ジ
ジェイファーマ株式会社
J-Pharma Co.,Ltd.
—売上高(FY2026)
-60.7%ROE
85.4%自己資本比率
—財務健全性スコア
KEY METRICS
主要財務指標
FY2026の売上高は—。営業利益は-37億円(営業利益率—)、当期純利益は-25億円。総資産48億円に対し自己資本比率は85.4%、ROEは-60.7%。医薬品の中央値(ROE 5.9%)を下回る水準。営業キャッシュ・フローは-22億円の流出、現金及び現金同等物は45億円。従業員数は16人。
開示値を定型文に流し込んだ自動生成の概況です(LLM不使用)。株価(終値)392円2026-09-04
PER—
PBR1.73倍
配当利回り—
時価総額(概算)70億円
株価はYahoo Financeの公開データによる参考値。PER・PBR・利回りは最新有報のEPS・BPS・配当との組み合わせ計算です。売上高—
営業利益-37億円-132.5%
当期純利益-25億円-64.5%
総資産48億円
純資産44億円
営業利益率—
ROE-60.7%
自己資本比率85.4%
EPS-195.1円
BPS226.1円
1株配当—
配当性向—
従業員数16人
INDUSTRY POSITION
業種内のポジション
ROE-60.7%中央値 5.9%
営業利益率—中央値 7.9%
自己資本比率85.4%中央値 65.4%
健全性スコア—中央値 65.0点
帯は医薬品(30社)の下位25%〜上位25%、縦線が中央値、丸が当社の値です。
FINANCIAL HISTORY
業績推移
資産
負債・純資産
| 年度 | 売上高 | 営業利益 | 経常利益 | 当期純利益 | 総資産 | 純資産 | EPS | ROE | 自己資本比率 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| FY2026 | — | -37億円 | -26億円 | -25億円 | 48億円 | 44億円 | -195.1 | -60.7% | 85.4% |
| FY2025 | — | -16億円 | -15億円 | -15億円 | 29億円 | 24億円 | -184.1 | -114.8% | 45.7% |
| FY2024 | — | — | -16億円 | -17億円 | 12億円 | 10億円 | -263.6 | -173.9% | -67.9% |
| FY2023 | — | — | -11億円 | -11億円 | 18億円 | 14億円 | -952.7 | -78.0% | -5.3% |
| FY2022 | — | — | -11億円 | -11億円 | 12億円 | 10億円 | -974.5 | -108.7% | 85.3% |
営業CF-22億円
投資CF-4百万円
財務CF43億円
現金及び現金同等物45億円
MAJOR SHAREHOLDERS
大株主
| 順位 | 氏名・名称 | 持株比率 |
|---|---|---|
| 1 | JICベンチャー・グロース・ファンド1号投資事業有限責任組合 | 10.3% |
| 2 | EIGHT ROADS VENTURES JAPAN II LP(常任代理人 Eight Roads・キャピタル・アドバイザーズ・ホンコン・リミテッド) | 9.0% |
| 3 | NEWTON BIOCAPITAL I SA. PRICAF PRIVEE DE DROIT BELGE(常任代理人 三田証券株式会社) | 6.8% |
| 4 | 大原薬品工業株式会社 | 4.9% |
| 5 | UntroD 野村クロスオーバーインパクトファンド投資事業有限責任組合 | 4.6% |
| 6 | スペラファーマ株式会社 | 3.5% |
| 7 | MSIVCグローバルアカデミックシーズ投資事業有限責任組合 | 2.9% |
| 8 | F-PRIME CAPITAL PARTNERS LIFE SCIENCES FUND VI LP(常任代理人 肥沼 誠) | 2.7% |
| 9 | OUVC1号投資事業有限責任組合 | 2.6% |
| 10 | 株式会社SBI証券 | 2.4% |
HUMAN CAPITAL
人的資本
平均年齢52.5歳
平均年間給与1,122万円
平均勤続年数2.2年
提出会社(単体)ベースの開示値です。
ANNUAL REPORT TEXT
有報本文
事業の内容29,954字
3【事業の内容】(1) 事業の特徴①概要・企業理念と行動規範 当社は、「SLCトランスポーター※1創薬の新たな可能性を追求し、グローバルベンチャーとして世界中の人々が抱えるアンメット・メディカル・ニーズに応える革新的新薬の開発を通じ、人々が健康を維持し、希望を持ち続けることに貢献します」を企業理念として掲げております。 当社は当該理念のもと、革新的な医薬品の創出に取組み、持続的な企業成長と社会的価値の向上を目指しております。 また、当社は、企業理念の実現のために、以下の3つを行動規範として定めております。 1.グローバルベンチャーとして挑戦する情熱 2.サイエンスの追求 3.コンプライアンスの徹底遵守 ・事業構造とグローバル開発体制 当社は、グローバル市場を対象とする創薬ベンチャーとして、革新的な医薬品の研究開発を推進しております。当社の事業は研究開発を中心とした創薬事業の単一セグメントで構成されており、米国FDAをはじめ主要規制当局の承認取得を目指して臨床開発を実施しております。 図1:ジェイファーマの事業モデル 国際開発を確実に進めるため、豊富な海外経験を持つ経営陣・研究開発人材を中核に体制を整備し、欧米のCROやコンサルタントに加え、最先端のアカデミアと連携しております。主な委託・共同研究先は、米国Georgetown大学(多発性硬化症)、Turku PET Centre(多発性硬化症)などです。 さらに、グローバルに活躍する専門家から継続的な助言を受け、開発戦略と研究活動の高度化を図り、研究開発成果の創出につなげてまいります。当社のアドバイザーの例アドバイザー名タイトル助言を受ける疾患領域専門古瀬純司, M.D., Ph.D.神奈川県立がんセンター総長胆道がん臨床Dr. Eric Rowinsky, M.D.Cancer Therapeutic Development and Regulatory Consultant胆道がん臨床・薬事Dr. Michael Szarek, Ph.D.Research Professor, University of Colorado and Mount Sinai New York; Venrock胆道がん統計学・薬事Dr. Jeff Huang, Ph.D.Associate Professor, Georgetown University多発性硬化症基礎研究Dr. Pavan Bhargava, M.D.Associate ProfessorJohns Hopkins Hospital多発性硬化症臨床Dr. Laura Airas, M.D., Ph.D.Professor of Neuroimmunology,University of Turku多発性硬化症画像診断、臨床※Dr. Eric Rowinsky, M.D. と Dr. Michael Szarek, Ph.D. は、当社との直接のアドバイザリー契約ではなく、米国の薬事・開発コンサルティング会社を通じての間接的な契約※Dr. Laura Airas, M.D., Ph.D. は当社と Turku University Hospital との間の委託研究契約に署名する Principal Investigator こうした体制の具体的な成果として、リード化合物「ナンブランラト」は2022年4月に米国FDAよりオーファンドラッグ指定を取得しております。また、国内第2相臨床試験のデータを基に米国FDAと協議の上、2025年12月にグローバル第3相臨床試験の開始に至りました。国内臨床データに基づき米国FDAのレビューを経てグローバル第3相臨床試験へ進む事例は多くはなく、当社としては一定の進展であると評価しております。 さらに、2剤目JPH034についても、2026年2月に米国FDAによるIND安全性審査が完了し、米国時間2026年3月22日に米国における第1相臨床試験を開始し、最初の被験者への投与を実施しました。現在は、本試験において安全性、忍容性及び薬物動態に関するデータの取得を進めております。これらの進捗は、当社の開発推進力及び国際対応力を示す一要素であると考えております。 ・LAT1とLAT1阻害剤 溶質輸送体(Solute Carrier; SLC)トランスポーターは、生体膜を介して多様な溶質を運ぶヒト最大級の膜タンパク質群で、これまでに400種類以上が報告されております(例:Cell. 2015, 162, 478–487)。がん・自己免疫疾患※2、代謝性疾患※3、神経変性疾患※4など幅広い領域で治療標的として提案される一方、米国FDA承認薬の標的遺伝子※5に占めるSLCトランスポーターは依然5%未満※6と未開拓領域が大きく、創薬ターゲットとして検討余地が残されている領域であると当社は認識しております。 当社創業者である遠藤仁(現杏林大学名誉教授)はトランスポーター研究の第一人者として12種類の新規トランスポーターを発見し特許化しました。当社は創業者が発見したSLCトランスポーターの一つであるL型アミノ酸トランスポーター1(LAT1)※1に注力し、その活性を抑制するLAT1阻害剤を開発しております。LAT1はがん細胞や活性化免疫細胞で高発現し、腫瘍増殖や自己免疫における免疫活性化に関与することが示されております。当社化合物はがん及び自己免疫領域で新たな治療選択肢となる可能性を示しております。 LAT1は世界中の研究者から関心を集めており(図2)、当社は創業者が2019年まで保有したLAT1遺伝子特許を背景に、国際的に早期段階から臨床開発を進めております。ヒトでの有効性や安全性について良好な結果が得られており、年1回開催されるがん治療に関する世界最高峰の学会の一つである米国臨床腫瘍学会(ASCO)では複数回の口頭発表を実施しており、国内外から共同研究又は共同開発に関する問い合わせを受けております。 図2:LAT1関連論文数推移 ・ジェイファーマが考える低分子創薬の未来 当社は、LAT1阻害剤の開発において、新モダリティ※7も含めた中で、低分子化合物に特化した創薬を推進しております。低分子薬剤は経口投与可能なものが多く、細胞膜を通過して細胞内標的に作用できるという特性から、100年以上にわたり製薬の中心的な役割を担ってきました。現在も多くの疾患で中核的な選択肢の一つとして高いシェアを維持しております。 承認実績にも優位性が表れており、2017年~2022年に米国FDAが承認した新規化学物質293件のうち約62%(182件)が低分子薬※8です。さらに、AIやIn Silico技術※9の進展により創薬効率は飛躍的に向上しております。実際、AI創薬スタートアップの約45%が低分子に特化※8しており、スピードとコストで他技術を凌駕する局面が増えております。これらを踏まえ、低分子創薬は引き続き創薬手法の重要な選択肢の一つであると当社は認識しております。 この環境下で当社は、低分子の強みを最大限に活かし、LAT1阻害剤のグローバル承認を目指すことで、持続的成長と医療ニーズへの対応に資することを目指してまいります。 ・First-in-ClassとBest-in-Class First-in-Classは、新しい作用機序で未充足領域に挑み医学のフロンティアを拓く薬剤を指します。他方、Best-in-Classは、既存機序の枠内で有効性・安全性・利便性を磨き上げ、臨床性能や製剤性を最適化して最高水準の価値を実現する薬剤を指します。 当社は、未知を切り拓く開拓力(First-in-Class)と、既存技術を極める実行力(Best-in-Class)の双方を兼備することで、新しい領域において大きな事業機会を創出できると考えております。実際に、LAT1阻害剤領域で早期から臨床開発を行ってきた経験を基盤に、この開拓的立場を維持しつつ、蓄積した知見でBest-in-Class創出にも取組み、事業基盤の一段の強化を目指します。 ② LAT1阻害剤の可能性・LAT1と固形がん LAT1はSLCトランスポータースーパーファミリー※10に属し、がん細胞の成長・増殖に不可欠な大型中性アミノ酸の取り込みを担っております※11。 図3:LAT1の構造※12(a) LAT1-4F2hc複合体の図(4F2hcはオレンジ、LAT1は青色)(b) LAT1トランスポーターの膜トポロジー がん化に伴い細胞膜上のLAT1発現が亢進し、アミノ酸取り込みが増大します。実際に、胆道がん、膵臓がん、脳腫瘍など多くの固形がんで過剰発現が確認され※13、リンパ節転移、細胞増殖、血管新生、短い生存期間と相関します※14。 腫瘍微小環境※15では、がん細胞のLAT1依存的な特定アミノ酸過剰取り込みによりその細胞外アミノ酸が枯渇し、T細胞※16の活性化・分化・機能維持に必要な代謝基材が不足するとされております。結果として、T細胞の増殖・生存・エフェクター機能※17の低下によりT細胞は本来の抗腫瘍機能を維持できず、免疫回避に関与する可能性が示唆されております。 このためLAT1阻害剤は、(1) がん細胞のアミノ酸獲得を制限し増殖を直接抑制する可能性に加え、(2) 免疫細胞の抗腫瘍機能の回復を促す可能性があると考えられております※18。 図4:全生存期間(OS)※19とLAT1遺伝子発現※20 実際、LAT1阻害剤は、細胞・動物レベルで有効性が示され(例:Cancer Sci., 2016, 107, 1499–1505; Cancer Sci., 2009, 101, 173–179; Scientific Reports, 2023, 13, Article number 13943)、当社の国内第1相/第2相臨床試験では胆道がん・大腸がんで有効性が示唆される結果が得られております※21。 ・LAT1と自己免疫疾患 これまでの多くの研究から、LAT1は一部の自己免疫疾患の新規治療標的となり得ることが示されております。LAT1はmTOR経路※22を介して免疫細胞の増殖や炎症を引き起こす物質(炎症性サイトカイン)の放出を制御しており、LAT1の遺伝学的抑制やLAT1阻害剤の投与により、過剰活性化した免疫細胞からのサイトカイン産生が低減することが示されております(例:J Immunol., 2013, 191, 4080-4085; EMBO Mol Med., 2025, 17, 1631–1665)。 