成長戦略のコアである半導体材料セグメントと情報通信材料セグメントをフォーカス事業と位置づけ、先端材料分野での技術の差別化や市場創造を通じて、市場成長以上の利益成長を目指しています。一方、基礎材料セグメントをベース事業と位置づけ、銅・レアメタルの安定供給を通じてフォーカス事業を支える役割を担っています。各報告セグメントの主要製品、主要会社は以下のとおりです。区分セグメント事業部・事業会社主要製品主要な会社フォーカス事業半導体材料薄膜材料事業部半導体用スパッタリングターゲット、高純度金属、表面処理剤、化合物半導体・結晶材料当社、JX Advanced Metals USA, Inc.、JX Advanced Metals Singapore Pte.Ltd.、JX Advanced Metals Korea Co., Ltd.、JX金属商事㈱、台湾日鉱金属股份有限公司 タンタル・ニオブ事業部タンタル・ニオブ金属粉末、タンタル・ニオブ酸化物粉末、塩化物・化合物当社、TANIOBIS GmbH、東京電解㈱ 情報通信材料機能材料事業部圧延銅箔、チタン銅、コルソン合金当社、JX METALS PHILIPPINES, Inc.、日鉱金属(蘇州)有限公司、JX金属商事㈱、台湾日鉱金属股份有限公司 東邦チタニウム超微粉ニッケル、高純度酸化チタン、触媒製品、スポンジチタン、チタンインゴット東邦チタニウム㈱ タツタ電線電磁波シールドフィルム、導電性ペースト、ボンディングワイヤ、漏水検知システム、医療機器部材、インフラ・産業機器用電線タツタ電線㈱ベース事業基礎材料資源事業部銅精鉱、電気銅、モリブデン精鉱、含金珪酸鉱、タンタル精鉱当社、SCM Minera Lumina Copper Chile、Minera Los Pelambres、Minera Escondida 金属・リサイクル事業部電気銅、型銅、貴金属、硫酸当社、JX金属製錬㈱、パンパシフィック・カッパー㈱、JX金属サーキュラーソリューションズ㈱、eCycle Solutions Inc.、台湾日鉱金属股份有限公司 以下の事業区分は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記7.セグメント情報」に掲げるセグメントの区分と同一であり、各事業を構成する主要な関係会社の状況については、「第1 企業の概況 4 関係会社の状況」に記載しています。 (1) 半導体材料セグメント(薄膜材料事業部)高純度化や組成・組織制御などの当社のコア技術を駆使し、半導体や磁性材料向けのスパッタリングターゲットをはじめ、各種高機能デバイス、最先端IT機器、医療機器、電気自動車に用いられる製品をグローバルに展開しています。中でも、ロジックやメモリに用いられる半導体用スパッタリングターゲットが主力製品の一つであり、世界的にも高い評価を得ています。当社は様々な素材の半導体用スパッタリングターゲットを取り扱っており、半導体の主要配線層に用いられる銅や銅合金、そのバリア層に用いられるタンタルに加えて、半導体の回路形成やトランジスタ部分等に用いられるチタン、コバルト及びタングステンの製品でグローバル市場におけるトップクラスの地位を確立しています。半導体はシリコンウエハ上に数百回以上にわたり回路を形成して製造されますが、半導体用スパッタリングターゲットは回路形成に必要となる素材の層をつくる工程(成膜工程)の材料として用いられます。成膜に当たっては、真空状態の装置内でスパッタリングターゲットにアルゴンイオンを衝突させ、放出したターゲット原子を基板(シリコンウエハ等)上に付着させることによって薄膜を形成します。半導体が目的とする機能を発揮するためには様々な種類の高純度素材による回路形成が必要となりますが、当社の強みである高純度化技術や、多種多様な元素・合金を取り扱う技術により、様々な材料ニーズを満たしたスパッタリングターゲットの製造が可能です。 ① 半導体用スパッタリングターゲット製造における当社のコア技術電解精製にて製造された高純度の電気銅を溶解してインゴットにし、そのインゴットを適切な幅に切断したのち、鍛造・圧延を施して必要な直径を持った円盤状の板(ターゲット材)に加工します。その後、熱処理によって結晶組織を均一化したターゲット材を、スパッタリング装置へ固定する役割を果たすバッキングプレートと接合(ボンディング)し、顧客から求められる特性に応じて表面の粗化から鏡面仕上げ等の加工を行い、品質や機能の分析評価を経て製品化されます。この一連の加工の中で、以下に記載する当社の複数のコア技術が活かされており、多数の金属品種において高品質な製品の安定的な供給を実現しています。 ・高純度化技術電解精製工程において、創業以来培ってきた高純度化技術により9N(99.9999999%)の銅の製造を実現しています。当技術により高純度銅スパッタリングターゲットに要求される6Nの銅を安定的に生産しています。・組成・組織制御技術ターゲット材の結晶組織がスパッタリングに適した大きさや向きとなるように制御・管理しています。これにより、成膜時の組成・組織が均一となり半導体の欠陥を引き起こす不純物であるパーティクル(発塵)の発生を抑えることに寄与しています。・表面制御技術バッキングプレートとターゲット材との接合状態が不均一な場合、スパッタリング時にターゲット材の表面温度が不均一になり様々な障害が生じます。そこで、ろう材による接合や異種材料間の拡散接合など、それぞれの材料に適した技術により、均一で強固な接合を実現しています。また、異種材料接合技術の応用により、銅箔と樹脂の複合材など、新しい材料の開発を進めています。また、スパッタリングターゲットなどの材料は、その組成や純度だけでなく、表面状態も顧客のプロセスにおける製造効率に影響します。そのため、出荷前の最終工程において、エッチングによる表面の粗化から鏡面仕上げまで、求められる特性に応じた最終加工を行っています。・分析評価技術当社で製造したスパッタリングターゲットは、材料として顧客のスパッタリング装置に組み込まれて使用されます。当社は自前のスパッタリング装置を所有しており、顧客が使用する条件下で評価を行うことによって最終形態で期待される機能や特性の実現、性能改善を図っています。 ② 半導体製造装置メーカーとの強固な関係当社は半導体製造装置メーカーから受ける素材提案を通じて品質技術情報を獲得し、その情報を基に半導体製造装置メーカーに対して材料提案や先行開発を継続して実施してきました。長年にわたるこれらの活動の結果、当社製品の多くが半導体製造装置メーカーから標準材料として指定されており、それにより当半導体製造装置メーカーの製造装置を使用する半導体メーカーからの安定的な受注獲得につながっていると考えています。事実として、当社は大手半導体メーカーと長年にわたり取引を継続してきた実績を有しています。加えて、高品質な製品の安定的供給が顧客から高く評価されています。 ③ 半導体メーカー拠点との地理的優位性を有する生産体制当社は、半導体の世界的生産地である米国、台湾、韓国において、スパッタリングターゲット製造の下工程(注)である機械加工拠点を有し、一定の在庫を保有することで、安定的かつ素早い製品供給体制を構築しています。また、米国・台湾においては技術サービス拠点としての役割も担い、顧客への迅速な品質対応も行っています。当社の高い技術レベルと各拠点での速やかな技術対応を組み合わせることにより、高い顧客満足度を実現しています。 (注) 下工程は、半導体用スパッタリングターゲット製造プロセスにおける加工・ボンディング工程を指します。 (タンタル・ニオブ事業部)当社グループのTANIOBISは、世界各地に製造・販売拠点を有する世界有数のタンタルとニオブの材料メーカーであり、主要製品は半導体用スパッタリングターゲットやコンデンサ用のタンタル粉・ニオブ粉、SAWデバイスや光学レンズ用のタンタル酸化物・ニオブ酸化物、半導体用のタンタルやニオブ等の塩化物、その他の高機能粉末材料です。半導体用スパッタリングターゲット用のタンタル粉については、当社グループの東京電解株式会社(以下、「東京電解」という。)にてインゴット状に加工のうえ当社薄膜材料事業部に供給し、スパッタリングターゲットの材料として使用されています。また、当社グループは、ブラジルのMibra鉱山におけるタンタル原料生産事業に出資しており、安全や人権に配慮した倫理的かつ持続可能な「責任ある調達」を推進するとともに、TANIOBISの年間調達量の一定割合のタンタル鉱石を安定的に調達する体制を構築しています。これらの取り組みによって、当社グループとして半導体用タンタルスパッタリングターゲットを上流から下流まで一気通貫で安定的に供給する体制を確立しています。 (2) 情報通信材料セグメント(機能材料事業部)機能材料事業部では、主力製品である圧延銅箔に加えて、AIサーバ向け等の高機能コネクタなどに使われるチタン銅、コネクタやリードフレームに使われるコルソン合金などの銅合金を取り扱っています。圧延銅箔は、スマートフォンやウェアラブル端末、モビリティ(xEV/ADAS)の分野で使用されるハイエンドなフレキシブル回路基板(FPC)用途に広く採用されています。屈曲性や耐久性といった性能面での高い要求に応える技術力や、市場開拓を含めた継続的な取り組みを通じて、グローバル市場において当該分野で確固たる地位を築いています。銅合金は、銅に様々な元素を添加して製造した製品で、AIサーバやスマートフォン、パソコンなどの電子機器のコネクタ端子や半導体リードフレームなどに使用されており、近年の情報化社会の進展に伴い、これらの用途における重要性が一層高まっています。当社ではTi(チタン)を主な副成分とするチタン銅や、Ni(ニッケル)・Si(ケイ素)を主な副成分とするコルソン合金を中心に、顧客ニーズに合わせた多様な特性の製品を幅広く取り揃えています。 ① 圧延銅箔製造における当社の技術優位性圧延銅箔は、電気銅やリサイクル原料を溶解・鋳造して製造されたインゴットを熱間圧延・冷間圧延により必要な厚さにまで薄くして製造します。その後、結晶組織を均一にするための焼鈍や、顧客の要求するスペックにするための仕上げ圧延、表面に微細な凹凸を形成してプリント基板の樹脂との密着性を高めるための表面処理、幅分割等の工程を経て最終的に製品化がなされます。圧延銅箔の主要用途であるFPCは、導電性金属である圧延銅箔と絶縁性を持った薄く柔らかいベースフィルム(ポリイミド等)とを貼り合わせた基材(FCCL)に電気回路を形成した基板です。僅かな隙間や繰り返し屈曲する可動部に用いられることから、圧延銅箔には優れた屈曲性や耐久性が求められます。当社は、FPC向けにHA箔を生産していますが、当該製品は結晶粒・結晶方位を調整することにより屈曲性・耐久性を飛躍的に向上させており、疲労寿命を迎えるまでに類似品である特殊電解銅箔と比較して高い曲げ耐性を有する製品を提供しています。また、当社は独自のノウハウにより高品質な薄箔の製造を実現しており、FPC用途において6μm(髪の毛の約10分の1)の薄さまで製造可能です。 ② 市場開発型アプローチ当社は、FPC向け圧延銅箔のエンドユーザーであるスマートフォンメーカー、ウェアラブル端末メーカー及びモビリティメーカーと長年にわたる取引関係を構築しており、これらのエンドユーザーとの対話を通じて、早期の開発ニーズの把握や、ニーズに基づく材料提案を行ってきました。当社製品がエンドユーザーから材料指定を受けることにより、エンドユーザーに製品供給を行うCCL及びFPCメーカーからの安定的な受注を実現しています。 (東邦チタニウム)チタンは、軽量・高強度・高耐食という特性を持つ金属であり、航空機や海水淡水化プラント、発電プラントなど幅広い分野で利用されています。当社グループの東邦チタニウム株式会社では、金属チタン事業・触媒事業・化学品事業を軸とした事業展開を行っています。金属・チタン事業では、航空機材料用、医療用、産業設備用と幅広い分野で使用されているスポンジチタンやスポンジチタンを溶解・鋳造したチタンインゴットなどを製造しています。触媒事業では、ポリオレフィン製造用触媒などを製造しています。化学品事業では、積層セラミックコンデンサ等に使用される超微粉ニッケルや高純度酸化チタンなどを製造しています。 (タツタ電線)電線・ケーブル製造で培った技術を多様な製品や事業に発展させており、電子材料事業、電線・ケーブル事業、その他事業を軸とした事業展開を行っています。電子材料事業では、モバイル端末等に使われる機能性フィルム、半導体分野で需要が高まる機能性ペースト、データセンターやサーバ向けの漏水検知システム、医療機器向け材料や部材などのメディカル関連製品を展開しています。電線・ケーブル事業では、ビルや住宅で使用される電力ケーブルからロボット用ケーブル、鉄道やプラントで使われる産業用ケーブルまで幅広く対応しています。 (3) 基礎材料セグメント(資源事業部)資源事業は当社の祖業であり、1905年に日立鉱山を開業して以来、国内外の鉱山を対象として、探鉱から開発、操業、休廃止鉱山の管理に至るまでをステークホルダーと協業しながら行ってきました。長年の現場経験を通じて培った鉱床評価技術、低品位銅鉱石から効率的に銅を分離・回収する技術、低環境負荷技術等を活用し、現在は海外の銅鉱山やレアメタル鉱山への参画や国内の含金珪酸鉱鉱山の操業を行っています。銅鉱山については、カセロネス銅鉱山(チリ)、ロス・ペランブレス銅鉱山(チリ)及びエスコンディーダ銅鉱山(チリ)の権益を保有しており、当社銅製錬事業の原料となる銅精鉱の安定確保を図るとともに、投資リターンを得ています。このうち、エスコンディーダ銅鉱山及びロス・ペランブレス銅鉱山は、世界有数の生産規模を有しています。カセロネス銅鉱山については、2024年3月期にLundin社を経営パートナーとして迎え、同社の豊富な知見や高い鉱山運営能力を活かして、生産性向上やコスト競争力の強化を進めています。レアメタルについては、当社グループの半導体材料・情報通信材料事業を支える重要な資源であり、その希少性や地理的遍在性を背景に、長期的な安定確保が重要な経営課題となっています。このため当社は、資源の調達先の多様化及びサプライチェーンの強化を目的として、調査・開発段階からの事業参画を含めた取り組みを進めています。こうした取り組みの一環として、オーストラリアにおけるミネラルサンド鉱床開発プロジェクトに参画しています。当社は、本プロジェクトを通じて、フォーカス事業を支える基盤である基礎材料セグメントとしての役割を一層強化するとともに、将来の事業環境変化に備えた資源ポートフォリオの高度化に取り組んでいます。また、当社グループ会社である鹿児島県の春日鉱山株式会社においては含金珪酸鉱の生産を行っており、銅製錬の副原料(溶剤)としてJX金属製錬株式会社 佐賀関製錬所などに供給しています。 (金属・リサイクル事業部)金属・リサイクル事業部は、金属製錬とリサイクルの一体的な事業運営を推進しています。銅精鉱と使用済み家電製品・電子機器などのリサイクル原料から、高効率な製錬プロセスを通じて純度99.99%以上の銅地金を生産するとともに、銅を製錬する過程の副産物として、貴金属やレアメタル、硫酸などの生産を行っています。当社グループの主要な製錬拠点であるJX金属製錬株式会社 佐賀関製錬所は、世界有数の生産能力を持つ製錬所として位置づけられており、原料受入から製錬、回収、精製に至るまでの高度な技術力を活かした安定操業を継続しています。今後、銅の需要はますます伸びていくことが予想されており、この需要拡大を支えるには銅精鉱に加えてリサイクル原料の活用拡大が必要不可欠であることから、当社グループはリサイクル原料の受入・処理能力を拡大し、リサイクル原料処理比率の向上を図っています。 ① グリーンハイブリッド製錬JX金属製錬株式会社 佐賀関製錬所では、リサイクル原料の増処理を進めるに当たり、銅精鉱が自ら発する酸化反応熱を最大限に活用し、化石燃料使用量をミニマイズするグリーンハイブリッド製錬を推進しています。これにより生産された銅は、拡大する需要を支える安定供給体制の構築と脱炭素や資源循環等のサステナビリティを重視した生産と供給という2つの使命を果たすために最適なサステナブルな銅であると考えています。2040年に銅製錬時のリサイクル原料処理比率を50%まで高めることを目標に、技術開発やリサイクル原料の増集荷・増処理体制の構築を進めています。 ② 戦略的パートナーシップの構築によるサーキュラーエコノミーの推進当社は、2022年に策定したサステナブルカッパー・ビジョンの実現に向け、国内商社との戦略的パートナーシップを活用しながらリサイクル原料の増集荷・増処理体制の構築を進めています。具体的には、2022年8月にeCycle Solutions Inc.をグループに迎え入れた際に、ITAD事業に知見を有する双日株式会社と協業関係を構築し、2023年4月より連携を開始しています。また、2024年4月には、三菱商事株式会社(以下、「三菱商事」という。)とともに、廃家電や廃電子機器、廃車載用リチウムイオン電池等の再利用を推進することを目的として、JX金属サーキュラーソリューションズ株式会社を新設し、同年7月より事業を開始しました。三菱商事が有する産業横断型のグローバルネットワークや知見を活用することで、リサイクル原料の集荷やサプライチェーン全体の連携強化を図り、銅やレアメタル等の非鉄金属資源のリサイクル拡大を目指しています。採掘された資源を廃棄せずに再利用し続けるサーキュラーエコノミーの実現に向け、貢献してまいります。 事業の系統図は以下のとおりです。
経営方針、経営環境及び対処すべき課題等4,904