この知見に基づき、LAT1機能の抑制は過剰免疫反応を鎮める新たな治療アプローチとなる可能性があります※23。特に、多発性硬化症のような神経に炎症が生じる自己免疫疾患では、LAT1抑制により炎症や酸化ストレス起因の神経損傷を抑える効果が期待され、神経炎症性疾患に対する一つのアプローチとなる可能性があると考えられております※24。 ・LAT1と希少疾患 LAT1は、希少疾患に対する新たな治療候補としても複数の研究で有望視されております。特定のアミノ酸関連希少疾患は、LAT1を含むSLCファミリーのアミノ酸トランスポーターの異常によって発症し、腸管・腎臓・脳・肝臓におけるアミノ酸輸送機能の障害が主な病態要因となっております※25。 米国FDAでは、Rare Disease Innovation Hubの設立、条件付き承認制度の検討、さらにはOrphan Cures Actによるインセンティブ拡充などを通じて、希少疾患治療薬の開発を後押しする施策が講じられております※26。これらの施策によって希少疾患領域での新規治療薬の研究開発は加速しており、LAT1を標的とした希少疾患を対象とする創薬も、こうした規制当局の支援を背景にアンメット・メディカル・ニーズに応える治療薬として開発を進められる可能性を有しております。 (2) 開発パイプライン①パイプラインの概要 当社が現在臨床開発を進めている化合物は、ナンブランラト(JPH203)とJPH034の2剤です。 図5:ナンブランラトとJPH034 ナンブランラトは、LAT1を標的として見出した新規の低分子化合物であり、LAT1内部のアミノ酸ポケットに競合的に結合することでその活性を阻害します。正常細胞に発現するLAT2には作用せず、LAT1を選択的に阻害します※27。 図6:ナンブランラトのLAT1選択的な阻害活性※27 図7:クライオ電子顕微鏡(cryo-EM)構造解析※28ナンブランラト(JPH203)がLAT1に競合的に結合する様子 また、特有の組織分布※29を示すことから、現在は胆道がん(2次療法※30及び1次療法)ならびに大腸がんを対象とした開発を進めております。さらに、将来的な適応拡大を見据え、希少疾患を対象とする非臨床研究にも着手しております。 図8:サルにおけるナンブランラトの薬物濃度※31血液中に比べ胆汁中に非常に高い濃度で分布する(Cmax※32、AUC※33) 一方、JPH034は高い脳内移行性を有する点が特長であり、中枢神経系の自己免疫疾患である再発を伴わない2次性進行型多発性硬化症やグリオーマを対象疾患とした開発を推進しております。加えて、当社はBest-in-Classを目指す次世代LAT1阻害剤の創薬研究にも取組んでおり、すでに候補化合物を特定しております。これにより、ナンブランラト及びJPH034に続く新たな成長ドライバーを確立し、持続的な事業拡大を目指して取組んでまいります。 図9:当社の開発パイプライン ②臨床開発が進む主要開発パイプライン(胆道がん、再発を伴わない2次性進行型多発性硬化症) ②-a. 胆道がん(ナンブランラト)・胆道がんの市場規模と5年生存率 胆道がんは、日本及び欧州5か国(イギリス、フランス、ドイツ、イタリア、スペイン)でそれぞれ年間約2万人、米国で年間約1.4万人が新たに診断される疾患であります※34。早期には自覚症状が乏しいため、多くの患者は進行期に至ってから診断されるのが現状です。進行期の胆道がんは治療選択肢が限られており、5年生存率は25%未満と、膵臓がんに次いで生存率が低いがん種です※35。こうした背景から、胆道がんはアンメット・メディカル・ニーズが非常に高い疾患であり、新たな治療法の開発が求められています。 ・胆道がんとLAT1 胆道がんにおいて、LAT1の発現量を基準に患者群を比較したところ、LAT1高発現群では生存期間が有意に短いことが確認されました※36。 図10:胆道がんにおける全生存期間(OS)比較(LAT1高発現 vs. LAT1低発現)※36 この結果は、LAT1の高発現が胆道がん患者における予後を推測する指標となり得ることを示すとともに、LAT1が新たな分子標的治療の候補として検討されている背景の一つとなっています※37。 ・胆道がんの現在の治療環境 胆道がんは、日本では肝内胆管がん、肝外胆管がん、胆嚢がん、十二指腸乳頭部がんの4つに分類されますが、欧米では十二指腸乳頭部がんを除く3つが胆道がんとして扱われております。1次療法では化学療法に加え、抗PD-1抗体薬や抗PD-L1抗体薬※38が全サブタイプにおいて用いられており、現在の標準療法は化学療法と抗PD-1/PD-L1抗体薬の併用療法です。しかしながら、この治療を受けた患者のうち24か月後に生存しているのは25%以下※39にとどまっており、依然として大きなアンメット・メディカル・ニーズが存在しております※40。特に、治療開始から25週以降は抗PD-L1抗体単剤、あるいは抗PD-1抗体+ゲムシタビンによる維持療法へ移行しますが、その間の病勢進行が課題となっております。 2次療法では分子標的薬※41が用いられ、米国では3種類の承認薬があります。しかし、これらの薬剤が有効な遺伝子変異(IDH1変異、FGFR2陽性、HER2陽性)を持つのは2次療法に進む患者の約30%に限られ(図11)※42、残り約70%の患者には有効な承認薬が存在しないのが現状です(欧州・米国での状況であり、日本では2次療法で使用可能な承認薬が存在します)。 図11:胆道がんの治療選択肢(当社作成。なお、ナンブランラトに関する記載は、承認取得又は販売開始を前提とするものではありません。) ナンブランラトは、抗PD-1/PD-L1抗体との併用効果が動物モデルにおいて確認されており※43、1次療法において25週目以降の維持療法にアドオンすることで、標準療法と競合しない形で治療選択肢の拡充に資する可能性があります。 さらに2次療法においては、これまでの臨床試験の結果から、既存の承認薬が存在しない約70%の患者に対し、有効な治療選択肢の一つとなる可能性が示唆されております。安全性にも優れていることから、患者に最後まで寄り添える治療薬となる可能性を秘めております。 ・ナンブランラトの臨床試験結果 当社は、ナンブランラトの国内第2相臨床試験を実施しました。本試験は、胆道がん2次療法以降の患者211名をスクリーニングし、105名を無作為に割り付けた大規模な二重盲検無作為化プラセボ比較試験であり、2022年に終了しました(ナンブランラト群70名(うち1名は不適格な疾患が発見されたため解析から除外され、解析対象となったのは69名)、プラセボ群35名※44が解析対象)。当試験の結果、ナンブランラトの投与により、統計学的有意差をもって腫瘍が大きくなるまでの期間を延長し、また特定の患者群において生存期間についても良好な改善効果があることが確認されました。 図12:国内第2相臨床試験のデザイン 2023年1月に開催されたASCO GI 2023(米国臨床腫瘍学会・消化器がんシンポジウム)において、ナンブランラトが前治療歴のある進行性・難治性胆道がん患者に対し、無増悪生存期間(PFS)※45でプラセボ群に対して統計学的有意差を示し、主要評価項目を達成した結果が口頭発表されました(ハザード比※46=0.56、95%信頼区間:0.34–0.90、p=0.02)※47。薬物有害反応(副作用)の発生率はナンブランラト群41.4%、プラセボ群57.1%であり、グレード3以上の有害事象はナンブランラト群30.0%、プラセボ群22.9%でした。いずれの群においても投与中止・減量や死亡に至る事象は認められず、安全性が確認されました。特にグレード3以上の有害事象率は、胆道がん2次療法で使用されることのあるFOLFOX(69%)※48や1次療法の標準治療であるデュルバルマブ+シスプラチン/ゲムシタビン(76%)※49と比べても低く、ナンブランラトの良好な安全性プロファイルが示されました。この特性により、長期的治療が可能であり、現在は緩和ケアを選択している患者層への市場拡大の可能性も期待されます。 図13:胆道がん治療薬別有害事象比較※50 さらに、2023年6月のASCO Annual Meeting(米国臨床腫瘍学会年次総会)のClinical Science Symposiumでは、同試験のサブグループ解析が口頭発表されました。発表では、LAT1高発現群(ハザード比=0
経営方針、経営環境及び対処すべき課題等13,142字
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 当社の経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであります。(1) 経営方針 当社は、「SLCトランスポーター創薬の新たな可能性を追求し、グローバルベンチャーとして世界中の人々が抱えるアンメット・メディカル・ニーズに応える革新的新薬の開発を通じ、人々が健康を維持し、希望を持ち続けることに貢献します」を企業理念としております。 当社は、当該理念実現に向け、「グローバルベンチャーとして挑戦する情熱」「サイエンスの追求」「コンプライアンスの徹底遵守」を行動規範として定めております。 (2) 経営戦略① Goals for 2030 当社は、長期的な経営戦略として以下のとおり「Goals for 2030」を定め、段階的かつ着実な取組を進めております。Goals for 2030具体的活動1.LAT1阻害剤[(ナンブランラト) First-in-Class]単剤療法での、胆道がん治療薬としてグローバル承認獲得・日本発のブロックバスター製品(年間売上10億米ドル)を目指す・グローバル臨床開発(第1 企業の概況 3 事業の内容 (2)開発パイプライン記載のとおり)・事業化スキームの構築2.免疫機構に着目した新たな治療薬の可能性を追究し、がん、自己免疫疾患、希少疾患へと展開・ライフサイクルマネジメント3.次世代LAT1阻害剤(Best-in-Class)の臨床試験入り4.新たなトランスポーター阻害剤の創出によるパイプライン拡充5.種々の創薬技術を取り込みプラットフォーム化し、継続的な創薬と事業化の仕組み作り※上記は本書提出日現在における当社の目標であり、研究開発の進捗、規制当局対応、薬価及び公的医療保険における償還制度(保険収載の可否及び償還条件)、競合環境、市場環境その他の要因により、実際の結果が異なる可能性があります ② グローバルライセンス活動・グローバル開発を進めた上でのライセンス契約を目指す理由 当社は、開発化合物の価値をグローバル開発によって最大化し、その成果をグローバルライセンス契約へとつなげることでの収益化を目指しております。日本国内において非臨床又は早期の臨床データのみを基にライセンス契約を締結した場合、契約一時金は相対的に小規模となる例がみられます。一方で、グローバル第3相臨床試験まで進展した化合物を導出した場合、契約一時金の中央値は42百万米ドル(2023年の値:約63億円、1ドル=150円換算)※1と報告されています。 このような現状を踏まえ、厚生労働省の「ヘルスケアスタートアップの振興・支援に関するホワイトペーパー」(2024年)提言13では、「開発の早い段階でのアライアンス契約はスタートアップ側に不利となりうるおそれがある(中略)バイオスタートアップの企業価値を毀損しかねない」と指摘されております。当社はこの認識のもと、可能な限り後期段階までグローバル開発を進めることにより化合物の価値、ひいては企業価値の向上を図ることが重要であると考え、開発戦略を推進しております。 ・具体的なグローバルライセンス活動状況 当社は、開始済み又は今後開始が見込まれる各臨床試験において得られるデータの取得状況に応じて、ライセンス契約等の検討が可能となるよう準備を進めております。特に、ナンブランラトのグローバル第3相臨床試験の前半(パート A)については、将来的なライセンス活動を見据え、外部から適切な評価を得られる可能性のある試験デザインとするため、米国バイオベンチャー業界で豊富な経験を有する統計学者や腫瘍専門医(薬事・開発コンサルタント)から助言を得ながら、以下の工夫を治験デザインに組み込みました。 ・全生存期間(OS)による効果評価 ・実臨床を反映した最善支持療法群(Physician’s Best Choice;FOLFOX, FOLFIRI または緩和ケア)との比較 ・利便性を高める46時間持続点滴群(2週に1度の通院で治療可能)の追加 また当社は、ライセンス契約交渉において適時に複数の候補企業と交渉を開始できるよう、ナンブランラト(主に胆道がん)及びJPH034(主に多発性硬化症)の市場特性を踏まえ、相性の良いパートナー候補企業を精査し、すでに一部の企業との協議を開始しております。興味を示す企業とは定期的な情報開示を通じて長期的な信頼関係の構築を進めております。臨床試験の進捗に応じて戦略的かつ円滑にライセンス契約交渉へと移行することを目指し、体制整備を進めておりますが、交渉の開始時期については相手先企業の判断に依存いたします。 ライセンスに向けて継続的にコミュニケーションを取っているパートナー候補企業数(2026年5月31日時点)ナンブランラトJPH03412社13社 具体的には、ナンブランラトについては、グローバル第3相臨床試験パートA及び国内での免疫チェックポイント阻害剤(ICI)との併用療法の進捗を踏まえ、2028年3月期以降の事業化スキームの構築を目指しております。 JPH034については、再発を伴わない2次性進行型多発性硬化症を対象とする米国第1相臨床試験の進捗、並びにこれまで蓄積してきた臨床・非臨床エビデンス及び非臨床・CMCパッケージ等を踏まえ、欧米でのフェーズ2試験の実施が可能となる段階を見据えて、2027年3月期に事業化スキームの構築を目指しております。当該スキームについては、ライセンス契約に限らず、共同開発、出資その他の契約形態を含め、候補企業等との協議状況及び臨床試験の進捗を踏まえ、最適な形態を検討してまいります。 図1:事業化スキーム構築のイメージナンブランラト JPH034 ③ ライフサイクルマネジメント・ライフサイクルマネジメント概要 医薬品開発においては、一つの成功(POC※2)を起点に、疾患領域の拡大、特許の延長、さらには後継品(Best-in-Class)への展開といったライフサイクル戦略を段階的に実行することで、事業価値を最大化することが重要であると認識しております。当社はLAT1阻害剤開発の先駆者として、胆道がんにおけるPOCを達成し、すでに次なるライフサイクル戦略の検討及び準備を進めております。これらの取組の一環として、胆道がん1次療法におけるICIとの併用療法、KRAS変異大腸がんを対象とした医師主導臨床試験の開始準備、希少疾患を対象とする非臨床試験、JPH034によるグリオーマに対する臨床試験実施に向けた検討等を進めております。さらに、これらの取組を、自社に加え研究開発パートナーや事業パートナーと連携しながら推進することで、持続的かつ大きな事業価値の創出を目指しております。 図2:胆道がんを起点とするライフサイクルマネジメント※3 その一環として、当社はナンブランラトの特許強化・延長プロジェクトを推進しております。医薬品分野においては、物質特許が満了した後も、製剤特許や用途特許などを組み合わせることで事業の独占性を延長させた事例が数多く存在します。ナンブランラトについても、グローバル大手製薬企業による成功実績のある手法も参考にしつつ、独占性の延長につながる可能性のある新規特許の取得を目指しています。これにより、より高額なライセンス契約の締結や、長期にわたるロイヤルティ収入につながる可能性があり、当社の中長期的な事業成長に寄与し得るものと考えております。 ・SLCトランスポーター創薬のプラットフォーム化に向けて 当社は、現有する開発パイプラインの進捗と事業化を進める一方で、より長期的な成長に寄与するために、SLCトランスポーター創薬のプラットフォーム化を目指しております。当社は、LAT1阻害剤の研究開発を通じて知見を蓄積してきており、クライオ電子顕微鏡※4を用いたSLC構造解析技術※5の確立等により、基質特異性※6に関する理解が進展しております。また、複数のアカデミアとの委託・共同研究を通じて、戦略的パートナーシップを構築しており、研究基盤の広がりと強固さを支えております。 今後は、これまでに培ってきた研究基盤を成熟させるとともに、成長に資する要素を取り込みながら発展させることで、SLCトランスポーター創薬に係る技術の体系化及び新規パイプラインの充実を図ってまいります。 番号解説または引用※1Q3 2024 Biopharma Licensing and Venture Report by J.P.Morgan: 2023年の値 中国のみ・欧州のみなどのローカルライセンスを含む※2POC:POC(Proof of Concept)とは、研究開発において仮説や新しい治療法の有効性・安全性について、初期段階でその実現可能性を示すための概念や検証プロセスを指します。創薬の分野では、臨床試験の早期(主に第2相試験)で新薬候補が実際に患者に効果を示すかを確認し、開発を継続するかどうかを判断する重要な節目となります。※3当社の事業戦略に関するイメージ図であり、実際の事業展開とは異なる可能性があります。※4クライオ電子顕微鏡:クライオ電子顕微鏡(cryo-EM)とは、生体分子や細胞構造を凍結したまま観察できる電子顕微鏡技術です。試料を急速凍結して水分を氷晶化させずに保存することで、タンパク質や複合体をほぼ生理的な状態で高分解能に解析できます。近年は構造生物学や創薬研究において、X線結晶構造解析やNMRに並ぶ強力な手法として注目されております。※5SLC構造解析技術:結晶化困難なSLCをクライオ電顕で可視化することで、輸送メカニズムの解明や創薬応用につなげる技術です。SLCは膜貫通型タンパク質であり、疎水性が高く不安定で、さらに結晶化が困難であるため、従来のX線結晶構造解析やNMRでは詳細な構造情報を得ることが極めて難しいという背景があります。近年ではクライオ電子顕微鏡(cryo-EM)の進歩により、結晶化を必要とせず、生理的に近い条件下でSLCの立体構造を高分解能に観察できるようになりました。これにより、SLCの基質特異性や輸送サイクルの分子メカニズムが解明され、創薬標的としての理解が大きく進展しております。※6基質特異性:酵素や輸送体などの生体分子が、特定の基質(反応する分子や取り込む物質)に対して選択的に作用する性質のことを指します。この特性により、生体内の反応が正確かつ効率的に進行します。 (3) 経営環境① 当社の企業構造及び主要開発品の概観 当社は、研究開発を中核とする創薬ベンチャーとして、SLCトランスポーターを標的とした創薬研究並びに医薬品候補化合物の臨床開発を主たる事業としております。事業運営においては、研究戦略の立案、開発計画の策定、プロジェクトマネジメント及び重要な意思決定等の中核機能を当社が担い、臨床試験の運営・モニタリング等の実務については、国内外のCRO等の外部機関を活用することにより、効率的な研究開発推進体制を構築しております。また、薬事、開発、統計、疾患領域等に関する外部専門家から助言を受けるとともに、アカデミア等との連携を通じて研究開発基盤の強化を図っております。 当社の提供価値は、(i) 医薬品候補化合物の研究開発(臨床開発を含む)及び (ii) これらの研究開発活動を通じて蓄積されるSLCトランスポーター創薬に係る知見・技術基盤であります。当社はこれらを基に、アンメット・メディカル・ニーズの高い疾患領域を対象として開発パイプラインを構築しております。現時点における主要開発品等の概要は以下のとおりです。・ナンブランラト(JPH203):胆道がんを中心にグローバル開発を推進しております。CMCに関しては、2025年5月13日付で商業製造スケールにおける品質基準への適合についてFDAより肯定的な書面回答を受領しました。また、国内第2相臨床試験の結果等を踏まえ、FDAとの協議を経て、2025年12月にグローバル第3相臨床試験を開始しており、2026年6月現在、計画通り順調に進捗しております。 また、国内においては、胆道がんの1次療法におけるナンブランラトと免疫チェックポイント阻害剤(ICI)との併用療法を検討する医師主導臨床試験(JON-2404-B)が開始されております。本試験は2026年4月にJapan Registry of Clinical Trials(jRCT)へ試験情報が登録・公開され、公益財団法人がん研究会有明病院を代表施設として実施されています。当社は同院との契約に基づき、本試験の円滑な遂行を支援してまいります。 ・JPH034:中枢移行性を特徴とするLAT1阻害剤として、主に再発を伴わない2次性進行型多発性硬化症を対象に開発を推進しております。米国時間2026年3月22日に米国における第1相臨床試験を開始し、最初の被験者への投与を実施しました。現在は、本試験において安全性、忍容性及び薬物動態に関するデータの取得を進めております。・その他の開発・研究:ナンブランラトについては、KRAS変異大腸がんを対象とした医師主導臨床試験の開始に向けた準備、希少疾患を対象とする非臨床試験等に取り組んでおります。また、JPH034についてはグリオーマに対する臨床試験実施に向けた検討も進めております。加えて、ナンブランラトの特許の強化・延長、次世代LAT1阻害剤(Best-in-Class)等の創薬研究について、資金状況及び開発コスト等を踏まえつつ、段階的に推進しております。 ② 製薬業界に関する最近の動向・医薬品市場の成長予測※1 Grand View Research, Inc.の最新レポートによれば、世界の医薬品市場規模は2030年までに2兆3,504億3,000万米ドルに達すると予測されており、2025年から2030年にかけて年平均成長率(CAGR)6.12%で拡大する見込みです。この市場成長の背景には、慢性疾患の有病率上昇、新規治療開発ニーズ拡大があります。洗練された製品の上市や糖尿病・がん・感染症など主要疾患の罹患率増加が、グローバルな医薬品市場の成長を下支えしていると考えられております。 ・米国の関税政策とその影響※2 2025年4月、トランプ政権は「国家安全保障」を理由に、医薬品及び医療機器の輸入に対して10%の関税を導入しました。この関税措置は資本市場に不確
事業等のリスク17,286字
3【事業等のリスク】 当社の事業の運営及び展開等について、リスク要因として考えられる主な事項を以下に記載しております。当社は、これらのリスクの発生を回避し、また発生した場合には適切な対応に努める方針ですが、当社の事業活動及び将来の業績には本質的な不確実性が存在します。なお、以下の記載はかかるリスクを網羅するものではありません。 当社は、医薬品の研究開発を主たる事業とする創薬ベンチャー企業であり、事業活動は新薬の研究開発の成否に大きく依存しております。一般に、新薬の研究開発には長期間及び多額の研究開発費用を要する一方、各開発段階において有効性又は安全性が確認されないこと等により、開発の中止又は遅延が生じる可能性があります。また、臨床試験において一定の結果が得られた場合であっても、規制当局による承認が得られない、又は想定よりも長期間を要する可能性があります。 このように、創薬事業は本質的に高い不確実性を内包しており、とりわけ販売開始前の研究開発段階のパイプラインを有する当社への投資は、一般の投資対象と比較して相対的にリスクが高いと考えられます。以下に記載する各リスクは、かかる不確実性が当社の事業、財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性がある事項を具体的に示したものです。 また、当社は、事業運営に係る主要リスクについて、各部門で把握したリスク情報を集約のうえ、経営陣に報告し、必要に応じて協議・対応方針の検討を行う体制を整備しております。加えて、内部監査担当者は内部監査を通じてリスク管理及び内部統制の運用状況を検証し、その結果を関係機関へ報告しております。これらの運用状況については監査等委員会が監督しております。なお、当社のコーポレート・ガバナンス体制の詳細は、「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等(1)コーポレート・ガバナンスの概要」に記載のコーポレート・ガバナンス体制図をご参照ください。 なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであります。 I. 事業価値に直結する最重要リスク① 臨床試験・非臨床試験の結果に関するリスク(発生可能性:中、発生時期:特定時期無し、影響度:大) 当社では、2026年3月期より米国FDAのレビュー下で、ナンブランラトの胆道がん2次療法を対象とするグローバル第3相臨床試験を開始しました。当臨床試験に成功すると、欧米を始め、世界中でナンブランラトの胆道がん2次療法治療薬としての承認に繋がる可能性があります。当臨床試験は、これまでに日本国内で行ってきた第2相臨床試験などと比べて、人種差や市場で使用可能な1次療法治療薬の変化などの理由で、想定通りの結果とはならない可能性があります。グローバル第3相臨床試験で主要評価項目を達成できないなど承認に至らない結果であった場合は、追加試験の実施が必要となる等により、承認までに要する時間及び費用に大きな影響が生じる可能性があります。また、試験結果の内容によっては、開発継続が困難となり、当該開発を中止する判断に至る可能性があります。 ナンブランラトの胆道がん2次療法を対象とする第3相臨床試験以外にも、様々な臨床試験・非臨床試験を計画しております。それらの試験結果により、予定している各化合物・適応症の開発スケジュールが影響を受ける可能性があります。 当社ではこうしたリスクに対応するため、これまでに構築してきた科学的な知見や臨床・非臨床データに基づき、成功確率が高い治験デザインを構築すると同時に、パイプラインの幅を広げて単一のパイプラインに依存し過ぎない体制強化にも努めております。 一方で、当社は、臨床・非臨床試験において開発中止のリスクが顕在化した場合、科学的根拠と透明性を基盤とした意思決定を行い、株主及び投資家の皆様にとっての価値を最大限に守り抜くため、多面的かつ迅速な対応を徹底する体制を整えております。 まず、リスクの種類(有効性不足、安全性懸念、競合製品の市場参入など)を明確化し、社内外の専門家による中間解析や安全性評価を含むデータレビューを実施します。その上で、臨床試験デザインや対象患者選定などに起因する根本要因を特定し、科学的に妥当な結論を導きます。 次に、重要な関係者との情報共有を迅速に行います。社内ではマネジメント層や研究開発部門と協議し、社外においては規制当局(PMDAやFDA)への安全性シグナルや試験中止可能性の報告を行います。また、株主及び投資家の皆様に対しては、適時開示やIR資料を通じて透明性を確保し、正確かつ誠実な説明を実施いたします。 その上で、開発継続の可否を慎重に検討いたします。投与量やプロトコル修正によって問題解決が可能か、部分的中止に留めるのか、あるいは全面的に中止すべきかを判断します。仮に開発を中止する場合も、別適応症への転用や他社への技術ライセンスアウト、さらには前臨床段階での改良版探索といった代替策を柔軟に検討し、研究開発資産の最大限の活用を目指します。 さらに、契約・法務・資金面についても適切に対応いたします。CRO※や共同開発先との契約条件や違約金への対応を速やかに確認し、残資金については次の重点プロジェクトへ振り替えることで研究開発の継続性を確保します。また、将来的な再活用を視野に入れ、知的財産の保護にも万全を期します。※ CROとはContract Research Organizationの略であり、製薬会社から医薬品開発における非臨床試験や臨床試験、製造販売後調査の業務等を受託している企業のことを指します。 ② 臨床試験のスケジュールに関するリスク(発生可能性:中、発生時期:特定時期無し、影響度:中) 前項で述べた各臨床試験は、想定よりも患者様のエントリーに時間がかかる、などの理由で、完了までに予定よりも時間がかかるリスクがあります。臨床試験が長引きますと、その分、承認申請の予定が遅れ、事業計画が影響を受ける可能性があります。 当社ではこうしたリスクに対応するため、胆道がんの治験において経験豊富なCROと連携し、患者登録の迅速化を図る体制をとり、また、胆道がんの患者団体とも連携し、患者様に対してアプローチするチャネルも検討するとともに、患者様のエントリー時間を考慮した施設数を設定し、エントリーを促進してまいります。 ③ 海外におけるアライアンスパートナーに関するリスク(発生可能性:中、発生時期:特定時期無し、影響度:中) 大原薬品工業株式会社に導出している地域以外についても、当社で一定の段階まで開発を行ったうえで製薬企業に導出を行う予定です。