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中における将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものです。 (1) 経営の基本方針当社グループは、2019年6月にJX金属グループ2040年長期ビジョンを策定し(2023年5月に一部改定)、「装置産業型企業」から「技術立脚型企業」への転身により、激化する国際競争の中にあっても高収益体質を実現し、半導体材料・情報通信材料のグローバルリーダーとして持続可能な社会の実現に貢献することを基本方針といたしました。この方針のもと、半導体材料セグメントと情報通信材料セグメントからなるフォーカス事業を成長戦略のコアとして位置づけ、先端材料分野での技術の差別化や市場創造を通じて、市場成長以上の利益成長を目指しています。基礎材料セグメントからなるベース事業は、最適な規模の事業体制のもとで、銅やレアメタルの安定供給を通じてフォーカス事業を支えるとともに、サステナブルな社会の実現に向けて貢献してまいります。 [JX金属グループフィロソフィー]当社は、2025年3月に東京証券取引所プライム市場に上場するとともに、創業120周年という大きな節目を迎えました。これらを契機として、当社グループとしての存在意義(Purpose)及び価値観・行動指針(Way)を明確化し、グループ全体の一体感を高めるとともに、社会に対して提供する価値をより一層高めていくことを目的として、2025年9月に「JX金属グループフィロソフィー」を策定しました。 本フィロソフィーは、当社グループが事業活動を通じて社会に提供する価値の考え方を示すものであり、世界的に不確実性や複雑性が高まる事業環境の中においても、自由な発想に基づく価値創出を追求し、人々の暮らしをより良いものにしていくという当社グループの姿勢を表しています。また、当社グループ全体で本フィロソフィーを実践できるよう、推進体制を整え、本フィロソフィーの定着に向けた施策を重点的に進めました。本フィロソフィーを当社グループの活動の軸として、ステークホルダーとの協調を図り、持続的な企業価値の向上に取り組みます。 (2) 経営環境近年、デジタルトランスフォーメーションの進展、脱炭素社会形成に向けた動きの加速、資源不足・枯渇懸念の深刻化、企業に求められる社会的責任の高まりなど、当社グループを取り巻く社会環境、事業環境は大きな変化に直面しています。当社グループを取り巻く経営環境について、報告セグメント別の状況は以下のとおりです。 ① フォーカス事業:半導体材料セグメント半導体ロジック・メモリ市場は、生成AIの急速な普及拡大やこれに伴うデータ通信需要の拡大等を背景に、成長基調が継続する事業環境にあります。特に、半導体製造技術の進展に伴い、最先端半導体分野においては需要の拡大が見込まれており、多層化・微細化の進展も継続するものと思われます。半導体の成膜方法であるPVD(Physical Vapor Deposition:物理気相成長法)に用いられる当社の主力製品である半導体用スパッタリングターゲットはロジック・メモリをはじめとした各種半導体デバイスの製造に用いられていますが、最先端ロジックほど配線層数が多くなり、半導体用スパッタリングターゲットの使用量が増加する傾向にあることから、その販売量は半導体ロジック・メモリ市場の成長を上回ることが期待されます。また、最先端ロジックほど配線が細かくなり、PVDが適さない微細な配線に対するCVD/ALDによる薄膜形成ニーズも高まっています。さらに、データ演算需要の飛躍的な増加及び生成AIの伸長を背景に、生成AIを搭載したサーバを大量に運用できるAIデータセンターの建設も進んでおり、これに伴いAIサーバの出荷台数は大きく増加しています。AIサーバにはチップ内の配線材料としての半導体用スパッタリングターゲットをはじめとして、光通信向け材料としてのInP基板、タンタルキャパシタ向けの高純度タンタル粉、大容量HDD向けの磁性材用ターゲットなど、半導体材料セグメントの当社製品が多く用いられていることから、このような傾向は本セグメントの収益拡大の追い風になることが見込まれます。加えて、AIサーバには高速の並列演算を担うために多数のGPUが搭載されており、データセンター向けGPUの出荷数量も増加しています。GPUに対して高機能を付与するためには多層化・微細化に加えてパッケージング分野における技術革新が必要であり、パッケージングにおいてはチップ間の配線材(TSV・RDL)やチップレット間をつなぐ配線等の用途における成膜機会の拡大からも、当社の半導体用スパッタリングターゲットの需要の拡大を見込んでいます。 ② フォーカス事業:情報通信材料セグメント電子機器製品等に搭載されるFPCの面積は、電子機器の高機能化・小型化の進展を背景に中長期的な拡大が見込まれており、今後も堅調な需要が期待されています。今後は、AI搭載等によるスマートフォンやパソコン向け部材の更なる小型化・高機能化に加え、スマートウォッチやスマートグラスといったウェアラブル等の周辺機器の市場成長により圧延銅箔の使用拡大が見込まれます。また、世界的なEV販売台数の増加に伴い、配線用や誤作動防止のために用いられるシールド材用の圧延銅箔の採用・使用量の拡大が期待されるとともに、中長期的には産業機械、ロボット等の分野において小型化、軽量化が進み、複雑な動きに対して疲労耐性の強い圧延銅箔の使用量拡大が見込まれています。これらの市場動向を背景に、当社主力製品である圧延銅箔についても、需要の拡大が見込まれます。積層セラミックコンデンサの内部電極に使用される超微粉ニッケルについては、AIを搭載する高機能通信機器の普及や、EVや自動運転の普及に伴う電装化の進展、データサーバやAIサーバ等の成長が需要を牽引し、市場は次第に成長軌道に回帰していくものと想定しています。また、半導体材料セグメントが属する市場環境において記載しているAIサーバの導入拡大は本セグメントの収益拡大の追い風になることも見込まれており、特にAIサーバ向けのコネクタにおいては高耐熱・高強度などの特性が求められ、要求ニーズに応えるチタン銅の採用が急速に拡大しているほか、高温となるAIサーバ内における冷却液の漏液を検知するための漏液センサーの需要拡大も見込まれます。 ③ ベース事業:基礎材料セグメント脱炭素社会の実現に向けて、再生可能エネルギーの導入が拡大するとともに、様々な産業や領域において電化が進行しており、中長期的に銅素材の需要拡大が見込まれます。例えば、電気自動車では、モーターコイルやバッテリーなどにガソリン車の約4倍の銅が使用されています。銅需要拡大の一方で、既存鉱山からの銅鉱石の供給量には限界があり、銅の需給はひっ迫することが見込まれており、銅価は堅調に推移していくものと考えられます。技術革新、製品寿命の短期化、人口増加等の要因により電気・電子機器の廃棄物であるE-Wasteの発生量は、今後も世界的に増加していくことが見込まれています。一方で、脱炭素に向けた世界的な環境意識の高まりにより、リサイクル原料確保への動きが加速していることに加えて、環境規制強化の流れもあり、リサイクル原料の調達コストは上昇することが予想されます。また、アジア域内での製錬所建設が進むことにより、銅地金のサプライヤーが増加し、銅地金の販売環境の悪化が見込まれています。 (3) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題① 経営の基本方針-長期ビジョン 当社グループは、長期ビジョンに基づき、「装置産業型企業」から「技術立脚型企業」への転身により、激化する国際競争の中にあっても高収益体質を実現し、半導体材料・情報通信材料のグローバルリーダーとして持続可能な社会の実現に貢献することを基本方針としています。フォーカス事業を成長戦略のコアとして位置づけ、先端材料分野での技術の差別化や市場創造を通じて、市場成長以上の利益成長を目指します。また、ベース事業は、最適な規模の事業体制のもとで、銅やレアメタルの安定供給を通じてフォーカス事業を支えるとともに、サステナブルな社会の実現に向けて貢献していきます。 ② データセンター需要拡大に伴う当社関連製品の生産能力の増強生成AIの普及やデジタル化の進展を背景に、AIサーバを中心としたデータセンター向け投資は世界的に拡大しています。これに伴い、先端半導体の高性能化や、データ通信の高速・大容量化が進展しており、半導体材料や光通信関連材料の需要は中長期的に拡大していくことが見込まれています。このような事業環境のもと、当社では、データセンター需要の拡大を重要な成長機会と捉え、半導体用スパッタリングターゲット、磁性材用スパッタリングターゲット、InP(インジウムリン)基板、タンタル粉、チタン銅など、データセンターやAIサーバに使用される製品(以下図)の生産能力の増強や生産性向上を目的とした設備投資を計画的に実施し、市場の成長を確実に捕捉する生産体制の構築を目指します。 ③ 次世代のグローバルトップシェア製品の開発当社は、次世代半導体分野における持続的な成長を見据え、将来のグローバルトップシェア製品の創出を企図した施策を展開しています。特に、半導体の高性能化・高集積化の進展に伴い重要性が高まる先端材料及び先端パッケージ分野に注力し、顧客ニーズを踏まえた材料開発と、量産化を見据えた生産設備や技術基盤の整備を進めています。具体的には、次世代半導体パッケージ技術に関する国際的な研究開発コンソーシアム「JOINT3」への参画に加え、スタートアップ企業や大学との連携を通じて、最先端の技術動向や外部の知見を取り込み、技術開発の高度化と新規用途の探索に取り組んでいます。さらに、長年培った高純度化、表面制御、組成、分析評価等の技術を活用し、メディカル・センサー分野での成長が期待されるCdZnTe(カドミウムジンクテルル)基板等の結晶材料分野に加え、次世代半導体材料として期待されているCVD・ALD材料等の薄膜形成材料分野においても、事業拡大を図っています。以上のように、次世代のグローバルトップシェア製品の創出に向け、今後も着実に事業基盤と技術力の強化を推進していきます。 ④ サーキュラーエコノミー実現に向けた取組み脱炭素化社会の進展に伴い、再生可能エネルギー導入の拡大や、様々な産業・領域における電化が進行しており、銅やレアメタルなどの金属資源の需要は今後さらに拡大していくことが見込まれています。こうした中、自動車業界や家電・電子機器業界を中心に、使用済み製品を回収・再資源化し、同一素材として再利用するクローズドループ・リサイクルへの関心が高まっていますが、その処理は必ずしも容易ではなく、実現にあたっては、製品ライフサイクルに関わるサプライチェーン全体が連携して資源効率性を高める仕組みを整備することが不可欠です。当社グループは、台湾、米国、カナダ、ドイツ、シンガポールに集荷拠点・営業拠点を有し、世界規模のリサイクル原料集荷体制を整えています。さらに、金属・リサイクル事業においては、リサイクル原料の増処理に向け、低品位のE-waste等を含む多様なリサイクル原料への対応力強化を目的に、JX金属製錬株式会社 佐賀関製錬所に前処理プロセスを中心とした設備投資を進めています。これらの設備投資を通じて、リサイクル原料の処理能力及び処理効率の向上を図るとともに、鉱石の酸化反応熱を活用し化石燃料使用量の抑制を図るグリーンハイブリッド製錬の高度化を推進しています。こうした施策を通じて、資源循環の促進及び金属資源の安定的な確保に貢献し、サーキュラーエコノミーの実現を目指していきます。
事業等のリスク8,299
3 【事業等のリスク】当社グループの経営成績及び財務状況に重大な影響を与える可能性がある主要なリスクを以下に記載しています。当社グループでは、事業活動を取り巻く多様なリスクに対して的確な対応を図ることでJⅩ金属グループの経営を支えることを目的に、統合的にリスクを管理するERM(Enterprise Risk Management)を導入しています。特に当社グループにおける重要なリスクに関しては、当社の経営会議において議論・決定し、各リスク所管部署が実施しているリスク対応の状況をモニタリングしています。ERMを運用することで、2040年長期ビジョンの実現をより確実にすることを目指してまいります。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであり、将来において発生の可能性がある全てのリスクを網羅するものではありません。 1. フォーカス事業における競争優位性の喪失リスク当社では、特にフォーカス事業である半導体材料/情報通信材料セグメントにおいて、顧客との永続的な強い信頼関係を構築することで、顧客要望や最新の開発動向などをいち早く入手し、的確にそれに応え続けることで競争優位性を確保しています。また、そのために、研究開発と先端技術の知的財産権の権利化・第三者による権利侵害の防止、事業運営に必要な人材の採用・育成、複数購買をはじめとするサプライチェーンの強靭化、品質管理体制の強化及び供給責任を果たすための生産能力の拡大等に積極的に取り組んでいます。しかしながら、当社が顧客要望に十分に応えられないケースが続いた場合には、シェアの喪失や販売マージンの縮小、あるいは代替製品の登場や顧客ニーズの変化等の事業環境の変化によっては、競争優位性を失う可能性があります。現在の製品群が競争優位性を失った場合の対応として、注力領域を定め、新規製品・事業開発の取り組みを進めており、その実現に向けて、社内リソースは元より、当社グループ間の技術のコラボレーション、大学との共同研究及び外部企業とのパートナーシップ等、様々な外部リソースについても積極的に活用しています。しかしながら、新規製品・事業創出に向けた取り組みが、当社の収益基盤に成長するまでには、相応の時間と経営資源の投入が必要となります。そのため、新規製品・事業が創出できていない状況で、半導体材料/情報通信材料セグメントでの競争優位性を喪失した場合、当社グループの経営成績及び財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。 2. 中長期事業目標の未達リスク当社グループは、半導体材料・情報通信材料のグローバルリーダーとして、先端材料で社会の発展と革新に貢献することを目指すべく、2024年5月に中長期の事業戦略及び事業目標を公表いたしました。当該中長期の事業戦略及び事業目標は、半導体市場の成長を中心とする事業環境の見通し、為替動向、金利動向、銅価格の見通し等、策定時点における経済・事業環境の認識を中心とした様々な前提に基づいて策定したものであります。しかしながら、半導体をはじめとする先端材料関連市場の成長鈍化や急激な円高進行による外貨建て取引の収益減等、経済・事業環境認識の前提が想定どおりとならない可能性を常に抱えています。加えて、当社は、収益性及び資本効率の改善を目的として、構造改革を推進しています。当該施策においては運転資本の改善、設備投資の最適化、拡販・売価見直し及び全社での間接費を含むコストの最適化を進めており、その効果を当該事業目標の中に織込んでいます。施策の件数や各施策がもたらす財務指標の改善効果については実現可能性や進捗に応じて段階的に管理しています。また、事業環境の変化や経営判断により、中長期事業目標の策定時点では想定していなかった事業戦略を実施する可能性があり、その結果、当該事業目標の達成に影響を及ぼす可能性があります。このような前提及び施策が想定どおりに実現しない場合には、当該中長期の事業戦略及び事業目標の達成が困難となり、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 3. 市場環境の変化に関するリスク(1) 半導体市場等の変動持続可能な社会の実現に向けて、IT、モビリティ、ヘルスケア、エネルギー、建築など様々な産業でデジタルデータの活用が進展し、各分野に用いられる先端材料のニーズがさらに拡大しています。なかでも半導体市場は、生成AIの急速な普及拡大やこれに伴うデータ通信需要の拡大等を背景に成長基調が継続する事業環境にあります。当社は、先端材料を通じた社会の発展に貢献することを目指し、半導体メーカーをはじめとする世界各国に存在する顧客に対して製品を製造・販売していますが、世界経済の動向や最終製品の需要増減等の要因により、成長の過程で需給バランスが崩れ市場規模が急激に変動することがあります。例えば、半導体市場が縮小した場合には、需給バランスの崩れから生産過剰や在庫増加等が発生する可能性があります。また一方では、設備投資の実行タイミングの遅れや、市場の成長規模の見誤りなどにより、需要の増加に対応できない場合には、製品の供給において顧客のニーズに応えることができず、機会損失が生じる可能性があります。かかる状況を想定し、当社では、市場動向や顧客の需要動向の調査・分析結果を基に、生産量・在庫量の適正化を図っています。また、製品ラインナップの多様化や生産体制の増強に向けて時機をとらえた柔軟な設備投資判断に努めています。しかしながら、将来において当社の想定を超える市場環境の著しい変化が起きた場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (2) 金属価格・為替等の変動当社グループでは、先端材料の製造・開発を成長戦略のコアとして位置づけ、そこに良質な原料を供給するため、資源開発から製錬・リサイクル事業を一貫して展開しています。製品の販売や原材料及び資材の購入は、その多くを米国ドルや現地通貨建てで行っています。そのため、金属価格や為替変動等のリスクにさらされており、先物ヘッジ取引の活用等によるリスク低減に努めています。しかしながら、金属価格及び為替等の急激かつ大幅な変動が発生した場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 4. M&Aや事業提携に関するリスク当社は、事業の成長を加速させるうえで有効な手段となる場合や競争優位性に寄与する場合には、必要に応じてM&Aや事業提携(出資、合弁及びスタートアップ投資等を含む)を実施しています。これらの実施に当たっては、相手企業の財務状況や事業内容について可能な限り情報収集と分析を踏まえた事前審査を行っています。しかしながら、事前審査にも関わらず市場環境の将来的な著しい変化等により、事業を計画どおりに展開することができない場合には、投下資金の未回収等、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 5. 地政学リスク当社グループは世界の各地域に事業拠点を有しており、グローバルなネットワークを構築しています。資源事業においては南米チリのカセロネス鉱山をはじめ銅やレアメタル鉱山への出資、探鉱、開発を行っているほか、金属・リサイクル事業やタンタル・ニオブ事業においても、世界各国から原料を調達し、半導体材料や情報通信材料に不可欠な原料のサプライチェーン強化に向けた取り組みを進めています。また、当社グループではグループ内シンクタンクと連携し、オープンソースだけではなく各分野の専門家とのネットワーキングを駆使して情報を収集し、社内への提供に努めています。近年、将来における資源枯渇への危機意識や資源需給の不均衡に加え、資源国のロイヤルティ課税や高付加価値化政策の導入といった戦略物資化(いわゆる資源ナショナリズム)や紛争鉱物問題、需要国におけるリサイクル原料などの囲い込みの動きなどが進んでいます。このような動きがさらに進むと、原料の調達がより困難になる可能性があります。