既に候補となりうる製薬企業の選定と対話を始めておりますが、そのアライアンス契約に至るまでに予定よりも時間がかかる可能性があり、その場合、事業計画が影響を受ける可能性があります。 当社ではこうしたリスクに対応するため、外部の専門家を交えて、複数の候補企業にアプローチする体制を構築するとともに、導出に必要となる臨床・非臨床データの整備、特許の強化を図り、交渉の加速と契約成立の可能性向上に努めております。 II. 承認・上市に関するリスク① 薬事申請・承認に関するリスク(発生可能性:中、発生時期:特定時期無し、影響度:中) 当社は創薬ベンチャーとして、新しい医薬品の開発に取り組んでおります。当社が開発する医薬品は、各国の規制当局のルールに従い製造し、かつ非臨床試験・臨床試験によりその有効性や安全性などのデータを構築し、承認申請を行います。そのため、当社開発医薬品を次の開発フェーズに進ませられるかどうか、また承認を得られるかどうかは、最終的には各国規制当局の判断になります。必ずしも予定していた通りの内容やスケジュールで当局の判断が得られない可能性もあり、規制当局の判断により、予定する事業計画が影響を受ける可能性があります。 当社ではこうしたリスクに対応するため、規制当局との対話や、薬事専門家との連携による戦略的開発計画の策定等を行っております。 III. 事業継続・財務に関するリスク① 資金繰りについて(発生可能性:中、発生時期:特定時期無し、影響度:中) 当社は創薬事業を行っており、この事業特性上、研究開発費用の負担により、製品の上市に至るまでの長期に亘って先行投資の期間が継続することが想定されます。この先行投資期間においては、継続的に営業損失を計上するとともに、営業活動によるキャッシュ・フローもマイナスとなる傾向にあります。 このような事業特性の下、当社は、ライセンス契約の締結や開発の進捗に応じて、契約一時金や開発マイルストン収入などを収益として一時的に計上することがあります。ただし、これらの収益の一部、特に開発マイルストンやロイヤルティに関しては、臨床試験における有効な結果の取得や製造販売承認の取得といった成果が得られるまでは受領することができず、収益の実現には不確実性が伴います。当社はパイプラインの進捗に邁進し、製品市販後に利益計上及び利益拡大を目指していますが、開発が計画通りに進捗しない場合には、将来において当期純利益を計上する時期が遅延する可能性があります。 一方で、当社の事業活動には今後も多額の研究開発投資が継続的に必要となることから、引き続き外部からの資金調達を実施する可能性があります。これに伴い、株式の新規発行等によって株主の持分が希薄化する可能性があるほか、市況や株価動向、投資家需要などの影響により、希望する時期や条件で新株発行による資金調達が実施できない、または十分な規模で調達できないリスクも存在します。さらに、借入による調達を行う場合には、財務制限条項等の契約条件により、当社の事業活動に一定の制約が生じる可能性があります。 当社は、こうしたリスクを十分に認識した上で、資本政策の柔軟性を維持しつつ、資金調達手段やその時期、条件等を慎重に検討するとともに、株主及び投資家の皆様に対して適切かつタイムリーな情報開示に努めてまいります。 ② 調達資金の使途に関するリスク(発生可能性:小、発生時期:特定時期無し、影響度:中) 当社は、東京証券取引所グロース市場への上場に際し、公募増資により調達した資金を、当社パイプラインの研究開発活動及びこれに付随する経営資源への投入に充当する予定であります。 しかしながら、当社を取り巻く医薬品業界の動向や、当社における研究開発や事業開発の状況等により、上記計画以外の使途に充当する可能性があります。また、計画通りに調達した資金を使用した場合であっても、想定通りの効果を上げられない可能性があり、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 これらのリスクに鑑み、当社は資金の使途変更または計画との差異が生じた際には、速やかかつ適切に開示を行い、株主及び投資家の皆様への説明責任を果たしてまいります。 ③ 為替変動リスクについて(発生可能性:大、発生時期:特定時期無し、影響度:小) 当社では、臨床試験の実施をはじめとする医薬品開発活動において、海外の委託先を利用しており、それに伴い外貨建取引(主に米ドル建)を行っております。これらの取引においては、為替相場の変動に起因するリスクが存在し、為替レートの大きな変動の影響を受け、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 当社では、米ドル建て支出について、予算策定時に必要額を見積るとともに、資金繰り、為替水準及び支払時期等を踏まえ、外貨の確保時期及び確保額を検討しております。また、必要に応じて一定額の米ドルを事前に確保し、ドル建てで管理・運用すること等により、為替変動リスクの低減に努める方針です。 もっとも、為替相場が想定レートより円安で推移する場合には、外貨の確保に係る判断が当初想定と異なる可能性があり、為替変動による影響を完全に回避することは困難です。したがって、今後の為替相場の動向によっては、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 IV. 知財・競争優位性に関するリスク① 知的財産権に関するリスク(発生可能性:小、発生時期:特定時期無し、影響度:中)ナンブランラトにおいては、複数の特許で2040年以降までの独占権を担保する計画で進めております。そのうち、ナンブランラトのがん治療薬としての用途特許※(がん治療薬特許)は日米欧を含む主要国ではすでに特許が成立しております。これらの用途特許により事業の独占性が担保されると国際的な特許事務所から見解を得ております。JPH034においては、物質特許が2034年まで有効であることに加えて、中枢性の炎症疾患を対象とする用途特許が主要国で成立済です。 当社が出願人である、または当社がライセンスを有する登録済の主な重要特許一覧 発明の名称発明の内容出願人出願国特許又は出願番号登録年月日存続期間満了日がん治療薬JPH203のがん領域での用途特許ジェイファーマ株式会社日本JP6546367(登録番号)2019/6/282038/8/1日本JP6734971(登録番号)2020/7/142038/8/1日本JP7541400(登録番号)2024/8/302038/8/1アメリカUS12458628(登録番号)2025/11/42040/5/28欧州(ドイツ、フランス、イタリア、イギリス、スペイン、トルコ、オランダ、スイス)EP3733175(登録番号)2023/10/42038/8/1韓国KR10-2377742(登録番号)2022/3/182038/8/1カナダCA3083343(登録番号)2022/4/262038/8/1メキシコMX397404(登録番号)2022/11/112038/8/1特定の遺伝子マーカーを有する患者に用いるがん治療用の医薬組成物JPH203の投与にNAT2遺伝子診断をコンパニオン診断薬として組み合わせる添付文書特許ジェイファーマ株式会社日本JP6894155(登録番号)2021/6/72040/8/31抗がん剤及びがんを治療するための医薬組成物JPH203 (LAT1阻害剤)/PD-1, PD-L1抗体併用特許ジェイファーマ株式会社、大阪大学日本JP7369378(登録番号)2023/10/182038/11/7アメリカUS11899019(登録番号)2024/2/132040/5/18欧州(ドイツ、フランス、イタリア、イギリス、スペイン、トルコ、オランダ、スイス)EP3709021(登録番号)2025/3/192038/11/7中国ZL201880038920.9(登録番号)2024/1/92038/11/7韓国KR10-2328403(登録番号)2021/11/152038/11/7フェノキシアルキルアミン化合物JPH034物質特許国立大学法人大阪大学,神戸天然物化学株式会社日本JP6229896(登録番号)2017/10/272034/1/21アメリカUS9771316(登録番号)2017/9/262034/1/21欧州(ベルギー、 スイス、ドイツ、デンマーク、スペイン、フランス、イギリス、アイルランド、イタリア、オランダ、スウェーデン、トルコ)EP2947066(登録番号)2018/9/192034/1/21中国CN105263899(登録番号)2017/11/142034/1/21カナダCA2898610(登録番号)2021/1/192034/1/21Compositions and methods for treating inflammatory neurological disordersJPH034 MSに対する用途特許Georgetown University日本JP7629396(登録番号)2025/2/122039/10/2アメリカUS12447145(登録番号)2025/10/212042/12/30欧州(ベルギー、 スイス、ドイツ、デンマーク、スペイン、フランス、イギリス、アイルランド、イタリア、オランダ、スウェーデン、トルコ、フィンランド)EP4321216(登録番号)2025/12/102039/10/2 このような状況のもと、ナンブランラトに関しては事業の独占性を一層強化するため、特許の強化・延長に取り組んでおります。新しい特許が成立した場合、該当領域の事業において、独占期間の5年以上の延長が目指せることになり、より高い金額でのライセンス契約、長期間のロイヤルティ収入が期待できます。但し、現時点においてナンブランラト特許の強化・延長については不確定であり、既存特許に依存した事業化を進めなければならない可能性もあります。 当社が保有又はライセンスを受けている特許に対しては、将来的に無効等の主張や訴訟の提起がなされる可能性を完全に排除することはできません。これらが認められた場合には、当社の競争優位性や研究開発活動に支障を来し、経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 当社ではこうしたリスクに対応するため、各開発パイプラインに関連する用途特許等を更に模索すると同時に、ナンブランラトやJPH034に続くLAT1阻害剤の創薬研究にも取り組んでおり、知的財産ポートフォリオの強化による事業リスク低減を目指しております。そのような活動の一環として、当社は2025年6月に複数の創薬研究者を採用するとともに、外部の専門機関との連携体制を構築しております。これにより、特許の有効性や権利範囲を定期的に検証・管理しつつ、当社が想定する特許の成立に向けて全力で取り組んでおります。 ※用途特許とは、既知の物質や技術に対して新しい用途・適応を見出したことを保護する特許で、医薬品分野では既存成分の新しい治療効果を独占的に利用できる権利を与えるものです。 ② 開発競合リスク(発生可能性:中、発生時期:特定時期無し、影響度:中) LAT1特異的阻害剤として世界で初めてヒトに投与され、臨床試験で効果を示したナンブランラトのLAT1との複合体結晶構造が公開されており、その結晶構造を基に、新規LAT1選択的阻害剤を目指して新たに他社が参入もしくは更に研究を進めてくる可能性が考えられます。各疾患に対するLAT1阻害剤の有効性は人体での薬物動態にも依存するため、必ずしも他社の新規LAT1阻害剤が当社の狙う疾患で競合するとは限りません。しかしながら、競合するLAT1阻害剤を他社が開発し、当社の狙う疾患と同じ領域での開発が進んだ場合には、当社の経営成績及び事業展開に影響を及ぼす可能性があります。 当社ではこうしたリスクに対応するため、多発性硬化症などの中枢性の炎症疾患においてはLAT1阻害剤全体をカバーする包括的な用途特許についてGeorgetown大学より独占的通常実施権を取得し、Best-in-ClassのLAT1阻害剤の開発を進めると同時に、疾患ポートフォリオの多様化を進めることで競合との差別化を図っております。 なお、現時点において当社が認識している限りにおいてLAT1阻害剤として臨床開発を開始しているのは当社のナンブランラトとJPH034のみです。LAT1が関連する開発品・製品(2026年4月時点の各社公表資料等に基づく当社調査)開発品・製品名開発品・製品の概要当社のLAT1阻害剤との競合性TLX101LAT1を介し細胞内
経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析5,340字