こうした原料調達リスクに加え、国際的な政治対立が深まり、当社製品のサプライチェーンが寸断された場合、事業継続に影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループの海外における事業活動が訴訟、紛争、その他の法的手続の対象になることがあります。当社はこのような訴訟における争点及び進捗について定期的にモニタリングを行っており、事業継続にあたって重大な支障をきたす恐れはないものと判断していますが、訴訟には不確実性が伴うことから、複数の訴訟において多額の和解金や損害賠償請求が生じた場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 6. 自然災害リスク近年の異常気象により自然災害は激甚化する傾向にあります。当社グループは、国内外に多数の事業拠点とグループ会社を有し、グローバルに事業活動を展開しています。地震、津波、洪水、大雪等の規模が極めて大きい自然災害が発生した場合、社会インフラや経済活動の停止によるサプライチェーンの寸断だけではなく、当社資産の甚大な被害により、長期にわたって、顧客への供給遅延や供給停止が発生し、収益を悪化させる可能性があります。また、従業員の被災により、人命に関わる事態となる可能性があります。このような事態に備え、当社グループでは、危機・緊急事態対応規則に基づき人的・物的被害の最小化及び早期復旧を図るための事業継続計画を策定し、定期的な各種訓練と、その結果に基づく改善を継続的に行っています。しかしながら、当社の想定を遥かに超える被災状況に陥り、早期復旧が困難な場合には、当社グループの事業継続に支障をきたす可能性があります。 7. 感染症流行リスク新型コロナウイルスの発生時には、JX金属グループ感染症対策基本規則及び感染症対応マニュアルを定め、政府・官公庁・地方自治体等の公的機関等、適切と考えうる国内外の情報を収集し、さらに、基本方針、実施する対策、出社方針・勤務体制の変更、感染した場合の行動等を適宜従業員に対して周知徹底いたしました。上記のとおり、感染症流行時には、適切な対応を実施し、当社グループの事業運営に大きな影響を発生させないよう努めています。しかしながら、将来において予期せぬ強毒性かつ感染力の高い新たなパンデミックが発生した場合には、拠点地域での人流の抑制や既存のサプライチェーンの寸断が発生する可能性があります。また、当社従業員が当該感染症にり患し、生産拠点での必要な人員を確保できない場合、当社グループの事業継続に支障をきたす可能性があります。 8. サステナビリティに関するリスク近年、ステークホルダーから企業に対して、脱炭素・循環型社会への貢献、生物多様性や水資源の保全、人権の尊重等、サステナビリティに関する各分野に対する取り組みが求められています。当社グループでは、長期ビジョンにおいて、持続可能な社会の実現に貢献することを打ち出し、経営方針として同分野の取り組みを重点課題に定め、その中でも特に優先的に取り組むべき7つのテーマをマテリアリティとして特定し、各種施策の推進・対応を積極的に進めています。しかしながら、将来においてステークホルダーからの要請の厳格化や諸外国の規制強化に対して、十分な対応が取れない場合、顧客との取引関係の解消、操業の縮小に追い込まれる等、当社グループの経営成績及び財政状態に重大な影響が発生する可能性があります。また、当社グループのブランドに対する社会的信用の低下につながる可能性があります。 9. 人事リスク少子高齢化により国内労働人口が減少するなか、現役世代、特に10-30代の働き方への価値観は、急激に変化かつ多様化しています。また、海外で主流だったキャリア志向は、国内にて近年急速に広く定着したものと認識しています。当社では、優秀な人材の獲得及び定着に向けて、人事制度の見直しによる処遇改善により、雇用市場における競争力を高める取り組みや、自己申告に基づく柔軟な配置転換の実施及び多様な人材が活躍できる仕組み作り等により、事業環境の変化に対応できる組織風土を醸成する取り組みを進めています。しかしながら、当社が、将来的な労働市場の変化に十分に対応できない場合、従業員が当社で働く魅力は相対的に低下し、離職者が増加する可能性があります。また当社が求めるあらゆる人材の層において、新規採用者の確保が困難となることが想定されます。さらに、人員の不足が長期にわたり継続する場合には、事業運営に支障をきたし、当社グループの経営成績及び財政状態に重大な影響が発生する可能性があります。 10. 労務リスク当社グループは、グローバルにビジネスを展開しており、国内外に多くの従業員を抱えていることから、各国の関連法令、ルール等の定めにしたがって、各種人事制度と内部通報制度を整備するとともに、役員・従業員向け教育を充実することで、コンプライアンス知識や意識の向上を図っています。しかしながら、それらの制度設計やその運用が、将来において関連法規の予期せぬ変更に追従できない場合、当局から課徴金の支払をはじめとする行政処分を受ける可能性があります。また、不適切な労働時間の管理による長時間労働や、モラルの欠如による各種ハラスメント行為、海外の労働慣習からの逸脱行為等が発生した場合、従業員の心身の健康が損なわれたり、人材の流出や訴訟に発展することにより、当社グループの財政状態に影響を及ぼすだけでなく、社会的信用の低下を招く可能性があります。 11. 内部統制に関するリスク当社グループは、業務の効率性と適正性を十分に確保するための内部統制システムを、取締役会の監督のもと、「内部統制システム整備・運用の基本方針」に基づき整備し運用するとともに、その状況についてモニタリングを実施しています。しかしながら、当社及びグループ各社において、取り組みの範囲を超える予期せぬ事態により、内部統制システムが有効に機能せず、法令・規則違反、巨額な損失リスクの顕在化(契約違反による損害賠償、役員・従業員等の不正の誘発などを含む)、ディスクロージャーの信頼性の毀損等に発展した場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 12. 情報セキュリティリスクサイバー攻撃や誤操作、内部不正により、当社や取引先の情報資産が流出・毀損し、生産・事業運営の停止や、顧客・サプライチェーンへの深刻な影響が発生する可能性があります。当社グループでは、ISO/IEC27001に基づく情報セキュリティマネジメントシステムを導入し、その運用状況について情報セキュリティ委員会でレビューを実施するとともに、サプライチェーン全体における情報セキュリティの強化を推進しています。また、役員・従業員等の情報セキュリティ意識向上に向けて研修を実施することで、情報資産を確実に保護する体制を整備し継続的に改善しています。しかしながら、サイバー攻撃や産業スパイ等による機密情報を狙う手口は巧妙化しており、当社グループの取り組みの範囲を超える予期せぬ事態による情報流出事故等が発生した場合、行政処分による課徴金や刑事訴訟による罰金、民事訴訟による損害賠償金等を課せられ、当社グループの財政状態に影響を及ぼすだけでなく、社会的信用の低下を招く可能性があります。 13. 製品品質リスク当社グループは、国内外生産拠点において、国際品質マネジメント規格や各業界で求められる基準に従い、多様な製品の品質マネジメントを実施しています。また、独自に保有する品質技術や過去から蓄積する品質トラブルデータを活用し、製品の企画、設計、試作、製造の各段階での設計審査、内部監査、サプライヤーとの協力関係構築・品質監査・指導、工程管理等を通じて製品の信頼性や安全性を十分に確保するため、品質管理体制の構築を図っているほか、各拠点における検査自動化、人材育成を継続的に推進しています。しかしながら、当社グループの取り組みの範囲を超える予期せぬ事態により、品質上の不具合(規制物質含有を含む)や不正が発生した場合、回収コストや賠償費用が発生し、当社グループの財政状態に影響を及ぼすだけでなく、社会的信用の低下を招く可能性があります。 14. 環境問題に関するリスク当社グループの事業は、国内外で様々な環境関連法令の適用を受けており、それらの法令に基づき、環境保全活動を行っています。子会社であるグールド・エレクトロニクス社(米国法人、以下、「グールド社」という。)は、過去の事業において生産拠点を展開していた米国内の地域における環境問題に関連して、米国スーパーファンド法等の環境法令に基づき特定のサイトについて潜在的責任当事者として浄化作業を中心とする環境対策等に関する責任の対象とされています。同社の最終的な負担額は、地域指定の原因となった物質の量及び性質、他の潜在的責任当事者の総数及びその財政状態、対応工事の方法及び技術、環境法令の改正、物価の動向など多くの要因に左右され、相応に多額となる可能性があります。グールド社は、上記に関しては、合理的な見積りに基づき引当計上を行っていますが、上記要因により実際の負担額が引当額を上回り、結果として、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループは長年の事業活動の結果、全国各地に休廃止鉱山を所有しています。鉱山保安法に基づき、それらの休廃止鉱山の坑廃水処理などの活動を実施していますが、関連法令の改正や自然災害等が発生した場合には、休廃止鉱山の管理に要する費用が変更となる可能性があります。上記負担額に関しては、合理的な見積りに基づき引当計上を行っていますが、上記要因により実際の負担額が引当額を上回る可能性があり、この場合、当社グループの経営成績及び財政状態に重大な影響が生じる可能性があります。 15. 役員・大株主・関係会社等に関する重要事項等当連結会計年度末日現在、ENEOSホールディングス株式会社(以下、「ENEOSホールディングス」という。)が所有する当社株式の割合は、42.38%です。なお、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 36.後発事象」に記載の本株式交換により、本株式交換効力発生日(本年6月1日)後、ENEOSホールディングスが所有する当社株式の割合は、41.29%です。また、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 36.後発事象」に記載の自己株式の公開買付けにより、同社が所有する当社株式の割合は、35.28%となる予定です。当社グループとENEOSグループとの間には事業上の競合及び当社グループの経営において事前にENEOSホールディングスの承認を要する事項等はありませんが、当社は引き続き経営意思決定の透明性・公正性を確保すべく、取締役11名のうち独立社外取締役を5名選任しているほか、委員の過半数かつ議長を独立社外取締役で構成する指名・報酬諮問委員会において、当社取締役の選解任及び役員報酬に関連する重要事項について審議しています。なお、当社は、ENEOSホールディングスの監査等委員である取締役を務める塩田智夫氏を監査等委員である取締役として選任していますが、当該人事は、上場会社の監
経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析4,852
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】文中における将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものです。 (1) 経営成績等の状況の概要当社グループを取り巻く環境当期における世界経済は、米国の関税政策や中東における紛争等の地政学的リスクの高まりが重石となり、全体としては緩やかな拡大にとどまりました。国際的な通商・投資環境においては、関税措置や輸出管理規制・投資規制の強化等が複合的に作用し、企業活動を取り巻く環境は従来以上に不確実性の高い状況となりました。こうした影響を受け、世界経済は成長率の下振れリスクが意識される局面が続きました。国内経済は、米国の関税政策を巡る不透明感が企業収益や輸出動向に影響を及ぼしたものの、所得環境の改善を背景に個人消費には持ち直しの動きがみられるなど、内需を中心に緩やかな回復基調となりました。円の対米ドル相場は、米国関税政策に伴う市場の不透明感等を背景に、期初には1米ドル当たり140円近辺まで円高が進行しました。その後は、米国経済の堅調な推移に加え、日本において実質的な金融緩和状態が継続したことなどから円安基調へと転じ、当期末には160円、期平均では前年同期比2円高の151円となりました。銅の国際価格(LME〔ロンドン金属取引所〕価格)は、期初は1ポンド当たり438セントから始まり、米国における銅への関税賦課を巡る懸念に加え、海外鉱山でのトラブル等による供給不安、さらには米国の利下げ観測等を背景とした投機資金の流入等を受け、概ね上昇基調で推移しました。2026年1月29日には当時の史上最高値となる1ポンド当たり628セントを記録しました。その後は高値圏での調整局面を経て、当期末には1ポンド当たり552セント、期平均では前年同期比66セント高の1ポンド当たり491セントとなりました。半導体市場は、旺盛なAI関連投資を背景に、データセンターにおけるAIサーバやネットワーク機器向け需要の拡大を受け、大きく成長しました。ネットワーク機器では、光通信領域の拡大もみられました。情報通信市場は、スマートフォンやパソコン・タブレットにおいて、Windows11への移行やAI機能搭載等に伴う更新需要を背景に、堅調に推移しました。これらを背景に、当社グループを取り巻く事業環境は、米国の関税政策や地政学的リスク等による不確実性が続く一方で、AI関連投資の力強い拡大に支えられる状況となりました。このような経営環境の中、当社の成長戦略のコアであるフォーカス事業の成長をさらに加速させる取組みや、ベース事業における資本効率を意識した事業の強靭化など、「JX金属グループ2040年長期ビジョン」(長期ビジョン)の実現に向けた各施策を推進しました。また、2026年3月26日には、半導体分野をはじめとする先端材料の新たな中核拠点としてひたちなか工場を開業しました。本工場では、AIデータセンター向けを中心とした先端ロジック半導体や先端メモリ半導体(HBM等)の需要拡大を見据え、半導体用スパッタリングターゲット等の供給力強化に加え、研究開発や新規事業の創出を通じて、先端半導体サプライチェーンにおける競争力の向上を図っていきます。 ① 財政状態及び経営成績の状況a. 経営成績当連結会計年度における当社グループの売上高は、円高に伴う減収要因はあるものの、半導体用スパッタリングターゲットや圧延銅箔等の主力製品の増販、銅価の上昇等を主因として、前期比23.7%増の8,846億円となりました。営業利益は、前期比625億円増の1,750億円となりました。金融収益と金融費用の純額59億円を差し引いた結果、税引前利益は、前期比616億円増の1,691億円となり、法人所得税費用403億円を差し引いた当期利益は、前期比474億円増の1,287億円となりました。なお、当期利益の内訳は、親会社の所有者に帰属する当期利益が1,046億円、非支配持分に帰属する当期利益が241億円となりました。セグメントごとの経営成績は次のとおりです。 (半導体材料セグメント)円高による減益要因はあるものの、AI関連需要の拡大は継続、データ生成量の増加に対応する大容量データ保存、データ通信高速化等のニーズが高まり、先端ロジック半導体やメモリ需要は高い水準で推移しました。これにより、半導体用スパッタリングターゲットをはじめとする主要製品の増販を主因に、前期比増益となりました。こうした状況のもと、半導体材料セグメントの当期における売上高は、前期比20%増の1,772億円となりました。営業利益は前期比128億円増益の395億円となりました。 (情報通信材料セグメント)円高及び2024年8月に実施したタツタ電線株式会社の連結子会社化に伴う負ののれん発生益の剥落等による減益要因はあるものの、スマートフォンの需要回復を受けた圧延銅箔の増販及びAIサーバ用途におけるチタン銅をはじめとする当社高機能銅合金の採用拡大により、前期比増益となりました。これに加えて、収益性向上、生産性改善等を目的に推進した収益構造改革も増益に寄与しています。こうした状況のもと、情報通信材料セグメントの当期における売上高は、前期比20%増の3,187億円となりました。営業利益は前期比64億円増益の315億円となりました。 (基礎材料セグメント)円高及び2024年7月に実施したSCM Minera Lumina Copper Chile(以下、「MLCC」という。)株式の一部譲渡による譲渡益の剥落及び持分法投資利益の一部剥落等による減益要因はあるものの、銅価等の上昇及びMLCCにおける繰延税金資産の計上による持分法投資利益の増益を主因に前期比増益となりました。また、金属・リサイクル事業においては、足許の銅精鉱買鉱条件が著しく悪化していることから、当社グループが運営する製錬所において減産措置を実施する方向で検討を進めています。こうした状況のもと、基礎材料セグメントの当期における売上高は、前期比33%増の4,079億円となりました。営業利益は前期比649億円増益の1,395億円となりました。 b. 財政状態① 資産 当連結会計年度末における資産合計は、営業債権及びその他の債権、棚卸資産、有形固定資産、持分法で会計処理されている投資の増加等により、前連結会計年度末比2,223億円増加の1兆5,053億円となりました。② 負債連結会計年度末における負債合計は、営業債務及びその他の債務、借入金、引当金の増加等により、前連結会計年度末比958億円増加の6,671億円となりました。有利子負債残高は、前連結会計年度末比230億円増加の3,243億円となり、また、手元資金等を控除したネット有利子負債は同150億円増加の2,579億円となりました。③ 資本連結会計年度末における資本合計は、配当金の支払いによる減少等があったものの、当期利益の計上等により、前連結会計年度末比1,265億円増加の8,383億円となりました。 なお、親会社所有者帰属持分比率は前連結会計年度末比0.3ポイント増加し48.3%、1株当たり親会社所有者帰属持分は前連結会計年度末比120.86円増加の784.44円、ネットD/Eレシオ(ネット・デット・エクイティ・レシオ)は前連結会計年度末比0.04ポイント改善し、0.36倍となりました。 ② キャッシュ・フローの状況現金及び現金同等物の当連結会計年度末残高は、前連結会計年度末に比べ80億円増加し、663億円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は、次のとおりです。 (営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動の結果、資金は1,075億円増加しました(前期は2,154億円の増加)。これは、営業債権及びその他の債権、棚卸資産の増加、法人所得税の支払等の資金減少要因があったものの、税引前利益の計上、配当金の受取、営業債務及びその他の債務の増加等の資金増加要因が上回ったことによるものです。 (投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動の結果、資金は773億円減少しました(前期は221億円の減少)。これは、主に有形固定資産の取得等による資金減少が要因です (財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動の結果、資金は249億円減少しました(前期は1,722億円の減少)。これは、主に配当金の支払等の資金減少が要因です。(2) 生産、受注及び販売の実績a.生産実績及び受注実績当社グループの生産・販売品目は広範囲かつ多種多様であり、また連結会社間の取引が複雑で、報告セグメントごとの生産実績及び受注実績を正確に把握することは困難なため、当社の主要な品目等についてのみ「(1) 経営成績等の状況の概要」において、各報告セグメントの業績に関連付けて記載しています。 b.販売実績当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。 セグメントの名称売上高(百万円)前年同期比(%)半導体材料177,195119.7情報通信材料318,744120.2基礎材料407,877133.1その他9,811110.7調整額△28,989213.5連結財務諸表計上額884,638123.7 (注) 1.セグメント間の取引については、各セグメントに含めて表示しています。2.主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合相手先前連結会計年度当連結会計年度金額(百万円)割合(%)金額(百万円)割合(%)パンパシフィック・カッパー㈱204,47928.6321,41136.3 (3) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容① 重要な会計方針及び見積り当社グループの連結財務諸表は、IFRSに基づき作成しています。連結財務諸表の作成に当たって、過去の実績や状況を踏まえ、合理的と考えられる様々な要因を考慮したうえで、見積り及び判断を行っていますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果はこれらの見積りと異なる場合があります。詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 3.重要性がある会計方針」及び「同 4.重要な会計上の見積り及び判断」をご参照ください。 ② 経営成績等の状況に関する分析・検討内容経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容については、「(1)経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」及び「(1)経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載しています。 ③ 資本の財源及び資金の流動性について当社グループでは、運転資金及び設備投資等の資金需要に対して、自己資金や必要に応じ金融機関からの借入等で資金調達を行っています。また、子会社の資金調達については、グループ資金の効率性確保の観点から原則として当社が実施し、当社から当社グループ子会社に貸付けを実施いたします。当社グループでは、グループ資金を当社が集中して管理し、グループ全体としての資金の効率的な調達・運用を実現しています。 ④ 経営成績に重要な影響を与える要因経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりです。 ⑤ 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標につきましては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりです。 ⑥ 経営者の問題意識と今後の方針経営者の問題意識と今後の方針につきましては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりです。
サステナビリティに関する考え方及び取組11,766
2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】(1) ガバナンス・サステナビリティ推進体制当社グループはこれまでも様々な社会貢献活動や環境保全活動を実施してまいりましたが、サステナビリティに対する世界的な潮流を受けて、組織的対応を強化し、全社的視点でサステナビリティ経営に取り組む必要があることから、2020年10月、サステナビリティへの取り組みを統括する「ESG推進部」を発足し、関連会議体を整備しました。2025年4月には、同部の機能を「コーポレートコミュニケーション部」内に設置する「サステナビリティ推進室」に移管し、情報発信と社内伝達の機能を従前以上に強化していくこととしています。 ・サステナビリティ推進会議社長の諮問機関である「サステナビリティ推進会議」では、サステナビリティへの対応に関する基本方針や活動計画、及びそれらのモニタリングを行っています。サステナビリティ推進会議は社長を議長、当社の経営会議のメンバー(社長が指名した執行役員)を構成員、常勤監査等委員及び社外取締役をオブザーバーとし、原則として年2回開催されます。サステナビリティに関わる重要事項については、取締役会・経営会議に適宜、付議・報告しています。また、サステナビリティ活動のグループ全体における推進・浸透を図るため、下部機関として、各部門、グループ会社等のサステナビリティ推進責任者により構成される「サステナビリティ推進責任者会議」を設置しています。 ・委員会の設置サステナビリティ推進会議の委任に基づき、活動の分野に応じて下記委員会を設置しています。各委員会における審議結果等はサステナビリティ推進会議にて報告します。① コンプライアンス委員会当社グループにおけるコンプライアンス推進のための教育その他の諸施策及び活動計画の策定、当社グループ各社におけるコンプライアンス推進状況のレビューを行います。事務局を当社法務部として、年2回及び必要の都度開催しています。 ② 安全・環境委員会当社グループの安全衛生・環境保全に関する活動計画の策定、当社グループ各社における安全衛生・環境保全に関する活動状況のレビューを行います。事務局を当社環境安全部として、年2回及び必要の都度開催しています。 ③ カーボンフリー委員会当社グループにおけるCO2ネットゼロに向けた取り組み推進のための活動方針及び活動計画その他諸施策の策定、当社グループ各社におけるCO2ネットゼロに向けた取り組みの推進状況のレビューを行います。事務局を当社サステナビリティ推進室として、年2回及び必要の都度開催しています。 (2) リスク管理事業を取り巻く様々なリスクに関して、将来予測や内外の環境変化を踏まえて特定・分析及び評価を行い、回避・低減・移転・保有等の対応を実施しています。当社グループでは、当社経営会議において重要リスクの決定、各重要リスクの対応計画の承認及びそれらのモニタリングを実施しています。また、当社総務部リスクマネジメント室が、当社及び当社グループのリスクマネジメントの総括に関する業務を分掌し、全社的リスクマネジメントの推進を担っています。詳細については「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」をご確認ください。 (3) 戦略・指標及び目標当社グループでは、「JX金属グループフィロソフィー」に基づき、2040年の当社の在りたい姿を示した長期ビジョンの達成に向けて、マテリアリティを特定しています。各マテリアリティはKPIを設定し、サステナビリティ推進会議にて達成度合いを測定・評価しながら運用しています。 ・マテリアリティの特定プロセス2018年に下記ステップにより10項目の「CSR重要テーマ」を特定し、その後、2020年には長期ビジョンの策定を踏まえて見直しを行い、その達成に向けた優先課題として6項目の「マテリアリティ」へと再整理しました。 ・マテリアリティ(重要課題)とKPI(重要業績評価指標)Environmentマテリアリティ①:地球環境保全への貢献2025年度目標KPI2025年度実績・進捗リサイクル原料比率:リサイクル原料品目の拡大(対象:JX金属グループ)銅製錬におけるリサイクル原料比率(原料投入比率若しくは製品中の含有比率)を2040年に50%に引き上げる目標に向け、リサイクル原料増処理に向けた設備増設や新規プロセスの調査・試験などに取り組みました。マスバランス方式を活用した2種類の100%リサイクル電気銅(PCL100/mb及びMR100/mb)について、複数のお客様とリサイクル原料の増集荷等を伴う取引を開始しました。CO2自社総排出量:2050年度CO2ネットゼロ、2030年度50%削減(2018年度比)に向けた取り組みの推進(対象:JX金属グループ)目標達成に向け発足したカーボンフリー委員会を通じた活動を継続し、各拠点でのCO2フリー電力の導入やネットゼロに向けた事業部別のロードマップの作成をはじめとする脱炭素に向けた各種取り組みを推進しました。目標達成に向けて各拠点でのCO2フリー電力の継続使用や、新規技術導入の検討を継続して行いました。また、カーボンフリー委員会を通じてScope3排出量削減に向けた検討を開始しました。■当社グループ Scope1,2排出量の推移(2025年度実績は集計中) 2022年度2023年度2024年度Scope1(国内合計)千t-CO2386376370Scope2(国内合計)千t-CO2193183170Scope1(海外合計)千t-CO215210710Scope2(海外合計)千t-CO2665147Scope1合計千t-CO2538484381Scope2合計千t-CO2259235217合計千t-CO2797718597 ※Scope1はエネルギー(燃料)、廃棄物(廃油、廃プラ、汚泥、木くず)焼却及び還元剤・中和剤・黒鉛電極・リサイクル原料由来分をCO2換算しています。CO2排出係数は各年度において適用される地球温暖化対策推進法の係数を使用しています。※Scope2は電気及び熱由来分をCO2換算しています。第三者より供給された熱エネルギー(蒸気、温水、冷水)を含みます。Scope2算出のために適用する排出係数は、国内グループ及び海外グループでそれぞれ以下のように適用しています。国内グループ:環境省、経済産業省が公表する最新の電気事業者別の調整後排出係数を適用海外グループ:現地の電力会社、国が公表する排出係数又は国際エネルギー機関(IEA)が発行する「IEA Emission factors 2024」が公表する国別排出係数を適用※温室効果ガス排出量の定量化は、活動量データの測定、及び排出係数の決定に関する不確実性並びに地球温暖化係数の決定に関する科学的不確実性にさらされています。 埋立処分比率:1%未満(対象:JX金属グループ)環境に及ぼす影響を最小限に抑えることを目的として、廃棄物を削減すべく埋立処分比率1%未満を維持する目標を掲げています。2024年度の埋立処分比率は0.59%(速報値)でした。※タニオビス社の埋立処分量の絶対値は他拠点と比べて大きく、かつリサイクルも技術的に大変困難です。そのためタニオビス社以外の拠点の削減効果を適切に反映すべくタニオビス社を除外したバウンダリでKPIを運用しています。なお、タニオビス社を含めた数値は現在算定中です。 Socialマテリアリティ②:くらしを支える先端材料の提供2025年度目標KPI2025年度実績・進捗研究開発費における先端材料・新規事業に関わる研究開発費比率[2025年度:80%以上]2025年度の先端材料・新規事業に関わる研究開発比率は94%となりました。今後も当該領域を中心に、成長加速を見据えた積極的な研究開発投資を行います。技術立脚型経営を支える体制の構築成長領域であるデータインフラ材料分野の事業化を加速するため、「先端材料事業本部」に「データインフラ材料事業推進部」を新設しました。 生成AIを活用した働き方の改革、AI活用文化・企業風土の醸成 生成AI(Copilot等)の全社展開及び活用促進を着実に推進し、文書作成や会議、ナレッジ活用等における業務効率化を実現しました。一部では、月次での時間削減効果も確認されるなど、生産性向上に寄与しています。加えて、役員・社員向け勉強会やユースケース創出を通じて活用理解が大きく進展し、AIを活用した業務改善に自律的に取り組む文化の醸成が進みました。 マテリアリティ③:魅力ある職場の実現2025年度目標KPI2025年度実績・進捗人と組織の活性化に向けた取り組みの実施従業員意識調査を実施し、社員の声を積極的に取り入れ、働きがいのある職場環境づくりに努めるとともに、社内公募制度やカムバック制度の導入等によって人材の流動化を支援するなど、組織全体の活性化を図る取り組みを進めています。年休取得率の向上:80%以上(対象:JX金属)年休を取得しやすい職場環境の醸成や年休奨励日の増設などの取り組みの継続実施により、年休取得率は85.8%となりました。今後も更なる取得率向上に向けた働きかけを実施してまいります。障がい者雇用率の維持・向上:2.7%以上(対象:JX金属、特例子会社(注)含む)2025年度の障がい者雇用率は2.87%となりました。今後も障がい者雇用率の維持・向上を目指すとともに、障がいのある方が充実した社会生活を送れるよう、積極的な支援と各種施策を展開していきます。重大な労働災害発生の低減:年千人率(休業4日以上)0.70以下(対象:JX金属グループ)2025年の年千人率は1.07となりました。災害発生の事実を厳粛に受け止め、昨年度に引き続き、リスクアセスメントの実効性向上や、事故原因究明のための従業員の能力向上等を通じて、安全衛生マネジメントシステムの継続的な改善に取り組むとともに労働災害防止に努めていきます。健康増進に向けた取り組み:がん検診受診率80%以上(対象:JX金属)2025年度受診率は前年度(83.5%)から上昇し、85.7%となりました。従来JX金属に所属する社員を対象に行ってきており、その効果は年々表れています。今後も引き続き、かかる諸施策(がん検診が備わった定期健康診断・人間ドックコースの設定、本社・各箇所健康相談室によるフォロー、がん検診推奨リーフレットの配布等)を社内に展開していくことで、社員の健康意識を高め、受診率向上につなげていきます。 (注) 障がい者の雇用促進と安定を目的として設立される子会社 マテリアリティ④:人権の尊重2025年度目標KPI2025年度実績・進捗サプライチェーンにおける人権調査の実施原料の調達においてOECDガイダンスに準拠したサプライチェーン・デュー・デリジェンスのマネジメントシステムを構築し、運用しています。2025年度も銅、金、銀、プラチナ、パラジウム、タンタルについて、監査法人による外部監査を受審し、適切な運用を実施していると認められました。人権研修の受講率:100%(対象:JX金属)人権の尊重を企業行動規範や人権方針、その他社内規則に定めるとともに、グループ各社にて、人権意識の向上と人権問題の発生防止を目的として、人権研修やeラーニングを継続実施しています。2025年度も、役員・従業員を対象として、主に職場におけるハラスメントをテーマに、人事部・法務部が共同で制作したeラーニング研修と、約20分の動画研修を行い、受講率は100%でした。 マテリアリティ⑤:地域コミュニティとの共存共栄2025年度目標KPI2025年度実績・進捗事業活動の基盤である地域社会との信頼関係の構築国内外の各事業拠点において地域に根差した社会貢献活動や地域とのコミュニケーションを行うことにより、事業活動の基盤となる地域社会との信頼関係構築に努めました。 Governanceマテリアリティ⑥:ガバナンスの強化2025年度目標KPI2025年度実績・進捗事業特性・社会動向等を踏まえたコンプライアンス研修の実施当社グループでは、役員・従業員のコンプライアンス知識・意識向上を目的として毎年度コンプライアンス研修を実施しています。前年度に引き続き、グループ全体のコンプライアンス研修(テーマ:コンプライアンスとは/反社対応/インサイダー取引防止)、階層別のコンプライアンス研修及び分野別のコンプライアンス研修をそれぞれ事業特性や社会動向等を踏まえ実施しました。品質管理教育の実施[2025年度教育受講者数:500名以上] 2025年度の教育受講者数は約400名でした。2025年度は費用削減を目的とした教育の内製化(ENEOS総研から戦略技研への移管)、従来プログラムの見直し、e-ラーニング化の準備を重点的に進め、教育実施回数を縮小したことから、受講者を400名に限定しました。現在、e-ラーニング化も計画どおり進捗しているため、2026年度は受講者数500名を目標に活動します。重大なセキュリティインシデントの発生0件ISMSに基づくリスクアセスメント・監査・教育等を通じて組織的・人的・物理的・技術的対策の強化と維持に取り組み、2025年度における重大なセキュリティインシデントの発生は0件でした。サイバー攻撃の増加・高度化などセキュリティリスクが増大していることを踏まえ、今後も平時の予防対策強化に加え、インシデント発生時のレジリエンス強化に継続的に取り組みます。全社的リスクマネジメント体制の着実な運用当社グループでは、リスクマネジメントのガイドラインである「ISO31000」を参考にして構築した全社的リスクマネジメント(ERM)に基づく活動に取り組んでいます。2025年度も、ERMを企業価値の向上により資する取り組みとするべく定めた「JX金属グループのERMのあるべき姿」の達成に向け、ERMの仕組みの継続的な改善に取り組みました。改善にあたっては、外部機関の成熟度モデルを活用し現状とのギャップを分析した上で、従来の運用改善や対策となる施策を企画・実施しました。 ・マテリアリティの改定(2025年度)2025年度は、事業ポートフォリオ戦略の進展や、上場等の経営を取り巻く環境の変化、フィロソフィーの策定等を背景に、マテリアリティの改定について検討しました。改定に当たっては、既存のマテリアリティをベースとしつつ、経済産業省の推進する「SX(サステナビリティ・トランスフォーメーション)
コーポレート・ガバナンスの概要10,082
(1) 【コーポレート・ガバナンスの概要】① コーポレート・ガバナンスに関する基本的な考え方当社は、当社グループ全体でコーポレートガバナンスの強化に取り組むことにより、経営の健全性と透明性を高め、経営基盤の強化、維持に資することを通じて、当社グループの持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を図り、株主をはじめとするステークホルダーへの責任を果たします。なお、当社は、当社グループのコーポレートガバナンスに対する基本的な考え方と方針を取り纏めた「JX金属グループ コーポレートガバナンスに関する基本方針」を策定しています。 ② 企業統治の体制の概要及び当該企業統治の体制を採用する理由当社は、監査等委員である取締役が取締役会における議決権を有することにより、監査役設置会社と比較して、取締役会の監督機能が強化されるものと判断し、監査等委員会設置会社を採用しています。また、取締役の指名・報酬等に係る手続の客観性・透明性を強化し、コーポレートガバナンスの一層の充実を図るため、指名・報酬諮問委員会を設置しています。さらに、迅速な意思決定及び業務執行の効率化を図るため、執行役員制度を導入しています。 (取締役/取締役会)a. 取締役の責務取締役は、株主をはじめとするステークホルダーとの適切な協働を確保しつつ、株主共同の利益のために、当社の持続的な成長及び中長期的な企業価値の向上に努めます。 b. 取締役会の役割取締役会は、法令及び定款に定められた事項、その他経営上の重要事項を審議するとともに、業務執行の状況の監督機能を担います。 c. 取締役会の構成取締役会は、活発で建設的な議論・意見交換ができる適切な員数を維持し、その役割・責務を実効的に果たすための知識・経験・能力を全体としてバランス良く備え、多様性にも配慮し、メンバーを構成します。また、取締役のうち3分の1以上を独立した社外取締役として選任し、より透明性の高い経営を目指します。なお、本書提出日現在においては、監査等委員でない取締役6名(男性5名、女性1名)及び監査等委員である取締役5名(男性4名、女性1名)の11名で構成されています。また、取締役会内部の相互監督機能の一層の強化を図る目的で、独立社外取締役を5名(監査等委員でない取締役2名、監査等委員である取締役3名)選任しています。また、当社は、2026年6月26日開催予定の定時株主総会の議案(決議事項)として「監査等委員でない取締役4名選任の件」及び「監査等委員である取締役2名選任の件」を提案しており、当該議案が原案どおり承認可決された場合の当社の取締役会の構成は、監査等委員でない取締役4名(男性3名、女性1名)及び監査等委員である取締役5名(男性4名、女性1名)の9名となり、独立社外取締役は5名(監査等委員でない取締役2名、監査等委員である取締役3名)となります。 d. 取締役会の運営取締役会は、定時取締役会に加えて、臨時取締役会を必要に応じ開催し、機動的な意思決定をなしうる体制を整えます。重要な業務執行の決定及び業務執行の状況の監督のために必要かつ十分な議論を可能とするため、取締役会の議題及び審議時間を適切に設定するとともに、議題表及び審議資料は、事前に取締役に提供します。 取締役会は原則月1回定例で開催しますが、当事業年度においては、合計17回開催しており、個々の取締役の出席状況は次のとおりです。なお、当事業年度においては、役員向け株式報酬制度(RS信託)の導入及び同信託の受託者による当社株式取得に関する事項、取締役会の実効性評価、政策保有株式の保有意義の検証、JX金属グループフィロソフィーの制定、JX金属グループのマテリアリティ改定等について審議しました。 役職名(注1)氏名取締役会出席状況代表取締役会長村山 誠一全17回中17回(100%)代表取締役社長社長執行役員林 陽一全17回中17回(100%)取締役副社長執行役員菅原 静郎全17回中17回(100%)取締役副社長執行役員太内 義明全17回中17回(100%)社外取締役所 千晴全17回中17回(100%)社外取締役伊藤 元重全17回中17回(100%)取締役常勤監査等委員黒岩 源洋全17回中17回(100%)社外取締役監査等委員佐久間 総一郎全17回中17回(100%)社外取締役監査等委員二宮 雅也全17回中17回(100%)社外取締役監査等委員川口 里香全17回中17回(100%)社外取締役監査等委員塩田 智夫全17回中17回(100%) (注) 役職名・構成は2026年3月31日時点のものです。 e. 取締役会及び取締役の情報入手等取締役会における活発で建設的な議論・意見交換を実現するため、取締役会事務局は取締役及び取締役会に対する適切な支援を行います。また、取締役は、その役割及び責務を果たすために、必要があるときは会社に対して追加の情報提供を求めることができるものとします。 (監査等委員会)a. 監査等委員会の役割監査等委員会は、監査等委員が取締役としてそれぞれ有する取締役会における議決権の行使及び監査等委員でない取締役の人事・報酬に関する意見陳述権の行使を通じて、業務執行の状況の監督を行います。また、各監査等委員は、経営の健全性の確保及び当社の企業価値の向上を図るため、監査等委員会が定めた監査の方針、監査計画等に従い、取締役会その他の重要な会議に出席し、取締役、執行役員及び使用人等からその職務の執行状況について報告を受け、必要に応じて説明を求め、重要な決裁書類等を閲覧し、本社及び主要な拠点において業務及び財産の状況を調査します。 b. 監査等委員会の構成監査等委員会は、その委員の過半数を、豊富な知識・経験に加え、強固な独立性を有する社外取締役である監査等委員で構成します。また、監査等委員会には財務・会計・法務に関する知識を有する委員が含まれるものとします。なお、本書提出日現在においては、4名の社外取締役を含む監査等委員である取締役5名(男性4名、女性1名)で監査等委員会を構成しています。また、当社は、上記のとおり、2026年6月26日開催予定の定時株主総会の議案(決議事項)として「監査等委員である取締役2名選任の件」を提案しており、当該議案が原案どおり承認可決された場合の当社の監査等委員会の構成は、引き続き監査等委員である取締役5名(男性4名、女性1名)となります。 c. 監査等委員会の実効性の確保監査等委員会の職務を補助する専担の組織を設置します。また、会計監査人や内部監査部門から監査計画及び各監査結果につき定期的に報告を受けるとともに、意見・情報の交換を行うなどの連携を図ります。この点、常勤の取締役である常勤監査等委員が経営会議や各種委員会等の重要な会議に出席し、財務報告や職務の執行状況の妥当性等を確認の上、監査の有効性を保つように努めています。監査等委員会は、原則として毎月1回開催されており、議長は、常勤監査等委員が務めています。 (指名・報酬諮問委員会)a. 指名・報酬諮問委員会の役割当社は、当社の取締役の指名・報酬等に係る手続の客観性・透明性を強化し、コーポレートガバナンスの充実を図るため、取締役会の諮問機関として、指名・報酬諮問委員会を設置しています。指名・報酬諮問委員会は、取締役会の諮問に基づき、以下の事項を審議の上、取締役会に答申します。・当社の取締役の人事案(選解任を含む)・当社の取締役・執行役員の報酬決定方針、報酬制度・当社の社長の後継者計画・その他、当社の取締役の選解任・役員報酬に関連する重要事項 b. 指名・報酬諮問委員会の構成指名・報酬諮問委員会は、取締役会の諮問機関として、独立社外取締役が過半数を占め、かつ議長を務めます。なお、指名・報酬諮問委員会には、監査等委員会が株主総会において監査等委員でない取締役の指名・報酬に関する意見陳述権を的確に行使できるよう、常勤監査等委員の出席を認めています。指名・報酬諮問委員会は、審議すべき事項が生じた際に開催され、当事業年度においては合計4回開催しており、個々の取締役の出席状況については次のとおりです。なお、当事業年度においては、指名に関する事項として、取締役のスキルマトリクス、社長を含む取締役の後継者計画及び役員人事案等について、報酬に関する事項として、役員報酬制度(短期業績連動報酬に係る業績係数、監査等委員でない取締役の個人別の報酬等の内容の決定方針の改正、株式報酬制度の導入等に関する事項)等について審議しました。 役職名氏名指名・報酬諮問委員会出席状況社外取締役(議長)伊藤 元重4回中4回(100%)社外取締役佐久間 総一郎4回中4回(100%)社外取締役二宮 雅也4回中4回(100%)代表取締役会長村山 誠一4回中4回(100%)代表取締役社長林 陽一4回中4回(100%) 当社は、上記のとおり、2026年6月27日開催予定の定時株主総会の議案(決議事項)として「監査等委員でない取締役4名選任の件」及び「監査等委員である取締役2名選任の件」を提案しています。当該議案が原案どおり承認可決された場合、かつ、当該定時株主総会の直後に開催される取締役会における決議事項が承認可決された場合の当社の指名・報酬諮問委員会の構成は、以下のとおりとなる予定です。 役職名氏名社外取締役(議長)伊藤 元重社外取締役佐久間 総一郎社外取締役二宮 雅也取締役会長菅原 静郎代表取締役社長林 陽一 (執行役員/経営会議)当社は、取締役会の決定に基づき機動的に業務を執行する機関として、執行役員を置いています。また、社長の諮問機関として当社経営上の重要事項について協議を行うとともに、業務執行状況などに関する報告及び連絡を行うため、社長及び社長が指名した執行役員により構成された経営会議を設置しています。なお、常勤監査等委員は、経営会議に出席し、必要があると認めるときは、意見を述べることができます。 (監査部による監査)当社は、内部監査部門として他部門から独立した社長直轄の組織である監査部を設置し、内部監査を実施しています。内部監査はJX金属グループ全体を対象とし、内部監査計画に基づく通常監査、年次監査及び社長の特別な命により実施する特命監査を行うこととしています。また、内部監査の結果については、当社社長への報告に加え、定期的に経営会議及び監査等委員会に報告しています。さらに、上場子会社における当該社の監査部門による内部監査の結果についても、定期的に情報の提供を受けています。 当社のコーポレートガバナンスの体制を図示すると、以下のとおりです。 コーポレートガバナンスの体制 各機関の構成員の氏名等(◎は議長を、〇はその他の構成員を示します。)役職名(注1)氏名取締役会監査等委員会指名・報酬諮問委員会経営会議代表取締役会長村山 誠一◎ 〇 代表取締役社長社長執行役員林 陽一〇 〇◎取締役副社長執行役員菅原 静郎〇 〇取締役副社長執行役員太内 義明〇 〇社外取締役所 千晴〇 社外取締役伊藤 元重〇 ◎ 取締役常勤監査等委員黒岩 源洋〇◎(注2)(注2)社外取締役監査等委員佐久間 総一郎〇〇〇 社外取締役監査等委員二宮 雅也〇〇〇 社外取締役監査等委員川口 里香〇〇 社外取締役監査等委員塩田 智夫〇〇 常務執行役員安田 豊 〇常務執行役員中村 祐一郎 〇常務執行役員諏訪邉 武史 〇常務執行役員正木 信晴 〇常務執行役員水口 智司 〇常務執行役員小倉 靖 〇常務執行役員戸上 一郎 〇常務執行役員川口 義之 〇執行役員伊藤 孝 〇執行役員相場 玲宏 〇執行役員岡部 岳夫 〇執行役員石井 雅史 〇執行役員曽我 卓 〇 (注) 1.役職名の詳細は、(2) 役員の状況 ① 役員一覧に記載のとおりです。2.常勤監査等委員は、指名・報酬諮問委員会及び経営会議に出席し意見を述べることができます。 ③ 企業統治に関するその他の事項ア. 内部統制システムの整備の状況当社は、取締役会において定めた「内部統制システム整備・運用の基本方針」に基づき、内部統制システムの整備を行っています。また、当社は、会社法内部統制、金融商品取引法内部統制及びERMにおけるオペレーショナルリスク(業務リスク)等への対応のため、内部統制システム全般を主管する部署として内部統制部を設置し、内部統制システムの整備・運用を推進しています。 当社は、以下の基本方針に基づき、会社の業務の適正を確保するための体制(内部統制システム)を整備し、運用するとともに、その継続的な改善に努めるものとする。 1.取締役及び使用人の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制(1) 「JX金属グループ コンプライアンス基本規則」その他コンプライアンスに係る規則・プログラムを制定・運用するとともに、コンプライアンス委員会を設置し、コンプライアンスに関する状況報告を受け、諸施策の策定等を行う。また、法令・定款遵守状況の定期的な点検、コンプライアンス教育、内部監査組織である監査部による法令・定款遵守状況の監査等を実施する。(2) 内部通報制度を整備・運用し、法令違反行為の早期発見及び是正を図ることとし、内部通報制度の利用その他の適正な方法によって会社に報告をした者が当該報告をしたことを理由として不利な取扱いを受けないようにするために、こうした取扱いを禁止する旨を関連規則に明記する。(3) 取締役会において、法令、定款及び「取締役会規則」その他の規則等に基づき、その決定の適法性・妥当性及び監督の実効性の確保を図るべく、監査等委員及び社外取締役も加わった審議を行い、取締役会の決議事項とされた重要な業務執行を決定するとともに、取締役の職務の執行を監督する。(4) 財務報告の信頼性を確保するための内部統制体制を整備・運用するとともに、毎年、その有効性を評価し、必要な是正を行う。(5) 反社会的勢力との関係を遮断するため「JX金属グループ 反社会的勢力対応基本規則」を制定し、これに基づく体制整備・運用を行う。 2.取締役の職務の執行に係る情報の保存及び管理に関する体制(1) 取締役の職務の執行に係る重要な決裁、議事録等の文書その他の情報について、法令及び規則に従い、作成、保存及び管理を行うとともに、必要に応じて実施状況の検証、規則の見直し等を行う。(2) 「JX金属グループ 情報セキュリティ基本方針」を制定し、これに基づく情報セキュリティ強化のための施
役員の報酬等6,168
(4) 【役員の報酬等】① 役員の報酬等の額又はその算定方法の決定に関する方針の内容及び決定方法ア.役員の報酬等に関する株主総会の決議当社は、次のとおり取締役の報酬等の限度額等を定めています。区分種類限度額等株主総会決議株主総会の決議に係る役員の員数(名)監査等委員でない取締役固定報酬及び短期業績連動報酬1事業年度につき10億円以内(うち、監査等委員でない社外取締役分1億円以内)2023年3月期定時株主総会(2023年6月28日)7長期業績連動報酬対象:社外取締役を除く信託期間:約3年間上限金額:7億5千万円上限株式数:2,282,400株2025年3月期定時株主総会(2025年6月27日)4監査等委員である取締役固定報酬1事業年度につき4億円以内2023年3月期定時株主総会(2023年6月28日)5 イ. 取締役の個人別の報酬等の内容についての決定方針に関する事項当社は、取締役会の諮問機関であり、独立社外取締役が過半数を占め、かつ議長を務める指名・報酬諮問委員会の審議・答申を経て、取締役会において、監査等委員でない取締役の個人別の報酬等の内容の決定方針を定めています。その内容の概要は、次のとおりです。 項目概要報酬等の構成当社グループの持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を図り、株主をはじめとするステークホルダーへの責任を果たすことができるような報酬制度とするべく、経営計画の達成に対するインセンティブを高め、また、株主との価値共有をより一層強化するため、監査等委員でない取締役(社外取締役を除く。)の個人別の報酬等は、固定報酬、短期業績連動報酬及び長期業績連動報酬(株式報酬)により構成する(注)。社外取締役の個人別の報酬等は、業務執行の状況を監督するというその職責を十分に果たせるよう、固定報酬のみにより構成する。固定報酬の額の決定に関する方針(報酬等を与える時期又は条件の決定に関する方針を含む。)固定報酬は、常勤・非常勤の別、取締役・執行役員の役位及び職責等を総合的に勘案して役位ごとの年額を決定し、月割りで毎月支給する。短期業績連動報酬の内容及び額の算定方法の決定に関する方針(報酬等を与える時期又は条件の決定に関する方針を含む。)短期業績連動報酬は、単年度の期間業績等(全社業績)に係る業績指標及び個人別に設定した業績目標に対する達成度(個人評価)に連動する報酬とし、当該事業年度の終了後に支給する。全社業績に係る業績指標としては、連結営業利益及びNet Debt/EBITDA倍率を採用する。なお、代表取締役については、全社業績について最終責任を負う立場であることに鑑み、個人評価に連動する部分は設けないこととする。長期業績連動報酬(株式報酬)の内容及び額の算定方法の決定に関する方針(報酬等を与える時期又は条件の決定に関する方針を含む。)長期業績連動報酬(株式報酬)は、固定部分と、一定期間の事業目標等の達成状況に連動する部分(業績連動部分)とで構成し、固定部分については事業年度終了後に、業績連動部分については、当該期間の終了後に支給する。業績連動部分に係る指標は、連結営業利益、ROE及び株主総利回り(TSR)並びに非財務目標(職場の安全、従業員エンゲージメント及び外部機関によるサステナビリティの総合評価)を採用する。なお、支給対象となる株式は、支給後一定期間の譲渡を制限する譲渡制限付株式とする。報酬等の種類ごとの割合の決定に関する方針監査等委員でない取締役(社外取締役を除く。)について、報酬等の種類ごとの割合は、経営計画の達成に対するインセンティブを高め、また、株主との価値共有をより一層強化することを踏まえつつ、優秀な経営人材の確保の観点から競争力ある報酬構成とすることを基本方針とした上で、取締役・執行役員の役位及び職責、他社の役員報酬の構成割合等を勘案し決定する。報酬等の内容についての決定の委任に関する事項監査等委員でない取締役(社外取締役を除く。)の短期業績連動報酬のうち、個人別に設定した業績目標に対する達成度(個人評価)に連動する部分については、当社グループ全体の経営状況及び各取締役の業務執行状況全体を熟知する代表取締役社長が行うことが適切であることから、代表取締役社長にその決定を委任する。代表取締役社長は、当該権限の行使を適切なものとするための措置として、指名・報酬諮問委員会にその決定内容を報告し、意見がある場合はこれを尊重する。報酬等の内容についての決定の方法に関する事項指名・報酬諮問委員会の答申を踏まえた上で、取締役会決議に基づきその役位に応じた具体的内容(代表取締役社長にその決定を委任する「個人評価」に連動する部分を除く。)