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1) 経営成績等の状況の概要当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は以下のとおりであります。なお、当社は、創薬事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。 ① 経営成績の状況当社は、SLCトランスポーターの中でも、創業者である遠藤仁(現杏林大学名誉教授)が発見したLAT1(L型アミノ酸トランスポーター1)に着目し、がんや自己免疫疾患において、既存治療では十分な効果が得られていない患者様のニーズに応える新規治療薬の開発を推進しております。主要パイプラインの状況は以下のとおりとなっております。 a.ナンブランラト・胆道がんでの開発 ナンブランラトについては、国内第2相臨床試験に成功し、2024年9月19日に開催されたFDAとのType C Meetingにおいて、グローバル第3相臨床試験デザインに関して概要合意に至りました。加えて、2024年9月25日付で米国FDAより、がん患者を対象とした臨床試験開始に向けたInvestigational New Drug (IND)申請の承認を取得しました。また、その後、グローバル開発体制の整備を進めるとともに、2025年10月にドイツ・ベルリンで開催されたESMO2025(欧州臨床腫瘍学会)において、第2相試験のサブグループ解析及び、曝露-反応(Exposure-Response:ER)解析の結果をポスター発表しました。本解析により、第3相臨床試験における患者選択基準の最適化に資する重要な知見が得られております。さらに、CMC(化学・製造・品質管理)に関しても、2025年5月13日付で商業製造スケールにおける品質基準への適合について、FDAより肯定的な書面回答を受領しました。 これらの進展を踏まえ、当社は2025年12月にグローバル第3相臨床試験を開始しております。なお、2026年6月現在、計画通り順調に進捗しております。 また、国内においては、胆道がんの一次療法におけるナンブランラトと免疫チェックポイント阻害剤(ICI)との併用療法を検討する医師主導臨床試験(JON-2404-B)の準備が進められておりました。 その後、本試験の情報が2026年4月にJapan Registry of Clinical Trials(jRCT)へ試験情報が登録・公開されました。本試験は、公益財団法人がん研究会有明病院を代表施設として実施されるものであり、当社は同院との契約に基づき、本試験の円滑な遂行を支援してまいります。 なお、国内第2相試験の結果は、AACR(米国がん研究学会)発行の医学誌「Clinical Cancer Research」2024年9月15日発刊号に掲載されています。 ・適応拡大の取組 KRAS変異大腸がんを対象とした開発についても準備を進めているほか、希少疾患を対象とした非臨床試験にも取り組んでおります。 当社は、高い安全性及び忍容性を有するナンブランラトを、高齢患者への長期投与も可能な新たな治療選択肢として開発し、がん領域におけるアンメット・メディカル・ニーズの解消を通じて、"Feel Better & Live Longer"の実現に貢献してまいります。 b.JPH034 JPH034は、中枢神経系の自己免疫疾患の一つである再発を伴わない2次性進行型多発性硬化症を主な対象として開発を進めています。本開発プログラムは、米国 National Multiple Sclerosis Society(NMSS)のFast Forward Research Grantに採択され、60万米ドルの補助金を獲得しました。さらに、国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)の創薬ベンチャーエコシステム強化事業にも採択され、IPOに至るまで継続的な支援を受けておりました。 知財面では、米国Georgetown大学が保有するLAT1阻害剤の中枢性炎症性疾患(多発性硬化症を含む)に関する用途特許について、グローバルでの独占的通常実施権を取得し、開発及び商業化における競争優位性の強化を図っております。 研究開発面では、同大学によるマウスモデル試験においては、LAT1阻害剤による臨床スコアの改善、免疫調整作用及び神経保護作用、視覚誘発電位(VEP)遅延の改善などが確認されました。加えて、フィンランドのTurku PET Centreとの委託臨床研究を通じて、中枢神経系の炎症要因の一つであるミクログリアの活性化とLAT1の発現が脱髄病巣レベルで共存することを確認しています。 さらに、AMED補助金の支援のもと開発を進め、米国時間2026年3月22日に米国における第1相臨床試験を開始し、最初の被験者への投与を実施しました。 なお、2026年6月現在、本試験において安全性、忍容性及び薬物動態に関するデータの取得を進めています。加えて、グリオーマに対する臨床試験実施に向けた検討も進めております。 c.次世代パイプライン(ナンブランラトの後継品) これまで当社が培ってきたトランスポーター創薬のプラットフォーム技術を活かし、ナンブランラトの後継品の創薬に取組んでおります。トランスポーターに関する高度な知見を有する当社ならではの強みを活かし、革新的な新薬の創出を目指します。 当社は、グローバル医薬品開発に豊富な経験を有する経営陣及び研究開発チームを中心に体制を構築するとともに、世界最先端の知見を有するアドバイザー及びアカデミアとの連携を強化し、グローバルでの医薬品開発及び事業化の実現に取組んでまいります。 以上を受けた当事業年度の経営成績は、事業収益は計上がなく、営業損失3,710,176千円(前事業年度は営業損失1,595,660千円)、経常損失2,636,377千円(同 経常損失1,527,089千円)、当期純損失2,466,416千円(同 当期純損失1,499,008千円)となりました。 ② 財政状態の状況(資産) 当事業年度末の総資産は4,761,406千円となり、前事業年度末に比べ1,904,687千円増加しました。これは主に、第三者割当増資、及び公募増資等により現金及び預金が2,149,681千円増加した一方で、研究開発に関連する前渡金が319,298千円減少したこと等によるものであります。 (負債) 当事業年度末の負債は383,078千円となり、前事業年度末に比べ95,771千円減少しました。これは主に、JPH034の開発に係る国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)からの補助金に関する預り金が209,261千円減少した一方で、研究開発に関連する未払金が103,048千円増加したこと等によるものであります。 (純資産) 当事業年度末の純資産は4,378,327千円となり、前事業年度末に比べ2,000,458千円増加しました。株式の発行及び新株予約権の行使により資本金、資本剰余金がそれぞれ2,613,187千円増加したのに対して、欠損填補により、資本金が660,490千円、資本剰余金が838,518千円減少しております。また、新株予約権について、発行等により302,056千円増加し、行使により876,736千円、放棄により184,820千円減少しております。さらに当期純損失の計上及び欠損填補により利益剰余金が967,407千円減少したことによるものであります。 ③ キャッシュ・フローの状況 当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は4,452,646千円となり、前事業年度末から2,150,783千円増加しました。当事業年度におけるキャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。 (営業活動によるキャッシュ・フロー) 当事業年度において営業活動の結果使用した資金は2,248,727千円(前事業年度に使用した資金は1,694,864千円)となりました。これは主として、ナンブランラトのグローバル第3相臨床試験、及びJPH034の第1相臨床試験の準備並びに実施したこと等による税引前当期純損失2,465,300千円の計上によるものであります。 (投資活動によるキャッシュ・フロー) 当事業年度において投資活動の結果使用した資金は3,667千円(前事業年度に使用した資金は191千円)となりました。これは主として、有形固定資産の取得による支出4,024千円や敷金及び保証金の差入による支出6,840千円があったことに対して、子会社の清算による収入9,442千円があったことによるものであります。 (財務活動によるキャッシュ・フロー) 当事業年度において財務活動の結果獲得した資金は4,333,814千円(前事業年度に獲得した資金は2,924,000千円)となりました。これは主として、第三者割当増資、及び公募増資等での株式の発行による収入3,777,261千円があったことによるものであります。 ④ 生産、受注及び販売の実績a.生産実績 当社は生産活動を行っておりませんので、該当事項はありません。 b.受注実績 当社は受注生産を行っておりませんので、該当事項はありません。 c.販売実績 当社は当事業年度においては、該当事項はありません。 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容 経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は以下のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。① 財政状態及び経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容 当事業年度の経営成績及び財政状態に関する認識及び分析・検討内容については、上記「(1)経営成績等の状況の概要 ① 経営成績の状況」及び「(1)経営成績等の状況の概要 ② 財政状態の状況」に記載しております。 ② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報 当社の事業活動における主な資金需要は、研究開発に伴う大学等の研究機関との共同研究、非臨床試験や臨床試験を含む当社が保有するパイプラインの開発費、ナンブランラトの特許の強化・延長のための研究費、次期パイプラインの基礎研究及び創薬研究、創薬基盤技術の研究、並びに特許出願に係る費用などです。特にナンブランラトの胆道がんに対する開発が進展しており、グローバル対応のための薬事関連費用や臨床試験費用などの支出が必要となっております。化合物の価値をさらに高めるため、引き続き投資を行う計画であります。 当社はこれらに必要な資金は、過去に実施した増資資金及び株式公開における資金調達で賄う予定です。また、資金の流動性については現金及び現金同等物において確保を図っております。 なお、当社では支払い案件ごとに費用を積み上げる方法で詳細な費用計画を立てることで、将来の資金需要を精緻に予測しております。流動性リスクを管理するための定量的な指標は現時点では設定しておりませんが、支出状況及び資金残高の定期的なモニタリングを実施しております。その結果、資金繰りに懸念が生じる可能性があると判断した場合には、研究開発活動の優先順位を踏まえた支出の抑制や支出時期の見直し等を行うことにより、資金の流動性確保に対応する方針としております。 キャッシュ・フローの状況に関する認識及び分析・検討内容につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ③ キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。 ③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定 当社の財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。財務諸表の作成にあたっては、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要としております。経営者はこれらの見積りについて、過去の実績や現状等を勘案し合理的に見積り、計上しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性が存在するため、これらの見積りと異なる場合があります。 当社の財務諸表の作成にあたって、会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。 ④ 経営成績に重要な影響を与える要因について 上記「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。 ⑤ 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等についての分析 上記「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (4)経営上の目標の達成状況を把握するための客観的な指標等」に記載のとおりであります。
サステナビリティに関する考え方及び取組3,403字
2【サステナビリティに関する考え方及び取組】 当社のサステナビリティに関する考え方及び取組は、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであります。(1)サステナビリティに関する考え方 当社は、「SLCトランスポーター創薬の新たな可能性を追求し、グローバルベンチャーとして世界中の人々が抱えるアンメット・メディカル・ニーズに応える革新的新薬の開発を通じ、人々が健康を維持し、希望を持ち続けることに貢献します」を企業理念に掲げ、この理念実現のために、グローバルベンチャーとして挑戦する情熱、サイエンスの追求、コンプライアンスの徹底遵守を行動規範として定めております。 当社は、未だ十分に開拓されていないものの有望な治療ターゲットと考えられるSLCトランスポーターを開発対象とし、SLCトランスポーターから有望な治療ターゲットとなるトランスポーターを選定し、その役割やメカニズムを解明することで、アンメット・メディカル・ニーズに応える医薬品開発に取組み続けてまいります。 また、当社が持続的にアンメット・メディカル・ニーズに応える医薬品開発を実現するためには、当社の経営理念実現に向けて行動する、多様な人材を活用することが重要であり、社内労働環境の整備、各従業員の健康管理、ワークライフバランスの取れた働き方の実現等を通じ、社員が生き生きと働くことができるような組織風土の構築に全社的に取組む必要があると考えております。 当社はアンメット・メディカル・ニーズに応える革新的新薬の開発を通じて、持続可能な社会の継続に貢献すべく、長期的な視野に立って事業活動を推進してまいります。 また、当社は、非上場の段階からインパクトファンドより出資を受け、社会に対してポジティブなインパクトをもたらす事業展開を行うことにコミットしております。その一環として、当社では多くの医療従事者や患者インタビューを通じて、図1に示す因果ループ図を構築しました。 図1:「新薬の開発を通じて患者さんが希望を持ち続けることに貢献する」を表した因果ループ図 当社は、治療効果の追求のみならず、患者様が治療の選択肢を持ち、医師との信頼関係のもとで納得感を持って治療に臨めることも重要な社会的価値であると認識しております。図1は、当社が多くの医療従事者や患者様へのインタビューを通じて整理した因果ループ図であり、新たな治療選択肢の提供が、患者様の安心感、納得感、医師と患者様との信頼関係、ひいては生活の質の向上に寄与し得るという考え方を示したものです。この考え方は、当社が掲げる“Feel Better & Live Longer”の実現に通じるものであります。 近年の外部研究では、がん治療薬の効果の評価項目として頻繁に用いられる腫瘍縮小率(ORR)や無増悪生存期間(PFS)が、必ずしも全生存期間(OS)の延長と相関しないケースが報告されています※1。こうした背景から、従来の「腫瘍縮小率」などの単一指標のみでは治療効果を適切に評価することが難しいという課題も指摘されています。 