を決定する。 (注)監査等委員でない取締役(社外取締役を除く。)の各報酬の構成比率は、業績目標達成時において、固定報酬が40%、短期業績連動報酬が24%、長期業績連動報酬(株式報酬)が36%(うち固定部分が18%、業績連動部分が18%)となるように設計しています。 監査等委員である取締役の報酬等は、業務執行の状況を監督し、また監査するというその職責を十分に果たせるよう、固定報酬のみにより構成することとし、常勤・非常勤の別及び職責等を総合的に勘案して、監査等委員である取締役の協議により決定します。 なお、当社は、指名・報酬諮問委員会の審議・答申を経て、2026年5月11日付取締役会において、2026年3月期定時株主総会に付議する議案「監査等委員でない取締役4名選任の件」及びその後開催される取締役会において「代表取締役及び役付取締役の選定について」が承認可決されることを条件として、監査等委員でない取締役の個人別の報酬等の内容の決定方針を改正することを決議しています。その内容の概要は、次のとおりです。 項目概要報酬等の構成当社グループの持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を図り、株主をはじめとするステークホルダーへの責任を果たすことができるような報酬制度とするべく、経営計画の達成に対するインセンティブを高め、また、株主との価値共有をより一層強化するため、監査等委員でない取締役(社外取締役を除く。)の個人別の報酬等は、固定報酬、短期業績連動報酬及び長期業績連動報酬(株式報酬)により構成する(注)。社外取締役の個人別の報酬等は、業務執行の状況を監督するというその職責を十分に果たせるよう、固定報酬のみにより構成する。固定報酬の額の決定に関する方針(報酬等を与える時期又は条件の決定に関する方針を含む。)固定報酬は、常勤・非常勤の別、取締役・執行役員の役位及び職責等を総合的に勘案して役位ごとの年額を決定し、月割りで毎月支給する。短期業績連動報酬の内容及び額の算定方法の決定に関する方針(報酬等を与える時期又は条件の決定に関する方針を含む。)短期業績連動報酬は、単年度の期間業績等(全社業績)に係る業績指標及び個人別に設定した業績目標に対する達成度(個人評価)に連動する報酬とし、当該事業年度の終了後に支給する。全社業績に係る業績指標としては、連結営業利益及びNet Debt/EBITDA倍率を採用する。なお、代表取締役社長及び代表権の有無に関わらず取締役会長については、全社業績について最終責任を負う立場であることに鑑み、個人評価に連動する部分は設けないこととする。長期業績連動報酬(株式報酬)の内容及び額の算定方法の決定に関する方針(報酬等を与える時期又は条件の決定に関する方針を含む。)長期業績連動報酬(株式報酬)は、固定部分と、一定期間の事業目標等の達成状況に連動する部分(業績連動部分)とで構成し、固定部分については事業年度終了後に、業績連動部分については、当該期間の終了後に支給する。業績連動部分に係る指標は、連結営業利益、ROE及び株主総利回り(TSR)並びに非財務目標(職場の安全、従業員エンゲージメント及び外部機関によるサステナビリティの総合評価)を採用する。なお、支給対象となる株式は、支給後一定期間の譲渡を制限する譲渡制限付株式とする。報酬等の種類ごとの割合の決定に関する方針監査等委員でない取締役(社外取締役を除く。)について、報酬等の種類ごとの割合は、経営計画の達成に対するインセンティブを高め、また、株主との価値共有をより一層強化することを踏まえつつ、優秀な経営人材の確保の観点から競争力ある報酬構成とすることを基本方針とした上で、取締役・執行役員の役位及び職責、他社の役員報酬の構成割合等を勘案し決定する。報酬等の内容についての決定の委任に関する事項監査等委員でない取締役(社外取締役を除く。)の短期業績連動報酬のうち、個人別に設定した業績目標に対する達成度(個人評価)に連動する部分については、当社グループ全体の経営状況及び各取締役の業務執行状況全体を熟知する代表取締役社長が行うことが適切であることから、代表取締役社長にその決定を委任する。代表取締役社長は、当該権限の行使を適切なものとするための措置として、指名・報酬諮問委員会にその決定内容を報告し、意見がある場合はこれを尊重する。報酬等の内容についての決定の方法に関する事項指名・報酬諮問委員会の答申を踏まえた上で、取締役会決議に基づきその役位に応じた具体的内容(代表取締役社長にその決定を委任する「個人評価」に連動する部分を除く。)を決定する。 (注)監査等委員でない取締役(社外取締役を除く。)の各報酬の構成比率は、業績目標達成時において、固定報酬が40%、短期業績連動報酬が24%、長期業績連動報酬(株式報酬)が36%(うち固定部分が18%、業績連動部分が18%)となるように設計しています。 ウ.最近事業年度における業績連動報酬及び非金銭報酬等に関する事項a. 短期業績連動報酬に関する事項短期業績連動報酬は、単年度の期間業績等(全社業績)に係る業績指標及び個人別に設定した事業目標に対する達成度(個人評価)に連動する報酬とし、目標の達成度に応じて0%から200%の比率で変動し、目標を達成した場合に100%となるように設計しています。最終的な報酬額は、役位別に定めた基準額に目標達成率を乗じることによって決定します。業績指標、評価ウェイト及びその選定理由は次のとおりです。 業績指標評価ウェイト選定理由連結営業利益40%収益性の向上に対するインセンティブを強化Net Debt/EBITDA倍率40%財務健全性の改善に対するインセンティブを強化個人評価20%個々の職責に応じたミッションに鑑み、その達成度合いを評価 (注)1.代表取締役については、全社業績の最終責任を負う立場であることに鑑み、個人評価に連動する部分は設けていません。そのため、代表取締役の短期業績連動報酬は、連結営業利益(50%)とNet Debt/EBITDA倍率(50%)により構成されています。 2.連結営業利益が赤字になった場合は、短期業績連動報酬全部の支給率を0%とします。 2026年3月期における業績目標達成率は、次のとおりです。業績指標2026年3月期業績目標2026年3月期実績業績目標達成率営業利益1,161億円1,750億円150%Net Debt/EBITDA1.7倍1.17倍200% b. 長期業績連動報酬(株式報酬)に関する事項 当社は、長期業績連動報酬として、株式報酬制度を導入しています。本株式報酬制度は、当社が金銭を拠出することにより設定する信託(以下、「本信託」という。)が当社の普通株式(以下、「当社株式」という。)を取得し、当社が各取締役に付与するポイントの数に相当する当社株式が、本信託を通して取締役に交付されるという制度です。ただし、支給対象となる当社株式は、当該取締役の退任日までその譲渡を制限する譲渡制限付株式とします。 本株式報酬は、役位に応じた所定の数の当社株式が支給される固定部分と、一定期間の事業目標等の達成状況に連動した数の当社株式が支給される業績連動部分とで構成され、固定部分については事業年度終了後に、業績連動部分については当該期間の終了後に、本信託を通じて支給されます。固定部分と業績連動部分の構成割合は1:1とし、業績連動部分は、目標の達成度に応じて0%から190%の比率で変動し、目標を達成した場合に100%となるように設計しています。最終的な支給株式数は役位別に定められる基準ポイント数に目標達成率を乗じることによって決定します。 各業績指標に係る業績目標等は、中長期事業目標等に基づき設定しており、2028年3月期の終了後に確定します。 業績指標、評価ウェイト及びその選定理由は次のとおりです。 業績指標評価ウェイト選定理由財務連結営業利益30%収益性・成長性の向上に対するインセンティブを強化ROE30%効率性の改善に対するインセンティブを強化TSR30%株主との価値共有の一層の強化に向け、中長期的な株式価値向上に対するインセンティブを強化非財務職場の安全3%人的資本経営の実現の観点より、安心・安全かつ健康的に働ける環境の実現に対するインセンティブを強化従業員エンゲージメント3%人的資本経営の実現の観点より、従業員エンゲージメントの向上に対するインセンティブを強化外部機関によるサステナビリティの総合評価4%当社のサステナビリティに係る推進体制の維持・強化及び各種取組みの着実な実施に対するインセンティブを強化 (注) 1.TSRは、評価期間中における「当社TSR ÷ TOPIX成長率(配当利回り込み)」で算定します。2.非財務指標は、目標達成時に100%とし、非達成時には0%とします。 エ.役員区分ごとの報酬等の総額、報酬等の種類別の総額及び対象となる役員の員数役員区分報酬等の総額(百万円)報酬等の種類別の総額固定報酬(百万円)対象となる役員の員数(名)短期業績連動報酬(百万円)対象となる役員の員数(名)長期業績連動報酬(株式報酬)(百万円)対象となる役員の員数(名)監査等委員でない取締役(社外取締役を除く)449173415941174監査等委員である取締役(社外取締役を除く)33331----監査等委員でない社外取締役27272----監査等委員である社外取締役58584---- ② 役員ごとの連結報酬等の総額及び連結報酬等の種類別の額氏名役員区分会社区分連結報酬等の総額(百万円)連結報酬等の種類別の額固定報酬(百万円)短期業績連動報酬(百万円)長期業績連動報酬(株式報酬)(百万円)村山 誠一取締役提出会社1
従業員の状況1,470
(2) 【従業員の状況】(1) 連結会社の状況2026年3月31日現在セグメント従業員数(人)半導体材料2,261(27)情報通信材料4,285(138)基礎材料1,897(24)その他2,007(36)合計10,450(225) (注) 1.従業員数は就業人員数(当社グループからグループ外への出向者を除き、グループ外から当社グループへの出向者を含む。)です。 2.従業員数の( )内は、臨時従業員数です。(外数)臨時従業員は、主にパートタイマー、アルバイト等の従業員であり、派遣社員は含みません。 (2) 提出会社の状況2026年3月31日現在従業員数(人)平均年齢(歳)平均勤続年数(年)平均年間給与(税込)(円)平均年間給与の対前事業年度増減率(%)3,250(29)41.512.98,308,8178.7 セグメントの名称 従業員数(人)半導体材料1,137(6)情報通信材料846(3)基礎材料89(0)その他1,178(20)合計3,250(29) (注) 1.従業員数は就業人員数(当社から社外への出向者を除き、社外から当社への出向者を含む。)です。2.従業員数の( )内は、臨時従業員数です。(外数)臨時従業員は、主にパートタイマー、アルバイト等の従業員であり、派遣社員は含みません。3.社外からの出向者については、当社での出向受入日から起算しており、出向元での勤続年数を通算して いません。 (3) 労働組合の状況当社の労働組合はJX金属労働組合と称し、2026年3月31日現在の組合員数は3,456人です。一部連結子会社においても労働組合が組織されていますが、当社を含めて労使関係は円満に推移しており、組合と会社との間に特記すべき事項はありません。 (4) 多様性に関する指標 当連結会計年度の当社及び主要な連結子会社(注1)の多様性に関する指標は、以下のとおりです。 管理職に占める女性管理職の割合(%)(注2)男性の育児休業等取得率(%)(注3)男女の賃金格差(%)(注2)全労働者うち正規雇用労働者うちパート・有期労働者当社3.268.571.972.164.2東邦チタニウム株式会社3.679.473.479.828.0タツタ電線株式会社6.661.171.583.552.3JX金属製錬ロジテック株式会社-50.061.667.065.0JX金属コイルセンター株式会社-100.074.982.533.0JX金属商事株式会社1.950.070.370.3- (注) 1.常時雇用する労働者が101人を超える連結子会社5社を主要な連結子会社としています。2.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものです。3.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号。以下、「育児介護休業法」という。)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の6第1号における育児休業等の取得割合を算出したものです。 (5) 使用人その他の従業員のみを対象とした役員・従業員株式所有制度の内容当社は使用人その他の従業員のみを対象とした役員・従業員株式所有制度を導入しています。当該役員・従業員株式所有制度の内容については、「第一部 企業情報 第4 提出会社の状況 1 株式等の状況 (8) 役員・従業員株式所有制度の内容」に記載しています。
関係会社の状況2,092
4 【関係会社の状況】(1) 子会社 2026年3月31日現在会社の名称住所資本金(億円)主要な事業の内容議決権の所有割合(%)関係内容役員の兼任営業上の取引JX Advanced Metals USA, Inc.Chandler, U.S.A.百万米ドル5.0薄膜材料製品の加工受託・販売100.0有薄膜材料製品の販売及び加工委託債務保証JX Advanced Metals Singapore Pte. Ltd.Singapore百万米ドル0.7薄膜材料製品の販売100.0有薄膜材料製品の販売JX Advanced Metals Korea Co., Ltd.韓国平澤市億韓国ウォン24.0薄膜材料製品の製造・販売100.0有薄膜材料製品及び半製品の販売TANIOBIS GmbHGoslar, Germany千ユーロ26高機能タンタル・ニオブ材料の製造・販売100.0有薄膜材料原料の購入債務保証東京電解㈱東京都江東区1.0高機能タンタル・ニオブ材料の製造・販売100.0有薄膜材料中間品の購入及び製造委託JX METALS PHILIPPINES, Inc.Laguna,Philippines百万米ドル4.0圧延銅箔・電解銅箔の製造・販売100.0有圧延銅箔原料の販売日鉱金属(蘇州)有限公司(注1)中国蘇州市百万人民元592.8ステンレス圧延製品及び伸銅品の製造・販売100.0有伸銅品原料の販売債務保証東邦チタニウム㈱(注1,2,4)神奈川県横浜市119.6チタンの製造・販売50.4有チタンインゴットの購入非鉄金属の製造委託タツタ電線㈱大阪府東大阪市66.8電線・ケーブル、電子材料の製造・販売100.0有圧延銅箔の販売JX金属製錬㈱東京都港区1.0非鉄金属製錬受託100.0有非鉄金属の製錬委託土地・設備の賃貸借JX金属サーキュラーソリューションズ㈱(注1)東京都港区1.0リサイクル原料・リチウムイオン電池の集荷80.0有リサイクル原料の購入LiBリサイクルの試験受託債務保証eCycle Solutions Inc.(注1,3)Mississauga,Canada百万カナダドル75.6非鉄金属リサイクル原料の集荷・前処理66.0(66.0)有リサイクル原料の購入Nippon LP Resources UK Limited(注1,3)London, United Kingdom百万米ドル94.5Los Pelambres銅鉱山への投資50.1(50.1)無非鉄業界における情報収集等JX金属商事㈱東京都新宿区3.9非鉄金属製品等の販売100.0有非鉄金属地金等の販売伸銅品の販売薄膜材料製品の販売台湾日鉱金属股份有限公司(注1,3)台湾桃園市百万台湾ドル63.5伸銅品のスリット加工及び販売薄膜材料の販売及び加工受託非鉄金属リサイクル原料の集荷100.0(16.3)有伸銅品原料の販売薄膜材料製品の販売及び加工委託リサイクル原料の購入債務保証その他65社 (注) 1.特定子会社です。2.有価証券報告書提出会社です。3.議決権の所有割合の( )内は、間接所有割合で内数です。4.当社及び東邦チタニウム株式会社が実施する株式交換により、2026年6月より、当社の完全子会社となっています。これに伴い、次年度以降の有価証券報告書提出会社から対象外となっています。 (2) 持分法適用会社等 2026年3月31日現在会社の名称住所資本金(億円)主要な事業の内容議決権の所有割合(%)関係内容役員の兼任営業上の取引パンパシフィック・カッパー㈱東京都港区50.0非鉄金属製品の原料調達・製造委託・販売47.8有非鉄金属地金の販売圧延銅箔原料の購入債務保証SCM Minera Lumina Copper ChileSantiago, Chile百万米ドル6,820.3銅・モリブデン鉱石の生産・販売30.0有債務保証Minera Los Pelambres(注2)Santiago, Chile百万米ドル373.8銅・モリブデン鉱石の生産・販売25.0(25.0)有-ジェコ㈱東京都千代田区0.1Escondida銅鉱山への投資20.0有-その他14社(注1) (注) 1.有価証券報告書提出会社です。なお、上表のその他14社に含まれる有価証券報告書提出会社は、株式会社丸運です。(センコーグループホールディングス株式会社による株式会社丸運に対する公開買付けにより次年度以降有価証券報告書提出会社から対象外となっています。)2.議決権の所有割合の( )内は、間接所有割合で内数です。3.持分法適用会社等には、共同支配事業及び共同支配企業を含みます。 (3) その他の関係会社 2026年3月31日現在会社の名称住所資本金(億円)主要な事業の内容議決権の所有割合(%)関係内容役員の兼任営業上の取引ENEOSホールディングス㈱(注)東京都千代田区1,000子会社及びグループ会社の経営管理並びにこれに付帯する業務被所有42.44有 (注) 有価証券報告書提出会社です。
配当政策1,300
当社はJX金属グループ2040年長期ビジョン及び中長期事業戦略において、フォーカス事業を成長戦略のコアとして位置づけ、先端材料分野での技術の差別化や市場創造を通じて、市場成長以上の利益成長を目指しています。当社が先端材料分野における厳しい競争環境の中で成長を継続するためには、必要な成長投資を着実に実行していくことが最重要であり、中長期事業戦略においても先端材料分野への成長投資を最優先とすることを打ち出しています。特にフォーカス事業に関しては、シクリカルな事業環境においても時機をとらえた投資を速やかに実行できる安定した財務基盤を有していることが重要になってまいります。適切な投資を適切な時機に行うことにより、当社の高い成長性を継続させることが、当社の株主還元の原資となる利益拡大につながり、結果として当社株主の価値向上に資するものと考えています。上記の観点から、当社のキャピタルアロケーションの方針としては、フォーカス事業を中心とする成長投資を最優先とし、そのうえで、財務体質の改善とのバランスを取りながら、株主に適切に利益を還元してまいります。以上を踏まえて、当社の株主還元方針としては、「連結配当性向20%程度を基本とした上で、当社の想定対比で銅価が上昇した結果としてベース事業の利益が上振れた分についてはその一部も株主に還元する。」こととしています。なお、株主の皆様への還元方針を明確かつ簡潔にすることにより株主還元に対する予見性を向上するとともに、チタン事業を行う東邦チタニウムを株式交換により完全子会社化することを踏まえて銅価との連動を廃止し、安定的な配当を実現するため、2026年5月11日開催の取締役会において2027年3月期以降の株主還元方針を変更することを決議しました。新たな株主還元方針としては、「連結配当性向25%程度を基本とした上で、配当の下限を1株当たり20円とする。ただし、大規模な資産売却や自己株式の取得自社株買いを行う場合は総還元性向も考慮して別途検討する。」こととしています。なお、2027年3月期の株主還元方針については、多額の自己株式の取得を行うため、配当は下限の1株当たり20円とする見込みです。詳細は当社ウェブサイト(URL:https://www.jx-nmm.com/ir/disclosure.html)にも掲載しています。当社は、毎年9月30日を基準日とする中間配当と毎年3月31日を基準日とする期末配当の年2回の剰余金の配当を行うことを基本としており、剰余金の配当等会社法第459条第1項各号に定める事項については、取締役会の決議によって決定することができる旨を定款に定めています。その上で、これらの剰余金の配当の決定は、期末配当については株主総会、中間配当については取締役会で行うこととしています。 (2026年3月期 配当実績)当事業年度に係る剰余金の配当は以下のとおりです。決議年月日配当金の総額(百万円)1株当たり配当額(円)2025年11月11日取締役会5,5716.002026年6月26日定時株主総会(予定)23,21225.00
研究開発活動4,242
6 【研究開発活動】当社グループは、長期ビジョンとして掲げる『「装置産業型企業」から「技術立脚型企業」への転身』を実現するため、半導体材料/情報通信材料セグメントを成長戦略のコアと位置づけ、研究開発に注力しています。また、脱炭素や資源循環といった地球規模のESG課題解決に向けた製品・技術開発にも取り組んでいます。新規事業創出においては、次世代半導体材料やフォトニクス材料を初めとする先端材料分野を中心に事業ポートフォリオの拡充を目指しています。特に、データセンターやAI搭載IoTデバイスに使用される高性能半導体の製造に必要な次世代半導体材料の開発に注力をしており、また、結晶材料では当社のコア技術である高純度化、組成制御、温度制御の技術を駆使し、データセンターの増加やモバイル通信量の増加、センシング技術の高度化等に対応するための高品質な結晶材料を供給すべく体制構築を図っています。特に次世代半導体製造プロセスでの採用拡大が期待されるCVD・ALD用材料については、生産能力の増強とともに新規生産プロセスの開発、新規材料開発の強化を行っています。研究開発体制は、既存製品の改良や製造プロセスの改善など既存事業の強化を行う各事業部の開発部門と、新規事業の創出を推進する技術本部の開発部門から成り立っています。技術本部には全社的な技術戦略の企画・立案を所管する機能と、開発段階のテーマを事業化に向けて管理するインキュベーション機能、加えて当社グループのコーポレートラボの位置づけで、先端材料の開発、資源開発・製錬・リサイクルの次世代技術に関する研究開発機能を担っています。大学との共同研究などの産学連携やスタートアップ、ベンチャーキャピタルファンドへの出資など外部が保有する独自の技術と当社が保有するコア技術の融合により革新的イノベーションの創出、スピーディーな事業化へ向けた取り組みも進めています。2026年2月にはRapidus株式会社が実施する最先端ロジック半導体量産に向けた大型資金調達に当社も参画し、同社へ出資することを発表いたしました。当社は、従来より、半導体用スパッタリングターゲットなどの各種半導体材料の供給を通じてRapidus社の取り組みを支援してきましたが、今般の出資を契機に、Rapidus社との連携をさらに深化させ、顧客・サプライヤーの枠を超えた協力体制のもと、半導体製造前工程・後工程や端材・廃液などのリサイクル分野における技術力の向上も追求してまいります。また、当社はRapidus社を中心とした新たな半導体エコシステムの形成期において、半導体関係各社との連携を強化し、今後の事業展開に資する新たな知見や機会の獲得を企図しています。技術革新や市場構造の変化を的確に捉えながら、共同開発、サプライチェーン連携、新規事業の芽となるパートナーシップ形成を積極的に推進し、こうした取り組みを通じて当社半導体ビジネスの更なる拡大と価値創出につながる技術・市場機会の開拓を進めてまいります。 当連結会計年度に発生した研究開発費は19,983百万円です。報告セグメントごとの研究開発活動の状況は次のとおりです。 (1) 半導体材料セグメント高純度化技術及び材料組成・結晶組織の制御技術をベースに、半導体・電子部品用途向け製品に関する開発を進めています。半導体用スパッタリングターゲット、磁性材料用スパッタリングターゲット等の各種ターゲット材料や、化合物半導体・結晶材料、その他電子材料を中心とした新規製品開発及び関連プロセスの技術開発に継続的に取り組んでいます。特に、生成AI用などに使用される先端半導体製造プロセスにて用いられるスパッタリングターゲットにおいては、更なる品質改善に向けた取り組みとともに、昨今注目を集める先端パッケージ分野等における新規ニーズに対応するスパッタリングターゲットの開発をすすめています。また、当社が有する要素技術と試作/評価設備を応用した周辺材料の開発を、お客様、外部企業、大学との社外連携も行いながら積極的に進めています。AIデータセンター内の光通信デバイスに使われるInP(インジウムリン)基板については、大口径化の需要に対応する開発に注力しています。当セグメントに係る研究開発費は6,007百万円です。 (2) 情報通信材料セグメント精密な組成制御を実現する溶解鋳造技術、独自の結晶制御を可能にする圧延加工技術、並びにユーザーニーズに適合した評価技術を用いて、強度・導電性・加工性・耐久性に優れた高機能伸銅品の開発を進めています。半導体リードフレームやカメラモジュール用スプリングの次世代材料として、チタン系及びコルソン系新規銅合金の開発に取り組んでいます。また、今後の需要増加が見込まれるロボットや5G・6Gといった高速移動通信に使われるプリント配線板材や電磁波シールド材向けに、屈曲性、高周波特性、微細回路形成性に優れる圧延銅箔の開発に取り組んでいます。マテリアルインフォマティクス(シミュレーション、データ解析等)の活用や外部研究機関との連携を通し、開発のスピードアップを推進しています。当セグメントに係る研究開発費は5,180百万円です。 (3) 基礎材料セグメント長年の現場経験を通じて培った鉱床評価技術、低品位銅鉱石から効率的に銅を分離・回収する技術、低環境負荷技術等を活用し、現在は海外の銅鉱山やレアメタル鉱山への参画や国内の含金珪酸鉱鉱山の操業を行っています。銅製錬事業においては、2040年にリサイクル原料処理比率を50%とするグリーンハイブリッド製錬構想を掲げており、リサイクル原料を効率的に処理するための前処理プロセスを含む新規の製錬技術について試験研究を進めています。また、貴金属及びレアメタル等の回収率アップとともに、不純物許容度の高い精製プロセスの実現に向け技術開発を進めています。当セグメントに係る研究開発費は1,213百万円です。 (4) 新規事業次世代半導体に使用されるCVD・ALD用材料及び先端パッケージ材料、3Dプリンター用金属粉、銅微粉、リチウムイオンバッテリーのリサイクル及び電池材料の開発等について、事業部、関係会社等を跨ぎグループ横断で早期事業化に向けた取り組みを強化しています。CVD・ALD用材料関連では、生成AIの進化によりデータセンターやAI搭載IoTデバイスの市場が拡大し、これらの機器に必要とされる高性能半導体には、高集積化を実現するために更なる微細化や多層化が求められています。当社は2024年2月に「CVD・ALD材料事業推進室」を新設し、同材料の早期事業化を目指してまいりました。これまで同組織のもとで、新規高純度CVD・ALD材料の量産ラインを構築し、顧客へのサンプル出荷を進め、良好な評価を獲得しています。本材料の本格採用により急速な需要拡大が見込まれることから、当社は本材料の生産能力の増強を決定しました。東邦チタニウム株式会社茅ケ崎工場で生産設備増強が完了、フル操業を開始しています。さらに茨城事業所日立地区においても量産ラインの立上げが完了し、顧客への出荷を開始しています。これにより、拡大する顧客需要に対応するとともに、高性能化が加速する半導体の進化を支えてまいります。2025年10月1日付にて「先端材料事業本部」に「データインフラ材料事業推進部」を新設し、「技術本部技術戦略部」の「先端パッケージ材料事業推進室」を新組織への統合を行っています。足元、生成AIの急速な普及によって社会全体のデータ量が爆発的に増加し、それに伴い、データセンターやネットワーク機器など、データインフラを支える材料の重要性がかつてないほど高まっています。当社は2024年11月に技術本部技術戦略部内に「先端パッケージ材料事業推進室」を設置し、半導体先端パッケージ分野における製品ラインナップの拡充に取り組んできましたが、こうした外部環境の変化を踏まえ、本組織改正を行うことで、先端パッケージ材料のみならずデータインフラ用途を含む新規製品のマーケティングから量産体制構築及び事業化に向けた体制整備を進めています。新組織は、より全社的な視点で横断的なマーケティングを推進するとともに、事業本部における新規事業の受け皿としての役割を担い、事業本部全体を俯瞰しながら、新規製品の事業化に向けた最適な推進体制の検討と構築を行っています。他方、スタートアップやベンチャーキャピタルファンドへの出資も積極的に行い、2022年9月には先端材料の分野において20年以上の投資実績のあるベンチャーキャピタルファンドPangaea Ventures Impact Fund、2023年6月には独自技術の中間膜を開発している東京大学発のベンチャー企業である株式会社Gaianixxへの出資、2025年10月にはレーザー方式による核融合発電の社会実装を目指す大阪大学発のスタートアップの株式会社EX-Fusionへの出資を決定しました。これら独自の技術を有するスタートアップと当社が保有するコア技術の融合により革新的イノベーションの創出、スピーディな事業化へ向けた取り組みを進めています。また、2025年9月には株式会社レゾナックにより設立された次世代半導体パッケージのコンソーシアム「JOINT3」に参画することを発表しました。当社は、先端半導体の製造に用いられる半導体用スパッタリングターゲットをはじめ、AIデータセンター向け材料として需要が急増しているインジウムリン化合物半導体基板、チタン銅合金箔、高純度タンタル粉等、グローバル市場で高いシェアを誇る先端材料を多数保有しています。中でも半導体用スパッタリングターゲットは、前工程だけでなく、パッケージング工程の一部であるチップ間配線形成などでも需要拡大が期待されています。また、表面処理剤など、同分野への適用が期待される製品群を揃えており、今後JOINT3において世界トップクラスの各参画企業と連携し新規事業創出を推進してまいります。さらに、分析、シミュレーション及びデータ解析技術、生産技術の向上を通して、技術開発の促進、効率化、生産プロセスの最適化を図っています。新規事業及びその他の事業における研究開発費は合計で7,583百万円です。
主要な設備の状況1,513
2 【主要な設備の状況】当社グループにおける主要な設備は、次のとおりです。(1) 提出会社 2026年3月31日現在事業所名(所在地)セグメントの名称設備の内容帳簿価額(百万円)従業員数(名)建物及び構築物機械装置及び運搬具土地(面積千㎡)その他合計磯原地区(茨城県北茨城市)半導体材料薄膜材料事業設備15,37712,4595,259(286)75933,8541,191日立北工場(茨城県日立市)半導体材料薄膜材料事業設備5,1193,496316(23)839,013-日立地区(茨城県日立市)半導体材料情報通信材料基礎材料その他共通薄膜材料事業、機能材料事業、及び金属・リサイクル事業設備18,92819,2305,042(6,383)[150]2,07145,271370ひたちなか地区 (茨城県ひたちなか市)半導体材料基礎材料その他共通金属・リサイクル事業、及び薄膜材料事業設備等17,6763,6949,675(230)77431,819-倉見工場(神奈川県高座郡寒川町)情報通信材料機能材料事業設備7,70313,5833,863(196)1,12326,273569 (注) 1.現在休止中の主要な設備はありません。2.帳簿価額のうち「その他」は、その他の有形固定資産及び一部の無形資産の合計です。金額には使用権資産及び消費税は含めていません。また、連結会社以外から貸借している土地の面積は、[ ]で外書しています。3.日立北工場、及びひたちなか地区は本格稼働前のため、従業員数は未記載としています。4.茨城事業所の設備・人員は磯原地区、日立地区、及びひたちなか地区の内数として含めています。 (2) 国内子会社 2026年3月31日現在会社名事業所名(所在地)セグメントの名称設備の内容帳簿価額(百万円)従業員数(名)建物及び構築物機械装置及び運搬具土地(面積千㎡)その他合計JX金属製錬㈱佐賀関製錬所(大分県大分市)基礎材料金属・リサイクル事業設備18,86916,7293,668(2,068)[1,102]3,63542,901522東邦チタニウム㈱茅ケ崎工場(神奈川県茅ケ崎市)情報通信材料機能材料事業設備9,3688,4171,186(161)6,42125,392775若松工場(福岡県北九州市)情報通信材料機能材料事業設備13,0806,556601(9)[200]12,32332,560305 (注) 1.現在休止中の主要な設備はありません。2.帳簿価額のうち「その他」は、その他の有形固定資産及び一部の無形資産の合計です。金額には使用権資産及び消費税は含めていません。また、連結会社以外から貸借している土地の面積は、[ ]で外書しています。 (3) 在外子会社 2026年3月31日現在会社名事業所名(所在地)セグメントの名称設備の内容帳簿価額(百万円)従業員数(名)建物及び構築物機械装置及び運搬具土地(面積千㎡)その他合計JX Advanced Metals USA,Inc.メサ工場(アメリカアリゾナ州)半導体材料薄膜材料事業設備24,1412,7814,558 (258)1,27732,757127台湾日鉱金属股份有限公司龍潭工場(台湾桃園市)半導体材料薄膜材料事業設備4,2732,3310[20]1,6538,257215 (注) 1.現在休止中の主要な設備はありません。2.帳簿価額のうち「その他」は、その他の有形固定資産及び一部の無形資産の合計です。金額には使用権資産及び消費税は含めていません。また、連結会社以外から貸借している土地の面積は、[ ]で外書しています。
監査の状況3,903
(3) 【監査の状況】① 監査等委員会による監査の状況ア. 監査等委員会の組織、人員について有価証券報告書提出日現在、当社の監査等委員会は、当社事業に精通した社内出身の常勤の監査等委員である取締役1名と企業経営、グローバルビジネス、サステナビリティ、人財・人事戦略、法務・リスク管理等の各分野における高い見識と豊富な経験を有する監査等委員である社外取締役4名の計5名で構成されており、それぞれの監査等委員が適切に連携し、高い実効性と客観性をもった組織的かつ体系的な監査を行っています。また、監査等委員が取締役としてそれぞれ有する取締役会における議決権の行使及び監査等委員である取締役以外の指名・報酬に関する意見陳述権の行使を通じて、業務執行について監督を行います。取締役常勤監査等委員の黒岩源洋氏は、当社において、長年にわたり経理及び財務を担当し、また、社外取締役監査等委員の塩田智夫氏は、大手石油・エネルギー会社において、長年にわたり経理及び経営企画を担当しており、それぞれ財務及び会計に関する相当程度の知見を有しています。当社は、監査等委員会の職務を補助するため、執行部門から独立した組織として監査等委員会事務部を設置し、専任の従業員4名を配置しています。 イ.監査等委員会の活動状況監査等委員会は原則月1回開催しており、必要に応じて随時開催しています。当事業年度においては、監査等委員会を合計18回開催しており、個々の監査等委員の監査等委員会への出席状況は次のとおりです。 区 分氏 名監査等委員会出席状況(出席率)常勤監査等委員黒岩 源洋全18回中18回(100%)監査等委員佐久間 総一郎全18回中18回(100%)監査等委員二宮 雅也全18回中18回(100%)監査等委員川口 里香全18回中18回(100%)監査等委員塩田 智夫全18回中18回(100%) 監査等委員会は、監査等委員会議長・代行者、選定監査等委員及び特定監査等委員の選定、監査計画、監査報告書、会計監査人を再任することの適否の決定、会計監査人の報酬等に関する同意、監査等委員である取締役選任議案に対する同意、監査等委員である取締役以外の取締役の指名選任等・報酬等に関する意見の決定等を決議により行っています。常勤監査等委員は、選定監査等委員として、監査計画に従い、経営会議等の重要会議への出席、社長決裁書等の重要書類の閲覧、業務執行部門からの重要事項の報告受領、本社各組織、箇所及び子会社に対する監査、子会社監査役等との連携等の活動を行っています。また、これらの活動を通じて得た情報を監査等委員会全員で共有し、会社の現況に対する共通認識を図るとともに、監査等委員会で意見交換を行っています。監査等委員会は、監査等委員である取締役を除く各取締役との面談等を通じて、経営上の重要事項について意見交換を行っています。また、内部監査を担う監査部及び会計監査人との間で、監査計画、監査結果等について定期的に報告を受けるとともに、意見交換を行うなど、密接な連携を保っています。