当社は、このような未充足の医療ニーズを背景に、新たな作用機序の創薬研究開発を進めております。当社が開発するLAT1阻害剤は、アンメット・メディカル・ニーズを有する患者様及びそのご家族に対して、ORRやPFSといった従来の臨床評価項目にとどまらず、治療選択肢の拡大、治療への納得感、医師と患者様との円滑なコミュニケーション等、より広範な課題への貢献を目指すものであります。また、医師にとっても、臨床現場における新たな治療選択肢の候補となり得ることで、患者様の状態や希望に応じた診療プロセスの向上に資する可能性があると考えております。 当社では、このような考え方の下で創薬研究開発を進め、今後、臨床試験の進捗、対象疾患における治療選択肢拡大への貢献可能性、患者様・医療従事者への提供価値等を踏まえ、インパクトの測定・マネジメントに関する適切な方法の整備に向けた検討を進めていく方針です。番号解説または引用※1M. Merino et al., "Irreconcilable differences: The divorce between response rates, progression-free survival, and overall survival" J Clin Oncol., 2023, 41, 2706–2712. (2)サステナビリティへの取組① ガバナンス 当社は、取締役会及びリスク・コンプライアンス委員会の活動を通し、サステナビリティ経営を実現するための当社戦略の実施及びサステナビリティ関連のリスク及び機会の監視・管理を行っております。当社では、サステナビリティ関連の戦略の立案、実行及びその監督にあたり、代表取締役社長を委員長とするリスク・コンプライアンス委員会において実施し、その内容や重要性に応じて取締役会に諮り、決定しています。 当社のコーポレート・ガバナンスに関する詳細は、「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等」をご参照ください。 なお、サステナビリティ関連のリスク及び機会を監視し、管理するためのガバナンスのプロセス及びその手続については、当社の状況に応じて今後検討を行う予定です。 ② リスク管理 当社では、リスク管理体制の基本として「リスクマネジメント・コンプライアンス規程」を制定しております。代表取締役社長を委員長とし、委員会の構成メンバーは業務執行取締役、部長、ディレクターとし、監査等委員会委員長のほか、代表取締役社長が指名した者をオブザーバーとして参加させることができるリスク・コンプライアンス委員会を設置し、原則として年に2回以上開催することとしております。 同委員会において、サステナビリティを含む事業のリスク及び機会を識別し、その発生可能性や影響度を評価し、その対応策を検討しております。また、識別されたリスク及び機会については、評価及び対応策の実施状況について同委員会で定期的にモニタリングを行うとともに、その結果を取締役会へも報告し、協議しております。 当社は研究開発段階にある創薬ベンチャーであり、臨床試験の進捗に伴い研究開発費が先行して発生する事業特性を有しております。そのため、研究開発活動の継続性、財務基盤の維持・強化、適切なパートナリングの推進についても、持続的な企業価値向上に関わる重要なリスク及び機会として認識しております。 当社が認識する事業上等のリスクに関する詳細は、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」をご参照ください。 なお、サステナビリティ関連のリスク及び機会を識別し、評価し、及び管理するための具体的なプロセス等については、当社の状況に応じて今後検討を行う予定です。 ③ 戦略a.人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針 人材の多様性については、当社が持続的な成長を遂げるためには多様性の観点で人材を活用すべきであると考えております。しかし、適材適所の人材を中途採用での獲得を中心に行っている当社の現状では、多様性に関する数値目標を設定するのではなく、多様な人材が当社にエントリーしやすく、かつ活躍できるような環境を整えることが重要であると認識しております。 人材の育成については、当社の価値創造の源泉は、人的資本であると考えております。よって、人的資本を重要視して投資を行うことで、持続的な成長と企業価値向上の実現に繋げてまいります。特に当社では、各部門において業務遂行上必要である他、スキルアップとなる研修の受講を積極的に推奨しております。 b.社内環境整備に関する方針 働き方改革の観点から、役職員が柔軟な働き方ができるよう、リモートワーク制度を導入しております。 ④ 指標及び目標 上記「③戦略」において記載したとおり、当社では多様な人材確保や人材育成を重要な戦略として取り組んでおりますが、組織が拡大中であることや定点観測が困難であるため、現時点では定量的な指標や目標は設定しておりません。今後、成長を続ける中で適切な指標や目標の設定について検討を進めていく予定です。
コーポレート・ガバナンスの概要6,518字
(1)【コーポレート・ガバナンスの概要】① コーポレート・ガバナンスに関する基本的な考え方 当社は、株主をはじめとするステークホルダーに対して経営の透明性を確保し、合理的・効率的な経営活動を行うことによって、企業価値を継続的に高めることを経営の基本方針としております。これらの実現のためには、コーポレート・ガバナンスを有効に機能させ、さらにこの機能を充実させることが肝要であると考えております。 ② 企業統治の体制の概要及び当該体制を採用する理由 当社のコーポレート・ガバナンス体制は、事業規模・形態及び経営の効率化等を勘案し、監査等委員会設置会社を採用しております。現行の体制は、迅速な意思決定と業務執行による経営の効率性と、適正な監督及び監視を可能とする経営体制が効果的に機能していると判断しております。 このため、監査等委員会設置会社を引き続き採用するとともに、コーポレート・ガバナンスの実効性の確認と企業倫理やコンプライアンスの徹底に努めてまいります。 当社のコーポレート・ガバナンス体制の概要は以下のとおりです。 a 取締役会 取締役会は、本書提出日現在、取締役6名(うち監査等委員である取締役3名)で構成されており、毎月1回開催される定時取締役会に加え、必要に応じて臨時取締役会を開催しております。取締役会では、経営(基本方針の決定、中期経営計画・年度予算の承認等)及び業務執行(組織及び人事に関する事項、研究開発等)に関する重要事項を審議、決定し、充分な議論のうえで経営の意思決定を行っております。議長:代表取締役 吉武 益広構成:代表取締役 吉武 益広取締役 藤本 裕社外取締役 三浦 泰夫社外取締役 森 俊介(監査等委員)社外取締役 田島 照久(監査等委員)社外取締役 川口 幸作(監査等委員)なお、当社は、2026年6月26日開催予定の定時株主総会の議案(決議事項)として、「取締役(監査等委員である取締役を除く。)4名選任の件」を提案しており、当議案が承認可決されますと、取締役7名(うち社外取締役4名)となる予定です。 b 監査等委員会 監査等委員会は、監査等委員である取締役3名(うち社外取締役3名)で構成され、原則として月1回開催することとしております。監査等委員は、取締役会等の重要会議に出席し、監査等委員でない取締役の職務遂行を監督するとともに、適法性及び妥当性の観点から監査を行うこととしております。また、監査等委員である社外取締役3名はそれぞれ、バイオ企業の経営経験者、公認会計士、弁護士の有資格者であり、それぞれの職業倫理の視点から経営に対する監視を行う役割を担っております。議長 :常勤監査等委員 森 俊介構成員:森 俊介(社外取締役)、田島 照久(社外取締役)、川口 幸作(社外取締役) c 会計監査人 当社は、監査法人銀河と監査契約を締結し会計監査を受けております。なお、同監査法人及び当社監査に従事する同監査法人の業務執行社員と当社の間には特別な利害関係はありません。 d 内部監査担当者 当社では、代表取締役社長直属の内部監査担当者3名を任命しております。内部監査担当者が各部門の業務執行の妥当性・適法性・効率性についてチェック、検証を行うために、監査計画に基づき各部門に対する監査を行っております。監査結果については代表取締役社長に報告し、業務改善に役立てております。なお、当社では、内部監査担当者、監査等委員並びに会計監査人が、監査を有効かつ効率的に進めるために適宜情報交換を行っております。 e リスク・コンプライアンス委員会 リスク管理・コンプライアンス体制の基本として「リスクマネジメント・コンプライアンス規程」を制定しております。また、リスクマネジメント・コンプライアンス規程に定められているとおり、代表取締役社長を委員長とし、業務執行取締役、ディレクター、部長によって構成されるリスク・コンプライアンス委員会を設置しております。なお、本委員会には、監査等委員会委員長のほか、代表取締役社長が指名した者をオブザーバーとして参加させることができることとなっております。これにより、リスクマネジメント体制の維持並びにコンプライアンス活動を、一元的に管理・運営しております。 f 経営会議 経営会議は、代表取締役社長、業務執行取締役、参与で構成され、夫々の業務執行状況を確認するとともに、経営会議規程や決裁権限基準に基づいて経営に係る重要事項について審議を行っております。なお、本会議には監査等委員会委員長、および代表取締役社長が指名した者がオブザーバーとして参加することができることとなっております。 ③ 企業統治に関するその他の事項 当社の内部統制システムに関する基本的な考え方及びその整備状況は、以下のとおりであります。1.取締役及び使用人の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制(1)経営理念及び行動規範の趣旨徹底を図ることにより、役職員のコンプライアンス意識の醸成及び向上に努めるものとする。(2)役職員は、法令、定款、株主総会決議、取締役会決議及び社内規程等の定めに従い、職務を執行するものとする。(3)社外取締役を設置して、取締役の職務執行に対する牽制並びに監督機能の向上を図り、コーポレート・ガバナンスの充実に努めるものとする。(4)内部監査を徹底して、使用人の法令、定款及び社内規程等の遵守状況を確認し、必要に応じて是正を講ずるものとする。(5)内部通報制度を設けるほか、コンプライアンスに関する教育研修を実施して、コンプライアンス体制の充実に努めるものとする。 2.取締役の職務の執行に係る情報の保存及び管理に関する体制 議事録、稟議書及び職務執行に係る重要な情報が記載されたその他の文書等は、法令及び文書管理規程等に基づき、電磁的記録又は文書により、秘密保持に万全を期して保存するとともに、適時に閲覧できるよう検索性の高い状態での管理に努めるものとする。 3.損失の危険の管理に関する規程その他の体制 当社のリスク管理体制につきましては、取締役会、監査等委員会、内部監査担当者が連携し、さらに、リスク・コンプライアンス委員会でのリスク管理を通じて、経営活動に重大な影響を及ぼす懸念のあるリスクを迅速に認識できるような体制づくりに努めるものとする。また、具体的な対応については、その必要度に応じて、弁護士、監査法人、税理士などの専門家と協議し、迅速かつ適切な対処ができるような体制づくりに努めるものとする。 4.取締役の職務の執行が効率的に行われることを確保するための体制(1)取締役会を毎月1回定期に開催するほか、必要に応じて臨時に開催し、取締役の職務執行を監督するものとする。(2)取締役は、取締役会で決定した経営の基本方針等の下に職務執行するとともに、その執行状況を取締役会に報告するものとする。(3)業務分掌規程、決裁権限基準及び稟議規程等を定め、業務執行の責任体制と業務プロセスを明確にすることにより、取締役会の決定に基づく職務執行について、迅速かつ効率的な処理が行える体制を構築するものとする。 5.監査等委員会の職務を補助すべき取締役及び使用人に関する事項、それらの取締役及び使用人の他の取締役(監査等委員である取締役を除く)からの独立性に関する事項並びにそれらの取締役及び使用人に対する指示の実効性の確保に関する事項(1)監査等委員会が必要とした場合、監査等委員会の職務を補助する使用人を置くものとする。なお、監査等委員会の職務を補助する取締役は置かない。(2)当該使用人の人事異動、人事評価、懲戒処分等には、監査等委員会の同意を得たうえで行うものとし、業務執行者からの独立性を確保する。(3)当該使用人が他部署の使用人を兼務する場合は、監査等委員会に係る業務を優先して従事する。 6.取締役(監査等委員である取締役を除く)及び使用人が監査等委員会に報告するための体制及びその他の監査等委員会への報告に関する体制(1)監査等委員会は、法律に定める事項の他、取締役及び使用人が監査等委員会に報告すべき事項を取締役と協議して定め、その報告を受けるものとする。(2)取締役及び使用人は、監査等委員会に対して、会社に著しい損害を及ぼすおそれのある事実、職務の執行に関する不正行為又は法令もしくは定款に違反する事実を遅滞なく報告するものとする。(3)監査等委員会は必要に応じて、取締役及び使用人に対して報告を求めることができる。監査等委員は、取締役会へ出席するほか、必要に応じて経営会議及びその他の重要な会議に出席して、又はその議事録等を閲覧するものとする。 7.前6号の報告をした者(以下「報告をした者」という。)が当該報告をしたことを理由として不利な取扱いを受けないことを確保するための体制(1)当社は、報告をした者に対し、当該報告をしたことを理由として不利な取扱いを行うことを禁止し、その旨を当社の取締役及び使用人に周知徹底する。(2)監査等委員は、取締役又は使用人から得た情報について、第三者に対する報告義務を負わない。(3)監査等委員会は、報告をした使用人の異動、人事評価及び懲戒等に関して、取締役にその開示を求めることができる。 8.監査等委員の職務の執行(監査等委員会の職務の執行に関するものに限る)について生ずる費用等の処理に係る方針に関する事項 監査等委員がその職務の執行について生ずる費用の前払い又は償還の手続きその他の当該職務の執行について生ずる費用又は債務の処理の請求をしたときは、当該請求に係る費用が監査等委員の職務の執行に必要でないと認められる場合を除き、速やかに処理をする。 9.その他監査等委員会の監査が実効的に行われることを確保するための体制(1)監査等委員会は、代表取締役と定期的に会合をもち、当社が対処すべき課題、監査等委員会監査の環境整備の状況、監査上の重要課題等について意見を交換する。(2)監査等委員会は、会計監査人及び内部監査担当者とも連携して監査の実効性を確保する。(3)監査等委員の過半数は社外取締役とし、監査の透明性を確保する。 10.財務報告の信頼性を確保するための体制 財務報告の信頼性を確保するため、金融商品取引法に基づく内部統制が有効に行われる体制を構築し、内部統制システムの整備及び運用を行うとともに、その仕組みが適正に機能することを継続的に評価し、必要な是正を行う。 11.反社会的勢力の排除に向けた基本的な考え方及びその整備状況(1)市民社会の秩序や安全に脅威を与える反社会的勢力に対しては、毅然とした態度で対応し、一切の関係を持たないことを基本方針とする。(2)取引開始に際して、取引先の反社会性を検証するものとする。(3)取引先に反社会性が確認された場合は、速やかに取引を解消するものとする。(4)平素から、法律顧問及び警察等の外部専門機関と連携して情報収集に努めるとともに、有事における対応体制を整備するものとする。 ④ 取締役の定数 当社の取締役(監査等委員であるものを除く。)は10名以内、監査等委員である取締役は4名以内とする旨を定款に定めております。 ⑤ 取締役の選任の決議要件 取締役の選任決議は、監査等委員とそれ以外の取締役とを区別して株主総会において議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、出席した当該株主の議決権の過半数をもって行う旨、また、累積投票によらないものとする旨を定款に定めております。 ⑥ 株主総会の特別決議の要件 株主総会の円滑な運営を行うことを目的として、会社法第309条第2項に定める特別決議について、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の3分の2以上をもって行う旨を定款に定めております。 ⑦ 取締役の責任限定契約 当社は、会社法第427条第1項に規定により、取締役(業務執行取締役等であるものを除く。)との間で、同法第427条第1項の賠償責任を法令の定める限度まで限定する契約を締結しております。当該契約に基づく損害賠償責任限度額は、法令が定める額としております。なお、当該責任限定が認められるのは、当該業務執行取締役等でない取締役が責任の原因となった職務の遂行について善意かつ重大な過失がないときに限られます。 ⑧ 補償契約 該当事項はありません。 ⑨ 役員賠償責任保険契約 当社は会社法第430条の3第1項に規定する役員等賠償責任保険契約を保険会社との間で締結し、被保険者が会社の役員としての業務につき行った行為(不作為を含む。)に起因して損害賠償請求がなされたことにより、被保険者が被る損害賠償金や争訟費用等を当該保険契約により填補することとしております。保険料は全額当社が負担しております。なお、贈収賄などの犯罪行為や意図的に違法行為を行った役員自身の損害等は補償対象外とすることにより、役員等の職務の執行の適正性が損なわれないように措置を講じております。 ⑩ 取締役会決議事項とした株主総会決議事項a 取締役の責任免除 当社は、会社法第426条第1項の規定により、取締役(取締役であった者を含む。)の同法第423条第1項の賠償責任を、法令の定める限度まで、取締役会の決議により免除することができる旨を定款に定めております。これは、取締役が職務を遂行するにあたり、その能力を十分に発揮して、期待される役割を果たしうる環境を整備することを目的とするものであります。 b 自己の株式の取得 当社は、会社法第165条第2項の規定により、取締役会の決議によって自己の株式を取得することができる旨を定款に定めております。これは、経営環境の変化に対応した機動的な資本政策を遂行することを目的とするものであります。 c 剰余金の配当等の決定機関 当社は、機動的な資本政策及び配当政策を遂行するため、剰余金の配当等会社法第459条第1項各号に定める事項については、法令に別段の定めがある場合を除き、取締役会の決議によって定めることができる旨を定款に定めております。なお、期末配当につきましては、株主総会にお諮りし決定することとしております。 また、当社は毎年9月末日を基準日として、中間配当を行うことができる旨を定款に定めております。中間配当の決定機関は取締役会であります。 ⑪ 取締役会の活動状況 当事業年度において取締役会を原則として月1回開催しており、個々の取締役の出席状況は以下のとおりであります。役職名
役員の報酬等3,253字
(4)【役員の報酬等】① 役員の報酬等の額又はその算定方法の決定に関する方針に係る事項 当社は、2023年10月12日開催の取締役会において、取締役(監査等委員を除く。以下、本項において同じ。)の個人別の報酬等の内容の決定に関する方針を決定したのち、2025年3月13日開催の取締役会において同方針を改定し、当社取締役の報酬については、役員報酬規程に従い決定することとしております。 役員報酬規程に沿った概要は以下のとおりです。当社の取締役の報酬は、固定金銭報酬(基本報酬)及び株式型報酬(中長期インセンティブ)とし、その総額及び割合については、職務内容、社会的地位、就任の事情、業績、世間水準などを総合的に勘案したうえで、持続的な成長に向けた健全なインセンティブとなり、また株主と利害を共有するよう決定する。当該報酬の支給時期は、固定金銭報酬については在任期間中、月割りで支給し、株式報酬については必要に応じて随時支給する。 現在の業務執行取締役の個人別報酬決定は非上場企業の役員報酬の世間一般的な水準、当社の業績見込み、従業員給与の最高額、職務内容、社会的地位、就任の事情を総合的に勘案し、また、非業務取締役の個人別の報酬は、職務内容、社会的地位、就任の事情などを総合的に考慮し、株主総会の決議により定められた報酬限度額の範囲内において取締役会で決議しております。 2025年3月13日の方針改定前までに決定された取締役の個人別の報酬等については、取締役会において、当時の決定方針との整合性を確認したうえで決議しており、同日以降に決定された取締役の個人別の報酬等についても、現行の決定方針との整合性を確認したうえで決議しております。さらに、改定後の現行方針は改定前の方針とも整合していることから、取締役会としては、これらの取締役の個人別の報酬等は、いずれも改定後の方針に沿うものであると判断しております。 また、今後報酬委員会を設置することとしており、報酬委員会設置後においては、取締役の個人別報酬の決定は、委員の過半数を社外取締役とする報酬委員会を設け、その検討結果(答申)を踏まえた上で、取締役会で決定する予定です。もっとも、現時点においては、当社取締役会は独立社外取締役が過半数を占める構成となっていることから、任意の報酬委員会は設置しておりません。現時点の取締役の個人別の報酬等の決定に当たっては、取締役会において役員報酬の構成及び水準について十分に審議するとともに、独立社外取締役のみで協議を行い、その内容を取締役会にフィードバックすることにより、客観性及び牽制機能を確保することとしております。 監査等委員である取締役については株主総会の決議により定められた報酬限度額の範囲内において監査等委員会で決定しております。 なお、報酬限度額は、2023年9月11日開催の臨時株主総会において、取締役に対して年額300百万円以内、監査等委員である取締役に対して年額100百万円以内と決議されております。なお、当該株主総会終結時点の監査等委員を除く取締役の員数は6名(うち、社外取締役は4名)、監査等委員である取締役の員数は0名でしたが、当該各決議は、2023年10月1日付で監査等委員会設置会社へ移行することを予定して行われており、監査等委員会設置会社へ移行した時点の取締役(監査等委員を除く。)の員数は5名(うち、社外取締役は3名)、監査等委員である取締役の員数は3名(社外取締役は3名)であります。 なお、2026年6月26日に開催予定の第21回定時株主総会の決議事項として、第3号議案「取締役(社外取締役及び監査等委員である取締役を除く。)に対する譲渡制限付株式の付与のための報酬決定の件」の議案が承認可決された場合、取締役に対する報酬限度額年額300百万円の内枠で、取締役(社外取締役及び監査等委員である取締役を除く。)に対する譲渡制限付株式の付与のための報酬等として年額50百万円以内(株数として年56,819株以内)が設定されます。 また、当該株主総会終結時点の監査等委員を除く取締役の員数は4名(うち、社外取締役は1名)、監査等委員である取締役の員数は3名(社外取締役は3名)であります。 ② 役員区分ごとの報酬等の総額、報酬等の種類別の総額及び対象となる役員の員数役員区分報酬等の総額(千円)報酬等の種類別の総額(千円)対象となる役員の員数(名)固定報酬業績連動報酬退職慰労金非金銭報酬等取締役(監査等委員及び社外取締役を除く)323,46459,080--264,3843監査等委員(社外取締役を除く)------社外役員35,89619,740--16,1564(注)1.上記の非金銭報酬等はストックオプション報酬として割り当てた新株予約権に係る当事業年度における費用計上 額を記載しております。 なお、2025年4月1日開催の臨時株主総会において、上記報酬限度額とは別枠で、取締役(監査等委員である取締役を除く。)に対するストックオプション報酬額及び内容、監査等委員である取締役に対するストックオプション報酬額及び内容、並びに取締役(監査等委員である取締役を含みます。)に対して特に有利な条件をもって新株予約権を発行することについて決議されております。なお、当該株主総会終結時点の取締役(監査等委員である取締役を含みます。)の員数は11名(うち、取締役(監査等委員を除く。)は8名〔社外取締役5名〕、取締役(監査等委員)は3名〔社外取締役3名〕)です。さらに、当該決議を受け、同日開催の取締役会において、ストックオプションとして割り当てる第10回新株予約権の募集事項が決定されております。当該新株予約権の総数は114,600個とし、その内訳は取締役(監査等委員である取締役を除く。)に対して108,000個、監査等委員である取締役に対して6,600個であります。また、行使価額は1円、割当日は2025年4月2日とし、行使期間は割当日から2035年4月1日までとしております。2.上表には、2025年8月25日付で辞任により退任した取締役1名に対する報酬25,000千円および同氏に付与した新株予約権に係るストックオプション報酬97,920千円を含んでおります。なお、当該新株予約権は放棄されており、計上したストックオプション報酬と同額の97,920千円を新株予約権戻入益として計上しております。また、上表には、長期的なインセンティブ付与を目的として、現任の取締役が保有していた新株予約権を放棄したうえで、2025年4月に新たに付与した新株予約権に係るストックオプション報酬122,400千円を含んでおります。当該放棄に伴い、放棄された新株予約権に係るストックオプション報酬と同額の79,968千円を新株予約権戻入益として計上しております。3.取締役の支給員数は、無報酬の取締役5名(うち社外取締役5名)を除いております。 ③ 役員ごとの報酬等の総額等氏名報酬等の総額(千円)役員区分会社区分報酬等の種類別の総額(千円)固定報酬業績連動報酬退職慰労金非金銭報酬等吉武益広140,400代表取締役社長提出会社18,000--122,400舛屋圭一122,920代表取締役Co-CEO提出会社25,000--97,920(注)1.長期的なインセンティブ付与を目的として、吉武益広が保有していた新株予約権(79,968千円)を放棄したうえで、2025年4月に新たに付与した新株予約権に係るストックオプション報酬122,400千円を非金銭報酬等として計上しております。2.舛屋圭一に付与した新株予約権に係るストックオプション報酬97,920千円を非金銭報酬等として記載しておりますが、退任時にストックオプションが放棄されており、97,920千円を新株予約権戻入益として計上しております。
従業員の状況722字
(2)【従業員の状況】① 提出会社の状況 2026年3月31日現在従業員数(名)平均年齢(歳)平均勤続年数(年)平均年間給与(千円)平均年間給与の対前事業年度増減率(%)16(2)52.52.211,21722.53(注)1.従業員数は就業人員(委任契約である参与を含む)を記載しております。また、臨時従業員(アルバイト、パートタイマーを含み、派遣社員は除く)は、年間の平均人員を()内に外数で記載しております。なお、当期中において従業員数が5名増加しております。主な理由は、臨床開発の進捗に伴う業務拡大、及びSLCトランスポーター創薬のプラットフォーム化への対応等のため期中採用が増加したことによるものであります。2.平均年間給与は、基準外賃金を含んでおります。3.当社は創薬事業の単一セグメントであるため、セグメント情報との関連については、記載しておりません。 ② 労働組合の状況 当社において労働組合は存在しませんが、労使関係については円滑な関係にあります。 ③ 使用人等のみに対して付与した新株予約権の内容 当社は、使用人等のみに対する新株予約権を付与しております。当該新株予約権の内容については、「1 株式等の状況 (2) 新株予約権等の状況 ①ストックオプション制度の内容」に記載しております。 ④ 管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異 当社は、「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律(平成27年法律第64号)」及び「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律(平成3年法律第76号)」の規定による公表義務の対象ではないため、記載を省略しております。
関係会社の状況22字
4【関係会社の状況】 該当事項はありません。
配当政策346字