なお、監査等委員会は、前年度における監査活動についての問題意識を共有し、次年度の監査計画に反映することなどを通じて、実効性向上に努めています。 ② 内部監査の状況ア. 組織・人員及び手続き内部監査部門として他部門からは独立した社長直轄の組織である監査部(13名)を設置し、内部監査を実施しています。内部監査はJX金属グループ全体を対象とし、内部監査計画に基づく通常監査、年次監査及び社長の特別な命により実施する特命監査を行うこととしています。 イ. 内部監査、監査等委員会による監査及び会計監査の相互連携並びにこれらの監査と内部統制との関係監査部は、監査等委員会による効率的な監査の遂行に資するよう、監査等委員会へ内部監査結果を報告するほか、監査等委員会及び監査部相互の監査計画並びに実績を共有し、意見交換を実施しています。また、内部統制部、監査部と会計監査人とは、定期的かつ必要に応じて意見交換を行っており、財務報告に係る内部統制の整備・評価や内部監査の活動状況や監査計画、重点監査項目と会計監査結果について、情報共有を行いながら、相互連携に努めています。 ウ. 内部監査の有効性を確保するための取り組み内部監査の結果については、社長への報告に加え、定期的に経営会議及び監査等委員会に報告しています。また、上場子会社における当該社の監査部門による内部監査の結果についても、定期的に情報の提供を受けています。 ③ 会計監査の状況ア. 監査法人の名称EY新日本有限責任監査法人 イ. 継続監査期間2003年3月期以降(注)当社の前身である新日鉱ホールディングス株式会社は、2003年3月期から2007年3月期まで、みすず監査法人(当時は中央青山監査法人)と監査契約を締結しており(2007年7月1日から2007年8月31日まで、みすず監査法人(当時は中央青山監査法人)に代えて、一時会計監査人を選任していた期間を含む。)、みすず監査法人解散に伴い、2007年3月期からEY新日本有限責任監査法人(当時は新日本監査法人)と監査契約を締結しています。ただし、当社の監査業務を執行していた公認会計士もEY新日本有限責任監査法人(当時は新日本監査法人)へ異動し、異動後も継続して当社の監査業務を執行していたことから、同一の監査法人が当社の監査業務を継続して執行していると考えられるため、当該公認会計士の異動前の監査法人の監査期間を合わせて記載しています。 ウ. 業務を執行した公認会計士の氏名指定有限責任社員 業務執行社員:中村 裕輔、稻吉 崇、脇野 守業務執行社員のローテーションは適切に実施されており、連続して7会計年度を超えて監査業務に関与していません。また、筆頭業務執行社員については、連続して5会計年度を超えて監査業務に関与していません。 エ. 監査業務に係る補助者の構成 公認会計士14人、その他46人 オ. 会計監査人の選定方針と理由当社の監査等委員会が定める「会計監査人の選任・解任・不再任の決定の方針」は以下のとおりです。 監査等委員会は、会計監査人の品質管理体制、会社法上の欠格事由の有無、独立性及び専門性、監査の妥当性等を総合的に判断し、株主総会に提出する会計監査人の選任に関する議案の内容を決定します。また、会計監査人が会社法第340条第1項各号に定める事項に該当すると認められる場合は、監査等委員全員の同意に基づき、会計監査人を解任します。なお、会計監査人の適格性や独立性を害する事由の発生などにより、その適正な業務執行に支障が生じると認められる等の場合は、監査等委員会は、会社法第399条の2第3項第2号に基づき、株主総会に提出する会計監査人の解任又は不再任に関する議案の内容を決定します。 この方針に基づき、当社の監査等委員会は、EY新日本有限責任監査法人を評価した結果、不再任としないことを決議しました。 カ. 監査等委員会による会計監査人の評価監査等委員会は、EY新日本有限責任監査法人との定期的なコミュニケーション並びに経理部など関係部署からのヒアリングを通じて、同監査法人の品質管理体制、会社法上の欠格事由の有無、独立性及び専門性、監査の妥当性等について評価しました。その結果、同監査法人が、会計監査人として適切、妥当であると判断しています。 ④ 監査報酬の内容等ア. 監査公認会計士等に対する報酬区分前連結会計年度当連結会計年度監査証明業務に基づく報酬(百万円)(注1)非監査業務に基づく報酬(百万円)監査証明業務に基づく報酬(百万円) 非監査業務に基づく報酬(百万円)提出会社551(注2)78296-子会社97(注3)7116(注3)3計648854123 (注) 1.当社の上場に伴う過去2か年分の財務諸表及びIFRSに準拠した連結財務諸表の監査に対する報酬が含まれています。2.主な内容は、新規上場に係るコンフォートレター作成業務です。3.主な内容は、IFRSの導入に関する助言・指導業務です。 イ. 監査公認会計士等と同一のネットワークに属しているアーンスト・アンド・ヤングのメンバーファームに対して支払った報酬(上記ア.を除く)区分前連結会計年度当連結会計年度監査証明業務に基づく報酬(百万円)非監査業務に基づく報酬(百万円)監査証明業務に基づく報酬(百万円)非監査業務に基づく報酬(百万円)提出会社----子会社101(注)14132(注)15計1011413215 (注) 主な内容は、税務関連のアドバイザリーサービスです。 ウ. その他重要な監査証明業務に基づく報酬の内容前連結会計年度及び当連結会計年度において、該当事項はありません。 エ. 監査報酬の決定方針EY新日本有限責任監査法人が策定した監査計画、監査内容、監査日数などを勘案し、当社と同監査法人で協議のうえ、同監査法人の見積り報酬額の妥当性を精査し、監査等委員会の同意を得たうえで決定しています。 オ. 監査等委員会が会計監査人の報酬等に同意した理由監査等委員会は、会計監査人から、会計監査人が作成した監査計画における監査項目、監査時間、人員配置計画等について報告を受け、また、経理部門から説明を受けた監査報酬単価額等を踏まえて検討した結果、会計監査人の報酬等の額について適切であると判断し、会社法第399条第1項及び同条第3項に基づき同意しました。
株式の保有状況1,639
(5) 【株式の保有状況】① 投資株式の区分の基準及び考え方当社は、保有目的が純投資目的である投資株式と純投資目的以外の目的である投資株式の区分について、専ら株式の価値の変動又は株式に係る配当によって利益を受けることを目的とする場合を純投資目的、それ以外の場合を純投資目的以外の目的として扱っています。 ② 保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式(ア) 保有方針及び保有の合理性を検証する方法並びに個別銘柄の保有の適否に関する取締役会等における検証の内容a.保有方針当社は、「JX金属グループ コーポレートガバナンスに関する基本方針」において、原則として上場会社の株式を保有しないこととしています。ただし、次の株式については、例外的に政策保有株式として保有することとしています。(1)当社グループの重要な事業の一翼を担う会社の株式(2)株式を保有することが当社グループの持続的な成長と中長期的な企業価値の向上に資すると判断した会社の株式 b.保有の合理性を検証する方法当社は、政策保有株式の保有目的が適切か、保有に伴う便益やリスクが資本コストに見合っているかを具体的に精査し、保有の適否を定期的に検証しています。 c.個別銘柄の保有の適否に関する取締役会等における検証の内容当社は、2025年10月9日開催の取締役会において、政策保有株式について、個別銘柄ごとに保有目的が適切か、保有に伴う便益(取引上の利益額、配当金等のほか、数値化困難な便益を含む。)やリスクが資本コストに見合っているか等を具体的に精査し、総合的に保有の適否を検証しています。 (イ) 銘柄数及び貸借対照表計上額 銘柄数(銘柄)貸借対照表計上額の合計額(百万円)非上場株式166,365非上場株式以外の株式314,636 (当事業年度において株式数が増加した銘柄) 銘柄数(銘柄)株式数増加にかかる取得価格の合計額(百万円)株式数の増加の理由非上場株式35,901新規株式取得等により株式数が増加しています非上場株式以外の株式1-株式分割により株式数が増加しています (当事業年度において株式数が減少した銘柄) 銘柄数(銘柄)株式数減少にかかる売却価格の合計額(百万円)非上場株式17非上場株式以外の株式-- (ウ) 特定投資株式及びみなし保有株式の銘柄ごとの株式数、貸借対照表計上額等に関する情報特定投資株式銘柄当事業年度前事業年度保有目的、業務提携等の概要、定量的な保有効果及び株式数が増加した理由当社の株式の保有の有無株式数(株)株式数(株)貸借対照表計上額(百万円)貸借対照表計上額(百万円)SWCC株式会社979,022979,022基礎材料セグメントにおける販売先であり、同セグメントの維持・拡大のため保有しています。無11,7876,060日鉄鉱業株式会社614,000122,800基礎材料セグメントの資源開発及び製錬の各部門における業務提携先であり、同セグメントの維持・拡大のため保有しています。当期に1株から5株への株式分割が実施されたことにより、株式数が増加しました。有1,524808松田産業株式会社212,960212,960基礎材料セグメントにおける取引先であり、同セグメントの維持・拡大のため保有しています。有1,325740 (注) 定量的な保有効果(取引上の利益額等)については営業秘密との判断により記載しませんが、経済合理性、リスク等の保有の妥当性について検証をした結果、上記方針に基づいた保有効果があると判断しています。 みなし保有株式該当事項はありません。 ③ 保有目的が純投資目的である投資株式該当事項はありません。 ④ 当事業年度に投資株式の保有目的を純投資目的から純投資目的以外の目的に変更したもの該当事項はありません。 ⑤ 当事業年度の前4事業年度及び当事業年度に投資株式の保有目的を純投資目的以外の目的から純投資目的に変更したもの該当事項はありません。
沿革2,171
2 【沿革】 〔前史〕年月概要1905年12月日立鉱山(茨城県)操業開始1908年11月大雄院製錬所(現 茨城事業所日立地区、茨城県)操業開始1912年9月久原鉱業株式会社設立1916年9月佐賀関製錬所(現 JX金属製錬株式会社 佐賀関製錬所、大分県)操業開始、金属製錬事業を拡張1928年12月久原鉱業株式会社が日本産業株式会社に商号変更1929年4月日本産業株式会社の鉱山・製錬部門を分離・独立させ、日本鉱業株式会社を設立1948年2月東邦商事株式会社(現 JX金属商事株式会社)設立1964年10月倉見工場(神奈川県)開設、金属加工事業に本格進出1978年3月日立事業所にリサイクル炉新設、リサイクル事業を開始1981年9月日立鉱山、鉱量枯渇により閉山1985年5月磯原工場(茨城県)開設、電子材料事業へ本格進出1989年10月ニッポン・マイニング台湾社(現 台湾日鉱金属股份有限公司)設立1992年5月(旧)日鉱金属株式会社設立11月日本鉱業株式会社が金属資源開発部門、金属事業部門及び金属加工事業部門を(旧)日鉱金属株式会社に譲渡12月日本鉱業株式会社が共同石油株式会社を合併し、株式会社日鉱共石に商号変更1993年12月株式会社日鉱共石が株式会社ジャパンエナジーに商号変更1996年5月GNFフィリピン社(現 JX METALS PHILIPPINES, Inc.)設立1998年8月(旧)日鉱金属株式会社、東証第一部上場1999年4月株式会社ジャパンエナジーの電子材料事業を分離・独立させ、株式会社日鉱マテリアルズを設立2000年10月(旧)日鉱金属株式会社と三井金属鉱業株式会社の合弁により、パンパシフィック・カッパー株式会社設立 〔提出会社設立以降〕年月概要2002年9月株式会社ジャパンエナジーと(旧)日鉱金属株式会社が株式移転により新日鉱ホールディングス株式会社(現 JX金属株式会社)を設立し、両社は同社の完全子会社となる2003年10月(旧)日鉱金属株式会社の金属加工事業を分離・独立させ、日鉱金属加工株式会社を設立12月日鉱宇進精密加工(蘇州)有限公司(現 日鉱金属(蘇州)有限公司)設立2004年8月韓国日鉱マテリアルズ社(現 JX Advanced Metals Korea Co., Ltd.)設立2005年12月NMU Division, Inc.(現 JX Advanced Metals USA Inc.)設立2006年4月株式会社日鉱マテリアルズが(旧)日鉱金属株式会社及び日鉱金属加工株式会社を合併し、(新)日鉱金属株式会社に商号変更2010年4月新日鉱ホールディングス株式会社及び新日本石油株式会社が株式移転によりJXホールディングス株式会社(現 ENEOSホールディングス株式会社)を設立し、両社は同社の完全子会社となる7月新日鉱ホールディングス株式会社が(新)日鉱金属株式会社を合併し、JX日鉱日石金属株式会社に商号変更2014年7月チリ・カセロネス銅鉱山・開山式を挙行2016年1月JX日鉱日石金属株式会社がJX金属株式会社に商号変更2018年6月東邦チタニウム株式会社の株式50.38%を取得し、同社を子会社とする7月ドイツ・H. C. Starck Tantalum & Niobium社(現 TANIOBIS GmbH)の株式取得により同社を子会社化することで、レアメタル事業を強化2019年6月JX金属グループ2040年長期ビジョン策定2022年8月カナダ・eCycle Solutions Inc.の株式を取得し、同社を子会社とする9月韓国・LS-Nikko Copper Inc.の当社グループ保有株式全て(49.9%)を譲渡2023年5月JX金属グループ2040年長期ビジョン改定6月監査等委員会設置会社へ移行7月チリ・カセロネス銅鉱山権益の51%を、カナダ・Lundin Mining Corporation社(Lundin社)に譲渡(2024年7月に追加で権益19%を譲渡)12月JX金属プレシジョンテクノロジー株式会社の株式の過半を譲渡(譲渡後の当社持分比率15%)2024年3月パンパシフィック・カッパー株式会社の株式の20%及びロス・ペランブレス銅鉱山権益を保有するオランダ子会社の株式13.06%(権益3.27%相当)を、丸紅株式会社に譲渡5月英文商号をJX Advanced Metals Corporationに変更7月三菱商事株式会社との合弁により設立したJX金属サーキュラーソリューションズ株式会社(当社持分比率80%)が事業開始8月タツタ電線株式会社の公開買付が成立し、同社を子会社とする(同年11月に同社を完全子会社化)2025年3月東京証券取引所プライム市場に株式を上場これに伴い、ENEOSホールディングス株式会社が当社の親会社からその他の関係会社に異動(同社の当社に対する持分比率42.38%)9月JX金属グループフィロソフィー策定2026年2月東邦チタニウム株式会社と株式交換契約及び経営統合契約を締結(同年6月同社を完全子会社化)3月チリ・カセロネス銅鉱山権益5%及びフロンテラプロジェクト権益全ての譲渡を決定(同年4月Lundin社へ譲渡)

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TIMELY DISCLOSURE

適時開示(TDnet)

3
2027年3月期第1四半期決算短信〔IFRS〕(連結)決算短信 · 15:30
PDF
通期業績予想の修正に関するお知らせ業績予想 · 15:30
PDF
2027年3月期第1四半期決算説明資料決算説明資料 · 15:30
PDF

出典:東証 適時開示情報閲覧サービス(TDnet)。決算短信・業績予想の修正はEDINETには掲載されません。

PEERS

同業他社(非鉄金属・売上高順)

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EDINET DOCUMENTS

提出書類

30
自己株券買付状況報告書(法24条の6第1項に基づくもの)自己株券買付状況報告書 · S100YW8L
自己株券買付状況報告書(法24条の6第1項に基づくもの)自己株券買付状況報告書 · S100YQFV
訂正発行登録書発行登録書 · S100YMV0
臨時報告書臨時報告書 · S100YMTB
内部統制報告書-第24期(2025/04/01-2026/03/31)内部統制報告書 · S100YIOD
確認書確認書 · S100YIOF
有価証券報告書-第24期(2025/04/01-2026/03/31)有価証券報告書 · 2026-03-31期 · S100YINW
公開買付報告書公開買付報告書 · S100YDUW
変更報告書大量保有報告書 · S100XP8H
臨時報告書臨時報告書 · S100XN7T
変更報告書大量保有報告書 · S100X4EZ
確認書確認書 · S100X0PS
半期報告書-第24期(2025/04/01-2026/03/31)半期報告書 · 2026-03-31期 · S100X0O4
臨時報告書臨時報告書 · S100W9CL
確認書確認書 · S100W9B3
訂正有価証券報告書-第23期(2024/04/01-2025/03/31)有価証券報告書 · S100W9AH
確認書確認書 · S100W4S5
内部統制報告書-第23期(2024/04/01-2025/03/31)内部統制報告書 · S100W4T3
有価証券報告書-第23期(2024/04/01-2025/03/31)有価証券報告書 · 2025-03-31期 · S100W549
臨時報告書臨時報告書 · S100VEJN
訂正有価証券届出書(新規公開時)有価証券届出書 · S100VDDY
訂正臨時報告書臨時報告書 · S100VDE1
訂正有価証券届出書(新規公開時)有価証券届出書 · S100VBU0
訂正臨時報告書臨時報告書 · S100VBU1
有価証券届出書(新規公開時)有価証券届出書 · S100V8VP
臨時報告書臨時報告書 · S100V8VU
変更報告書大量保有報告書 · S100U9SL
公開買付報告書公開買付報告書 · S100U99W
訂正公開買付届出書公開買付届出書 · S100U46W
訂正公開買付届出書公開買付届出書 · S100U2XG
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財務数値は有価証券報告書「主要な経営指標等の推移」等をXBRL/CSVから決定論的に抽出した開示値です。各数値はEDINETの原本(PDF / XBRL / CSV)にそのまま遡れます。投資判断は原本をご確認ください。

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