3【配当政策】 当社は、株主への利益還元を重要政策の一つと認識しており、配当については、研究開発への投資に備えるため内部留保の充実を勘案して決定する方針をとっております。当面は、積極的な研究開発を進めるために無配を予定し、利益による内部留保資金全額を研究開発に充当する方針であります。 当社は、機動的な資本政策及び配当政策を図るため、剰余金の配当等会社法第459条第1項各号に定める事項については、法令に別段の定める場合を除き、取締役会の決議で定めることができる旨定款に定めておりますが、期末配当につきましては、株主総会にお諮りし決定することとしております。 また、当社は毎年9月末日を基準日として、中間配当を行うことができる旨を定款に定めております。中間配当の決定機関は取締役会であります。
研究開発活動1,078字
6【研究開発活動】 当社は、SLCトランスポーターの中でも、創業者である遠藤仁(現杏林大学名誉教授)が発見したLAT1(L型アミノ酸トランスポーター1)に着目し、がんや自己免疫疾患において、既存治療では十分な効果が得られていない患者様のニーズに応える新規治療薬の研究開発を行っております。詳細は、上記「第1 企業の概況 3 事業の内容」をご参照ください。 当事業年度においては、主要パイプラインであるナンブランラトについて、2025年10月にドイツ・ベルリンで開催されたESMO2025(欧州臨床腫瘍学会)において、第2相試験のサブグループ解析及び曝露-反応(Exposure-Response:ER)解析の結果をポスター発表しました。また、CMC(化学・製造・品質管理)に関して、2025年5月13日付で商業製造スケールにおける品質基準への適合についてFDAより肯定的な書面回答を受領しました。これらの進展を踏まえ、当社は2025年12月にグローバル第3相臨床試験を開始しており、2026年6月現在、計画通り順調に進捗しております。また、JPH034については、AMED補助金の支援のもと開発を進め、米国時間2026年3月22日に米国における第1相臨床試験を開始し、最初の被験者への投与を実施しました。 加えて、ナンブランラトの適応拡大に向けた研究開発、希少疾患を対象とした非臨床試験、JPH034のグリオーマに対する臨床試験実施に向けた検討、並びに次世代パイプライン(ナンブランラトの後継品)の創薬研究にも取組んでおります。 研究開発費の主な内訳は、ナンブランラト及びJPH034を中心とする当社パイプラインの開発費、大学等の研究機関との共同研究費及び委託研究費、ナンブランラトの特許の強化・延長のための研究費、次世代パイプライン(ナンブランラトの後継品)の基礎研究及び創薬研究、創薬基盤技術の研究、並びに特許出願に係る費用で構成されております。 なお、当社は、創薬事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。 当事業年度における研究開発費の総額は3,015,035千円と事業費用全体の81.3%を占めております。 研究開発費の主な内容は、治験薬製造費、非臨床試験の外注費、臨床試験の外注費、当局への申請準備など薬事業務の外注費であります。当社は、今後もナンブランラトのグローバル第3相臨床試験及びJPH034の米国第1相臨床試験の進捗等に応じて研究開発活動を推進していく方針であり、相応の研究開発費の発生を見込んでおります。
主要な設備の状況316字
2【主要な設備の状況】2026年3月31日現在 事業所名(所在地)設備の内容帳簿価額(千円)従業員数(名)建物及び構築物機械装置及び運搬具土地(面積㎡)リース資産その他合計本社(東京都港区)本社及び研究開発---(-)---16(注)1.期末帳簿価額はありません。2.現在休止中の主要な設備はありません。3.当社は、創薬事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。4.上記の他、他の者から賃借している設備の内容は以下のとおりであります。事業所名(所在地)設備の内容年間賃借料(千円)本社(東京都港区)本社事務所16,324注.年間賃借料は2026年3月31日現在の契約に基づく年間賃借料を記載しております。
監査の状況2,167字
(3)【監査の状況】① 監査等委員監査の状況 監査等委員は監査基準・計画に基づき、取締役会のほか重要な会議に出席し必要に応じて意見を述べるなど、常に取締役の業務執行を監査できる体制となっております。また、重要会議の出席、取締役の法令・規程等の遵守状況の把握や、会計監査人の監査計画の把握、内部監査状況の把握を行い、内部監査担当者及び会計監査人と情報交換や意見交換を行うなど連携を密にし、監査機能の向上を図る方針であります。 監査等委員田島照久氏は公認会計士の資格を有しており、財務及び会計に関する相当程度の知見を有しております。また、監査等委員のうち1名は、弁護士であり、職業倫理の観点より経営監視を実施することとしております。 監査等委員会は、原則として月1回開催する他、必要に応じて随時開催しております。当事業年度においては合計17回開催し、個々の監査等委員役の出席状況については、以下のとおりであります。氏名開催回数出席回数森 俊介17回17回田島 照久17回17回川口 幸作17回17回 監査等委員会においては、主に、監査計画及び監査方針の策定、監査結果の報告、監査上の重要事項についての協議及び検討、監査報告書の作成、会計監査人の監査の方法及び結果の相当性の評価等を行っております。また、内部監査担当者及び会計監査人との連携を図ることで、会計監査、各部署の往査を効果的に実施しております。 なお、当事業年度においては、次の事項を監査方針とし、監査しております。・独立かつ公正な立場から、取締役の職務執行の適法性を監査することにより、企業不祥事及び会社に著しい損害を及ぼす事実の発生の防止に努めること・経営方針、事業計画及びそれらに基づく諸施策を認識し、内部統制システムの構築・整備の基本方針及びその運用状況の把握に努めること・会社経営の目標達成、経営管理の改善・向上に資すること ② 内部監査の状況 当社は、内部監査担当者として3名任命しております。内部監査担当者は、業務活動の合理性、効率性、適正性を諸規程に準拠して評価を行い、直轄の代表取締役社長及び取締役会に報告し、不正、誤謬の防止並びに業務改善に資することとしております。また、内部監査指摘事項の改善状況を定期的に確認することで実効性の高い監査の実施に努めております。なお内部監査が自己監査とならないよう、自身が所属する部門の内部監査には関与しておりません。 内部監査担当者は、内部監査の実施状況等について監査等委員会に報告を行い、監査結果の共有を図っております。内部監査担当者及び監査等委員会と会計監査人の間の情報交換・意見交換については、日常的に連絡が可能な状態になっており、監査上の問題点の有無や今後の課題等について随時意見交換等を行っております。 また、内部監査の結果は取締役会に直接報告を行う体制となっております。 ③ 会計監査の状況a 監査法人の名称監査法人銀河 b 継続監査期間2020年3月期以降 c 業務を執行した公認会計士吉村 史明四ツ橋 学 d 監査業務に係る補助者の構成 当社の会計監査業務に係る補助者は、公認会計士12名、その他2名であります。 e 監査法人の選定方針と理由 監査等委員会は、会計監査人の職務の執行に支障がある場合等、その必要があると判断した場合には、株主総会に提出する会計監査人の解任または不再任に関する議案の内容を決定いたします。 また、監査等委員会は、会計監査人が会社法第340条第1項各号の何れかに該当すると認められる場合は、監査等委員全員の同意により、会計監査人を解任いたします。この場合、監査等委員会が選定した監査等委員は、解任後最初に招集される株主総会において、解任した旨及びその理由を報告いたします。 f 監査等委員会による監査法人の評価 監査等委員会は、会計監査人の評価基準に基づき、監査法人の独立性、専門性、効率性、品質管理体制の整備状況及び監査報酬の水準等を検証し、総合的に評価した結果、会計監査人監査法人銀河はいずれの点も問題はないと認識しております。 ④ 監査報酬の内容等a 監査公認会計士等に対する報酬の内容前事業年度当事業年度監査証明業務に基づく報酬(千円)非監査業務に基づく報酬(千円)監査証明業務に基づく報酬(千円)非監査業務に基づく報酬(千円)13,200-17,2801,000(注) 当事業年度の非監査業務の内容は、コンフォートレター作成業務であります。 b 監査公認会計士等と同一のネットワークに対する報酬(aを除く) 該当事項はありません。 c その他の重要な監査証明業務に基づく報酬の内容 該当事項はありません。 d 監査報酬の決定方針 当社の監査公認会計士等に対する監査報酬の決定方針としましては、監査公認会計士等から提示された監査に要する業務時間を基準として報酬額を決定しております。 e 監査等委員会が会計監査人の報酬等に同意した理由 監査等委員会は、会計監査人の監査計画の内容、会計監査の職務遂行状況及び報酬見積りの算出根拠等の相当性について慎重に審議した結果、会計監査人の報酬等の額は合理的な水準であると判断し、会社法第399条第1項及び第3項の同意を行っております。
株式の保有状況186字
(5)【株式の保有状況】 当社は、政策保有株式について、営業政策上の必要性や株式保有の合理性等を総合的に勘案し、中長期的な企業価値向上に資すると判断した場合を除き、保有しないことを基本方針としております。また、純投資目的の株式は保有しない方針であります。 なお、本書提出日現在において、政策保有株式、純投資目的の株式その他純投資目的以外の株式のいずれも保有しておりません。
沿革1,832字
2【沿革】 当社は、1993年より当社創業者である遠藤仁(現杏林大学名誉教授)が杏林大学において開始した細胞膜輸送タンパク質(トランスポーター)に関するゲノム創薬研究の成果を基盤として設立されました。遠藤は、トランスポーターの研究を通じて12種類のトランスポーターを発見し、関連する特許を取得しました。中でも、1998年に分子同定された必須アミノ酸トランスポーター「LAT1」は、当社の創薬研究の中核をなす重要な創薬ターゲットとなり、これが2005年の当社設立の契機となりました。 当社の本書提出日までの変遷の概要は以下のとおりであります。年月概要2005年12月細胞膜のトランスポーターに特化した医薬品開発を行う会社としてジェイファーマ株式会社を東京都港区虎ノ門一丁目に設立2006年10月医薬基盤研究所 医薬品・医療機器実用化研究支援事業「高リン血症治療薬の開発」採択2006年10月東京都新宿区新宿二丁目に本社を移転2007年 9月NEDOイノベーション実用化助成事業「胃硬性がん療法の開発」採択2007年10月文部科学省分子イメージング研究プログラム「がん細胞特異膜タンパク質を標的とした新規分子プローブの開発」採択2009年 8月NEDOイノベーション推進事業「新規リン吸着剤JPH101の研究開発事業及び臨床第1相試験の実施」採択2010年 8月NEDO基礎研究から臨床研究への橋渡し促進技術開発/橋渡し促進技術開発「がん細胞に発現する必須アミノ酸トランスポーター(LAT1)を分子標的とする新規抗がん療法の研究開発」に採択2013年 4月NEDOベンチャー実用化助成事業「アミノ酸トランスポーター阻害による革新的抗がん薬の臨床開発」採択2013年 5月神奈川県横浜市鶴見区に本社を移転2013年 7月横浜市特区リーディング事業助成金「トリプルネガティブ悪性乳がんの体外診断薬キットの開発」採択2014年 5月NEDOベンチャー実用化助成事業「新規抗がん薬JPH203の臨床試験実施によるPOCの確保」採択2014年 7月横浜市特区リーディング事業助成金「トリプルネガティブ乳がん用体外診断薬の実用化」採択2015年 1月LAT1阻害剤ナンブランラト(開発コード:JPH203)の国内における第1相臨床試験を開始2017年 7月ナンブランラトの国内における第1相臨床試験を終了2018年11月ナンブランラトの国内における第2相臨床試験を開始2019年 4月大原薬品工業株式会社とナンブランラトに係るライセンス及び共同開発に関する契約締結2022年 4月ナンブランラトが米国食品医薬品局(FDA)より進行性胆道がんのオーファンドラッグ(希少疾病用医薬品)に指定2022年12月ナンブランラトの国内における第2相臨床試験を終了2023年10月中枢移行性LAT1阻害剤(開発コード:JPH034)の多発性硬化症に対する開発が、米国National Multiple Sclerosis Society (NMSS) のFast Forward商業化研究助成プログラムに採択され補助金を受領2023年10月米国での医薬品開発のための人材採用を目的としてJ-Pharma USAを設立(2025年7月に清算結了)2024年 6月JPH034が国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)「創薬ベンチャーエコシステム強化事業」に採択2024年 9月ナンブランラトのがん患者に対する臨床試験に向けたInvestigational New Drug (IND) 申請が米国FDAより承認2025年 5月ナンブランラトのCMC(化学・製造・品質管理)について、米国FDAより肯定的な書面回答を受領し、米国FDAが求める商業製造スケールでの品質基準を満たしていることを確認2025年 6月東京都港区浜松町へ本社移転2025年12月ナンブランラトのグローバル第3相臨床試験(胆道がん2次療法を対象)を開始2026年 2月JPH034の米国第1相試験開始に向け米国FDAによるIND安全性審査が完了2026年 3月JPH034の第1相臨床試験を開始2026年 3月東京証券取引所グロース市場に株式を上場2026年 4月「JPH034」第1相臨床試験がClinicalTrials.gov に登録2026年 4月ナンブランラトの胆道がんに対する医師主導臨床試験のjRCT登録
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TIMELY DISCLOSURE
適時開示(TDnet)
2027年3月期 第1四半期決算短信〔日本基準〕(非連結)決算短信 · 16:00
PDF取締役及び執行役員に対する譲渡制限付株式報酬としての新株式発行の払込完了に関するお知らせ並びに新株予約権の行使価額調整に関するお知らせその他 · 16:00
PDF出典:東証 適時開示情報閲覧サービス(TDnet)。決算短信・業績予想の修正はEDINETには掲載されません。
PEERS
同業他社(医薬品・売上高順)
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